山ぶどう、クルミ、白あけび手提げ買い物籠バッグの修理

山ぶどう、クルミ、白あけび手提げ買い物籠バッグ


自然素材の竹籠バッグをご愛用の方々の中には、同じ山の素材である山葡萄や、クルミ、アケビ、あるいはイタヤカエデなんて言うレアな手提げ籠をお使いの方もおられる。自分も、昔から素朴な味わいが大好きで母から譲られたセカンドバッグや、100年前の腰籠を手提げ仕様に作り直したものなど数点を使っている。竹籠もそうだが、これからの最大の魅力は経年変色であり、使うほどに深まる風合いは堪らない。


輸入山葡萄買い物籠修理前


ところが、近年海外生産の山葡萄やクルミの籠が増えてきて、それと同時に伝統的な良さが遠のき、技巧に走るきらいがあるので個人的には、興味が薄れている。輸入品が悪いと言う事ではないが、昔ならほとんどなかった山葡萄やクルミ手提げの修理が増えているのは、やはり耐久性に差があるからだろう。


山葡萄手提げ修理後


これらの輸入の山葡萄の籠修理の場合、国内の職人さんは自分の山の素材に誇りを持っているし、実はあまりやりたがらない。しかし、お客様が数年かけて良い風合いになった籠は、手直ししないと使えない...もったいないし残念なので、何とか無理を言ってひとつひとつ修理していただくのだ。


クルミ買い物籠修理前


クルミの手提げ籠バッグは、表皮がついていると少し重みが気になる。こうして見ると、一体どこが壊れているのか?とも思うけれど、実は持ち手が完全に取れてしまっている。


クルミ手提げ籠


くるみ買い物籠手直し後


熟練の職人の凄さは、同じ素材を豊富にもっている事でもある。見た目に違和感がないように(違和感も良い場合が多々あるけれど)、しっかりと完璧に修理されている。


くるみバッグ修理後


これなら、あと30年、40年と使い込んでもまず大丈夫だ(笑)。


クルミ買い物籠修理後


表皮を剥いだクルミ買い物籠バッグも持ち手の取り換えが完了した。こうして新しい命が吹き込まれるのを見るのは、竹に限らず心躍るものがある。


白アケビ買い物籠バッグ修理後


さて、こちらは正真正銘の国産品、通常のアケビ細工ではなく、アケビのヒゴを煮たてて薄皮を剥いだ白アケビの籠だ。


白アケビ買い物籠バッグ修理後


この珍しい白アケビを修理できる職人は日本で一人しか知らない。この白い色が、表皮のついたアケビのような色合いになるのは何と200年先だと言う。日本の手仕事は本当に奥が深い。





コメントする