
炎天下の虎竹里で、虎竹を使ったよさこい祭り地方車製作が始まった。そもそも地方車というものを、いやいやヨサコイ祭り自体をご存知だろうか?よさこい祭りは、高知を発祥として日本各地200カ所以上で踊られているお祭りで、近年では海外でも29の国や地域に広がっている。踊りや衣装は、それぞれのチームが毎年趣向を凝らすのだが、当然音楽も新調されて、その音楽を鳴らし踊り子隊を先導して進むのが地方車だ。

竹トラッカーを製作した頃から、いつか機会があればもっと大きな車体を虎竹で飾るのも面白いなあと思っていたが、ちょうど創業130周年の今年がそのタイミングとなった。
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昔は、確か大型トレーラーのような地方車もあったように思う。現在は地方車も4トントラックまでに統一されている、それでもやはり大きい、そして今回は製作期限があるので大変だ。


まだまだ、全くであるものの「まあ、見ていてください」そんな風に取材に応えている工場長だ。

山里の名人作竹箒が欠品となって随分と時間が経っているので、そろそろ少しでも出来あがっているのではないかとお客様からお問い合わせを頂いている。しかし、誠に申し訳ございません、残念ながら一本も出来あがってはいません。職人さんは、ただいま鮎に忙しいかも知れない(笑)。
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いえいえ、お待ちのお客様がおられる事は重々承知しているのだ。けれど皆様、慌ててはいけません。竹には伐採の旬があり、自分達の虎竹でも1月末までに伐られた竹材だけで一年間何とか頑張っている。

竹を伐る時期が決まっているから、当然、竹の小枝など何処を探しても落ちていない。
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
こうして見ると、箒一本製作する事すらも大いなる自然の中で、逆らうことなく、リズムを合わせた営みなのだ。
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秋以降に旬がよくなれば、川岸に繁っている五三竹も、孟宗竹も伐採できるようになる。それまで、小学校の頃からのキャリアという職人さんの華麗な技をご覧いただきながらお待ちください。

皆さん、青竹踏みをご存知だろうか?もちろん、ご存知の方は多いと思う。竹を半分に割って、竹の自然のカーブを活かして足裏のツボを刺激する昔ながらの健康器具。自分の感覚では、一家にひとつくらいはあると思っていた青竹踏みなのだが、ある時、若い学生さん達が全く知らない事を知って、衝撃を受けて製造販売に力を入れて来た。実はもう、20年以上も前の事になる。
しかし、竹を半分に割っただけの簡単な製品に見えるのだが、竹伐採をする職人さんが激減している中で、このような単純で安価な製品ほど大量に扱うことは難しい。自然の竹は太さが様々だから、まず同じ頃合いの竹を集めるのが大変なのだ。さらに竹虎の場合だと40センチの長さの中に、竹節を二つ入れて強度をとっているのが大事な所。輸入品は論外としても、同じように見える国産の青竹踏みでも一節のものが多いようだ、一節だけ入れるのであれば比較的に製造は簡単になる。
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何故かって?竹は元の方ほど節間が狭く、ウラ(先端)の方ほど長くなるからだ。同じ長さの中に二節入れようとすると、長い竹の中でも極一部分しか使えなくなるのだ。使用できない他の部材を、何かに加工できる竹材業者でないと製造できない。さらに、管理の難しい竹にはカビや割れ、虫など多々あって、梅雨の晴れ間を見て天日干しさせるなど苦労を考えれば、利益はない。ただ、青竹踏みは誰が見ても竹と分かっていただけるので、これを多くの方に手にしてもらって、少しでも竹に親しみを感じてもらえたらという、その一心なのだ。

さて、この取り組みを始めた頃に、たまたま国際線の元CAの方(カリスマブロガー)に紹介いただいた。飛行機の中は気圧の関係で足がむくみやすいらしい、そこで休憩時間に青竹踏みを使うと、まるで同僚のパンプスと間違えたのかと思うほど、むくみがとれたそうだ。このブログがアップされた時には、品切れになる程お問い合わせ頂いて驚いたけれど、それがひとつの弾みとなって、ずっと今に続いている気がする。
竹虎のFBページでは、お陰様で動画だと数万回ご覧いただけるほど、多くの方にお越しいただけている。もし、皆様の中で青竹踏みをご存じない方がおられたら、これは日本の竹の危機だと思う(^^)是非一度お試しいただきたい。竹虎では、青竹踏み踏み体操なるものまで作って頑張っています!

