黒竹団扇には一年かかった、粘りのある黒竹を団扇の骨にするのが大変なので今まで製作する事ができなかったのだ。そんな、黒竹丸持ち手渋引き団扇が完成して喜んでいるのは、ボクとご夫婦で竹に会いに来てくれた団扇職人さんだけかも知れないが、でもそれで充分に満足している。
近年は、エアコンがあるから夏でも団扇など使う事はあまりないのだと思う。夏の間、一度も団扇を手にされない方も多いのではないだろうか。ましてや、黒竹の丸竹をそのまま使ったモノなんて皆無で、せいぜい平たい竹のものか、何かだろう。
平竹の団扇は、団扇の素材として大量に輸入されているので手にする事も多いと思う。しかし、同じ平竹でも一昔前のこの団扇の竹のあしらいはどうだ!?竹表皮を薄く剥いでいで磨いているけれど、なんと「線磨き」だ。究極の線磨きは渡辺竹清先生から分けて頂いた、線磨き四ツ目文庫をご覧いただきたいが、日常使いの団扇にまで、こんな技を入れる日本の職人には凄いとしか言いようがない。
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