さて、今日は先日少し触れさせてもらっていた楽天大学ラボさんの取材についての話題だ。楽天大学とは聞きなれない方も多いかも知れないけれど、インターネット通販でも有名な楽天市場にある出店々舗の学びの場で、実は今年から新しい切り口のコンテンツを製作されている。
「人生を豊かにする大人の学び場」をコンセプトに、様々な動画配信を開始されており、今回の動画では評論家の宇野常寛さんが、それぞれの会社を実際に訪れ、現場から鋭い視線を向けるという趣向のようだ。楽天参加店舗として熊本県にある有限会社「宮川洋蘭」さん、宮城県石巻市「愛情たらこのみなと」さんに続き、有難いことに三社目として竹虎を選んでいただいた。
竹虎の扱う竹籠や竹ざる等の竹製品はかつて、日本人の生活に欠かせない存在だつた。しかし、近年のライフスタイルの変化やプラスチック製品の普及により、その多くは姿を消しつつある。
そんな中、130年の歴史を持つ老舗竹屋「虎斑竹専門店 竹虎」では、時代に逆行するかのような竹の新たな可能性を追求し続けたいと模索している。
まさに取材の当日朝、台湾から凱旋帰国した竹トラッカーは、その代表的な一つだと言える。地域特産の虎竹を使った電気自動車で、海外では遥か遠くメキシコ、国内では横浜や山口県まで走り竹の魅力をお伝えしてきた。
竹の持つ強さとしなやかさを活かした環境に優しいEVとして、新しい可能性を示すシンボルとしても多くの注目を集めてきた。取材にお越しの宇野さんもこの竹トラッカーに興味津々で、実際にその技術とデザインに触れて頂いた。
さらに、スペインのボックスカートレースに参加した「REIWA-125号」も忘れてはいけない。この竹製カートこそ、竹虎のチャレンジ精神を体現するもので、レースでは、多くの観衆を驚かせ、強烈な印象を残せたのではないかと思っている。
そして現在、創業130周年を記念して、虎竹製のよさこい祭りの地方車(じかたしゃ)にも挑もうとしている。4tトラックを虎竹で装飾していくプロジェクトで、長くお世話になってきた地域の皆さんと共に竹の明日を切り拓いてゆく事に繋げていければと考えている。
よさこい祭りは高知県を代表する祭りであり、日本各地で200カ所を超えて広がっている。そんな祭りの車体を竹虎が手掛ける事で、竹文化の魅力をさらに広く発信したい。宇野さんとの対談では、このプロジェクトに込めた思いや狙いについてもお話しした。
竹虎のイノベーションは、ただ単に新しい製品を作るだけではない。年々失われていく日本の伝統文化を存続させるためのロールモデルとなれればいいと考えている。自分では少しも突飛ではないものの、新しいアイデアやチャレンジを通じて、竹に新たな価値を生み出し、次世代にその魅力を伝えていくことを目指している。
自分達の仕事の背景には、竹に対する深い畏敬の念と、竹文化を守り続けたいという強い思いがある。竹は、日本の自然と文化に深く根ざした素材であり、その秘めた可能性は無限大だ。竹を使った製品やプロジェクトを通じて、多くの人々に竹の魅力を知ってもらい、興味を持ってもらう事が竹文化を次世代に伝える一助となり、さらに多くの人々に竹の魅力を届けることができると信じている。
今回の楽天大学ラボさんの取材は、来月6月18日に公開予定。動画のタイトルは【イノベーションの現場から】竹虎の新しい夜明けぜよ!ー竹の未来を切り拓く老舗竹屋の"型破り"(仮)だそうだ。今から楽しみです!
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