ボクが機嫌よく座っているのは、七島藺渦巻円座。65センチと大型の円座は何か特別感があって、とても座り心地がいい。抜群の耐久性を誇る七島藺(しちとうい)という、い草に比べて曲疲労強度、摩耗強度が5~6倍もあって、2倍以上の耐焦性がある事から柔道用の畳として使われてきた歴史のある素材なのだ。
とにかく、ふっくらとした渦巻が圧巻、似たような円座を見かけたら本当の大分県国東半島でのみ収穫される希少な七島藺かどうか?まず確認してもらいたい。そう言えば、先日アメリカで武道を習う生徒さんたちが、師匠の先生へのプレゼント用にお求めいただいたけれど、今頃先生は道場で愛用してくださっているだろうか。良い生徒さんをお持ちの先生です。

大きなトレーラーには、10メートル以上ありそうな竹が満載されている。これほど大きな孟宗竹を、長いまま運んで行くなんて、少し竹の事に詳しい方なら「何事か!?」と思われるかも知れない。全国に広がる竹林で、用途がなく悪者扱いすらされている孟宗竹を、一体誰が何に使うというのだろうか。

実は、これらの竹材は牡蠣養殖用の筏に使われるために運ばれている。今時、竹を使った筏なんて...もっと耐久性のある素材がありそうなのに...ごもっともな感想だ。しかし、これには昨今の環境問題が関わっている、そう海洋プラスチックによる海の汚染だ。

海に流されたプラスチックが、小さな破片となるマイクロプラスチックは皆様を耳にした事があるかと思う。自然界で分解されないプラスチックに替わり、天然の竹を使う動きが広がっているのだ。

このような太い孟宗竹たちにとっては朗報、加速してもらいたい動きだ。
22年前の今日、7月17日に竹虎は楽天市場に出店した。右も左も分からなかったけれど、どんどん名前を聞くようになってきたモールに可能性を感じていた。田舎者の自分など、出店歴は長いものの、そうそう楽天本社にお伺いする機会などない。現在は二子玉川にあるらしいが、当時の楽天は中目黒にあって最寄り駅は目黒駅だったと思う。そこに初めてお伺いさせてもらった覚えがあるから、自分の意識の中では楽天=目黒だ(笑)。
現在、楽天市場には57000店舗もの会社が参画し、まさに売ってないものは何もないような巨大商店街となっている。そんな中で、楽天大学ラボさんから取り上げて頂き取材してもらった。評論家の宇野常寛さんにお越しいただいたインタビューは、分かりやすいとお客様からも、社内からも好評だ。何より、あれだけ沢山の会社様が毎日アクセスする管理ページに、その取材動画へのバナーが大きく貼られているのが驚きだった。
それにしても、あれから22年とは早い。何よりスピードを重んじる楽天市場の中で、置いていかれそうになっている自分達を助けて頂くのは、いつもお客様の皆様だ。素早い動きはできない竹虎をご愛顧いただき、応援いただく楽天ユーザーの皆様には心から感謝したいです。いつも、ありがとうございます。

黒竹団扇には一年かかった、粘りのある黒竹を団扇の骨にするのが大変なので今まで製作する事ができなかったのだ。そんな、黒竹丸持ち手渋引き団扇が完成して喜んでいるのは、ボクとご夫婦で竹に会いに来てくれた団扇職人さんだけかも知れないが、でもそれで充分に満足している。

近年は、エアコンがあるから夏でも団扇など使う事はあまりないのだと思う。夏の間、一度も団扇を手にされない方も多いのではないだろうか。ましてや、黒竹の丸竹をそのまま使ったモノなんて皆無で、せいぜい平たい竹のものか、何かだろう。

平竹の団扇は、団扇の素材として大量に輸入されているので手にする事も多いと思う。しかし、同じ平竹でも一昔前のこの団扇の竹のあしらいはどうだ!?竹表皮を薄く剥いでいで磨いているけれど、なんと「線磨き」だ。究極の線磨きは渡辺竹清先生から分けて頂いた、線磨き四ツ目文庫をご覧いただきたいが、日常使いの団扇にまで、こんな技を入れる日本の職人には凄いとしか言いようがない。

一体いつまで竹ざるの事を言っているんだ?もう梅雨も明けるので、土用干しのシーズン間近ではないか?それより何より、本格的な梅干しの季節だけれど、今年は梅が大不作で梅干しを漬けない方も多いとも聞いている。なのになぜ?干しざるの事ばかり言っているのか。

