猛暑の中、よさこい地方車製作が続く。色々な案があったが、最終的には4メートル切り1寸竹を丸竹のまま並べて清水垣のような形にする事になった。これだけの高さで、真っ直ぐな美しい虎竹が並ぶと壮観だ。十分見応えがあるし、むしろ、自分はこのままで良いと思ってもいるけれど、そうもいかない。
今年のチームすさき真実さんのテーマはーマは「暁(あかつき)」。太平洋に面して海の幸に恵まれた高知県にあって、旨い魚が自慢の須崎なら、暁といえば水平線からやってくる、明るい未来への気持ちを込めたものにしなければならない。
丸竹の製作を終えるまで、いつくかの案を試してみたが思うような見栄えにはならない。「竹と話しながら決めていく」と言えば格好が良いが、創業130年という歴史があり、様々な竹材が豊富な自分たちにしか出来ない方法での創作を考えていたので、まさに竹と相談しながら考えていた。
竹虎には、本当に面白い素材がある。前々から、地方車用にと取っておいた一つが、ゴマ竹の割竹だ。ゴマ竹は、竹林の職人の熟練の技で生み出される京都の銘竹、希少な竹でもあり、元々が孟宗竹という扱いづらい竹材で編組細工等は皆無に近いのだが、六ツ目編みしてみた。
実はテーマの「暁」には、コロナが明けて新たな出発をしようという想いも込められていると聞いていた。コロナ後の初めての本格的なよさこい祭りの開催なら、六ツ目編みを何処かに使う事は決めていたのだ。
細かい竹編みには古くから厄除けという意味合いがあり、今でもある地方に行けば、庭先に高く吊るした六ツ目編みの竹籠を見る事ができる。新しい夜明けに、災難や災害を避けて、悪いものを寄せ付けず、よさこい祭り、高知県、そして須崎市の発展の祈念するには欠かせない竹編みだと思っていた。
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