大不作の梅

梅干し用四ツ目編エビラ


2024年は、暖冬の影響で梅の大不作だそうだ。長年の梅農家の方でもこんなに収量の少ない事は経験がないと言われているようで、梅不足から価格が高騰してしまっている。そこで、毎年梅作りを楽しみにされてきた主婦の方の中には、どうも今回は梅干しは漬けられないと話される方もいる。


昔のエビラ


虎竹の色づきにも暖冬が関わっているけれど、やはり自然の事だから人の力の及ばない事もあるのだ。しかし、それでも竹ざるや、エビラなどへのご用命が多いのは、どうしてだろうか?特に今年から本格的に製作はじめた四ツ目編エビラは、昔からの民具を集めた、高知民族資料館さんで見かける籠を参考にさせてもらっている。


竹虎四代目、四ツ目エビラ籠


長く人の暮らしの中で使われてきた竹細工は、実際の生活で磨かれた秀逸なものばかりだ。定番の網代編みと並んで、四ツ目編が沢山遺されているのは通気性抜群の機能的な部分からだと思う。梅不足でも、このような干しざるに評価を頂くのは、近年の食品ロスや物価上昇による皆さんの節約意識などもあるかも知れない。残った野菜を干しておけば、長く保存できて、美味しく栄養価の高いドライベジタブル(今風)になるのです。



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