それには、ひとつ忘れられない光景への思いがある。数年前に訪れた台湾の路地裏で、使い古された竹ざるに筍が広げて干されていた。竹に竹の取り合わせは、さすが竹の本場だと感心すると同時に、ものすごく懐かしい気持ちになった。出来ることならば、あのような光景が、日本のあちらこちらに蘇るまで続けたい。

エビラ籠の木枠だって、今年はまだまだ追加製造して用意している。梅が不作だからと言って何だろうか。竹ざるの活躍するのは、もちろん梅雨明けだけではない。世界的な人口増加に伴って、日本の「もったいない精神」は、これからますます大事になってくる。食品ロスなんて言葉が、更に重みを増してくる時代に、国産の竹ざるを使ったドライベジタブルは、もはや当たり前の時代だ。自然と調和していた、日本の昔の暮らしが見直されるならば、当時も活躍していた通性抜群の四ツ目編が注目されると嬉しい。

いやいや、本当に今日も暑いです!カンカン照りの太陽と青空を見ていると梅雨だという事を忘れてしまいそうだ。けれど今年の梅雨明けは、まだ先だそうだからご自宅の湿気対策は、やはりしっかりやっていかねばならないようた。少しづつ皆様にも知っていただけるようになった、竹虎の調湿竹炭パックはリビングなどでもご愛用いただきたいから、竹炭の微粉末の出にくい不織布を選び、さらに念を入れて二枚重ねにして製造している。

竹炭は木炭に比べて湿度調節、消臭効果が高い事が言われているが、何より素晴らしいのは、竹の無尽蔵とも言える資源の活用になることだ。日本の孟宗竹林は、筍が輸入されてるようになってから急速に人の手が入らなくなり、放置竹林が全国各地に広がっている。

竹虎では孟宗竹を袖垣の芯に使ったり、伝統的な竹ざるに活用したりしているが、全体量からすると本当にごくわずかでしかない。

竹は、わずか1日で1メートル以上も成長する驚異のパワーを持っている。そして、そんな竹を使った竹炭の湿度調節効果は、皆様の想像をはるかに超えていると思う。

よかったら、下のYouTube動画をご覧ください。衝撃の実験結果にきっと驚かれる事だと思います。電気も必要ありません、余計な費用はかからず、置いておくだけ、湿気があれば吸い込み、乾燥すれば出す事を繰り返すので半永久的で経済的なところも竹らしい(笑)。

実は結構前から竹籠は編み上がっている虎竹手提げ買い物籠バッグ。今までは丸い籐を曲げて取り付ける、籐持ち手などが一般的だったのだが、良質の籐がなかなか手に入りづらくなっている。実は籐は日本では成育せず、全ての籐は輸入材だ。確か江戸時代から籐細工はあるのに?と不思議に思われる方がいるとも知れないが、当時は海を渡って輸入される船の荷物を縛るために使われていた籐などを再利用していたらしい。竹よりも柔軟で丈夫な独特の性質を持っている希少素材として、とても高価なものだったと思う。
今回も、虎竹手提げ籠バッグに使えるような太めの籐がないので革持ち手を取り付ける事にしている。籠は出来ているので、後は革職人さんの仕事を待つばかり、夏のお出かけに楽しみにされている皆様、もう少しだけご勘弁ください。

団扇(うちわ)と言えば、蒸し暑い日本の夏には欠かせない道具のひとつだった。ところが、近年はエアコンや扇風機などがあるので、夏祭りや花火大会などのイベントを除けば、もしかしたら一度も手にする事なく季節を終える方も多いのかも知れない。むしろ、最近はインバウンドで来られる海外からの観光客の皆様向けのお土産物的な要素が強くなっているようにも思う。
竹虎は、今から130年前に竹傘の骨材を提供する竹材商として創業した歴史がある。傘と同じように、当時は団扇も全国に大きな産地があって大量に製造されてきたから、実は縁のある馴染の竹製品のひとつだ。竹のしなやかさと強さを活かした団扇は、身近に置いて長く使うことができ、エコロジーな選択肢としても若い世代にも魅力的に見えるのではないだうろうか。伝統を繋ぐ職人技を見ていると、団扇の良さを再発見し、その魅力を広めることも大切だと改めて思えてくる。

近年、竹籠修理のご依頼が少しづつ増えている。先日の30年ブログでご紹介した、サクランボの収穫に使う腰籠など代表的かも知れないが、一昔前なら近くで手直しできる職人がいたであろう竹細工も、購入先する分からなくなったものは何処にも当てがなくなり、遠くからでも竹虎にやって来られる。

竹素材だけでなく、今回はクルミで編まれた手提げ籠がお客様から届いた。クルミも味があって秀逸なものが多い、ただ山葡萄と比べると耐久性が低く、長くお使いいただく中でヒゴが割れたり、折れたり、この籠のように負荷のかかる持ち手付け根部分が傷むものは結構多い。

だから、素材の特性を知り尽くた熟練の職人の編むくるみ手提げ籠バッグには、傷むことの多い持ち手付け根部分には丈夫な山葡萄が使われている。

新しく届いた買い物籠も持ち手が折れているけれど、素材は何かお分かりだろうか?籐にも似ているけれど、実はアケビだ。普通に見かけるアケビ細工は、もっと焦げ茶色をしているかと思うが、蔓を長時間煮込んで表皮を剥ぐという伝統の手法があって、このように白い籠編みができあがる。このような白アケビは元々珍しいので修理は本当に稀だ、製作される職人も殆どいないようなので、是非元どおりに修理させていただき長くご愛用できるようにしたい。

2024年は、暖冬の影響で梅の大不作だそうだ。長年の梅農家の方でもこんなに収量の少ない事は経験がないと言われているようで、梅不足から価格が高騰してしまっている。そこで、毎年梅作りを楽しみにされてきた主婦の方の中には、どうも今回は梅干しは漬けられないと話される方もいる。

虎竹の色づきにも暖冬が関わっているけれど、やはり自然の事だから人の力の及ばない事もあるのだ。しかし、それでも竹ざるや、エビラなどへのご用命が多いのは、どうしてだろうか?特に今年から本格的に製作はじめた四ツ目編エビラは、昔からの民具を集めた、高知民族資料館さんで見かける籠を参考にさせてもらっている。

長く人の暮らしの中で使われてきた竹細工は、実際の生活で磨かれた秀逸なものばかりだ。定番の網代編みと並んで、四ツ目編が沢山遺されているのは通気性抜群の機能的な部分からだと思う。梅不足でも、このような干しざるに評価を頂くのは、近年の食品ロスや物価上昇による皆さんの節約意識などもあるかも知れない。残った野菜を干しておけば、長く保存できて、美味しく栄養価の高いドライベジタブル(今風)になるのです。
日本最大級のショッピングモール楽天市場さんには、楽天大学ラボという学びと成長の場を提供するメディアがある。ここでの気づきは、楽天に出店している、していないに関わらず役立つ事が多いのだが、「イノベーションの現場から」というシリーズ動画で、竹虎を取り上げていただいた。取材の様子を5月30日の「宇野常寛さんが来社、楽天大学ラボ取材」でご紹介しているが、取材が終わってからどんな動画が出来あがるのか、ずっと楽しみにしていた。
00:00 オープニング
03:20 忘れられゆく竹文化
06:35 竹を知るきっかけを作る
14:00 なぜユニークな竹細工に挑戦するのか
16:37 ユニークな発想の源とは
21:12 竹の魅力を伝える
24:45 「伝える」活動の意義
30:41 竹文化を後世に残す
36:32 取材を終えて

動画の内容は、このような目次になっている。オープニングから自分達が直面している課題と、竹製品が日本の生活から消えつつある現状に対して、どのように向き合っているのか?そして、忘れられてしまっている竹を知るきっかけを作るための取り組みについてお話しさせてもらった。自分たちは、ブログやYouTubeチャンネルなども活用して竹の魅力を発信し、竹文化に触れる機会を提供したいと思い続けている。


竹の新しい可能性を探求し、従来の枠にとらわれない発想で竹細工を進化させる事が、竹製品の魅力をより多くの人に伝えることができると信じている。一見、ユニークにも見える虎竹製の電気自動車などは、その最たるものだ。

今回の動画は、楽天市場に参加されている6万社が毎日アクセスする管理画面の中央にバナーを貼っていただいている。ここは、嫌でも目に入る一等地だ、これを機会に日本唯一の竹を知る方も少なくないかも知れない。竹は日本人の誰もの心に眠っているモノなので、もしかしたら竹や竹文化に関心を持つ方もおられれば、この上なく嬉しいです。