竹炭 は皆様の生活の中で、すっかりお馴染みとなってきたようで本当に嬉しく思っている。けれど、竹炭と一口に言ってもその焼き方は色々で、竹炭窯の種類も土窯から鉄窯、キルン窯や耐火レンガ窯など様々だ。竹を高温で焼いて炭化させるという事は同じで、機能性は全く異なってくるけれど、消臭効果、湿度調整、水質改善など生活の多くの場面で役立つ天然素材と言うことには変わりない。
しかし、そんな炭窯の中でも最も原始的で、恐らく遠い昔の先人たちはこうして炭を焼いたのだろうと想像できるのが伏せ焼きと呼ばれる技法だ。
伏せ窯の基本的な構造は、古来日本で使われてきた伝統的な炭焼きの方法のひとつとあって非常にシンプルだ。まず地面に縦横1.5メートル、深さ1.5メートル程度の穴を掘っていく。この穴が伏せ窯の基礎部分となる。
掘った穴の一方に焚き口を設け、反対側には煙突を立てる。こうする事により、火を入れてから煙を外に逃がすための通気路が確保されスムーズに焼き上げられていく。
伏せ窯は自分達にとってはとても魅力的だ。なぜかと言うと、大量に竹材を扱う中で端材や使用できない竹も多くできるのだが、現在は法定基準を満たした焼却炉でないと燃やす事ができない。
こうして一部の古材が積み上げられた状態になっている。伏せ焼きで竹炭ができるのであれば、竹材を片づけると同時に竹炭も焼けるのだから一石二鳥とはこの事だろう。
日本のみならず、海外でも頻繁に焼かれているとう伏せ窯。地域によっては最後の工程でバナナの葉を上に被せているそうで、まさに炭焼きの原点のような気もする。地面に穴を掘って耐火レンガなどで固めていくだけだから窯作りには、それほどの費用はかからない。考えれば考えるほど優れた窯に思えてきた。
さて、今日は先日少し触れさせてもらっていた楽天大学ラボさんの取材についての話題だ。楽天大学とは聞きなれない方も多いかも知れないけれど、インターネット通販でも有名な楽天市場にある出店々舗の学びの場で、実は今年から新しい切り口のコンテンツを製作されている。
「人生を豊かにする大人の学び場」をコンセプトに、様々な動画配信を開始されており、今回の動画では評論家の宇野常寛さんが、それぞれの会社を実際に訪れ、現場から鋭い視線を向けるという趣向のようだ。楽天参加店舗として熊本県にある有限会社「宮川洋蘭」さん、宮城県石巻市「愛情たらこのみなと」さんに続き、有難いことに三社目として竹虎を選んでいただいた。
竹虎の扱う竹籠や竹ざる 等の竹製品はかつて、日本人の生活に欠かせない存在だつた。しかし、近年のライフスタイルの変化やプラスチック製品の普及により、その多くは姿を消しつつある。
そんな中、130年の歴史を持つ老舗竹屋「虎斑竹専門店 竹虎」では、時代に逆行するかのような竹の新たな可能性を追求し続けたいと模索している。
まさに取材の当日朝、台湾から凱旋帰国した竹トラッカーは、その代表的な一つだと言える。地域特産の虎竹を使った電気自動車で、海外では遥か遠くメキシコ、国内では横浜や山口県まで走り竹の魅力をお伝えしてきた。
竹の持つ強さとしなやかさを活かした環境に優しいEVとして、新しい可能性を示すシンボルとしても多くの注目を集めてきた。取材にお越しの宇野さんもこの竹トラッカーに興味津々で、実際にその技術とデザインに触れて頂いた。
さらに、スペインのボックスカートレースに参加した「REIWA-125号」も忘れてはいけない。この竹製カートこそ、竹虎のチャレンジ精神を体現するもので、レースでは、多くの観衆を驚かせ、強烈な印象を残せたのではないかと思っている。
そして現在、創業130周年を記念して、虎竹製のよさこい祭りの地方車(じかたしゃ)にも挑もうとしている。4tトラックを虎竹で装飾していくプロジェクトで、長くお世話になってきた地域の皆さんと共に竹の明日を切り拓いてゆく事に繋げていければと考えている。
よさこい祭りは高知県を代表する祭りであり、日本各地で200カ所を超えて広がっている。そんな祭りの車体を竹虎が手掛ける事で、竹文化の魅力をさらに広く発信したい。宇野さんとの対談では、このプロジェクトに込めた思いや狙いについてもお話しした。
竹虎のイノベーションは、ただ単に新しい製品を作るだけではない。年々失われていく日本の伝統文化を存続させるためのロールモデルとなれればいいと考えている。自分では少しも突飛ではないものの、新しいアイデアやチャレンジを通じて、竹に新たな価値を生み出し、次世代にその魅力を伝えていくことを目指している。
自分達の仕事の背景には、竹に対する深い畏敬の念と、竹文化を守り続けたいという強い思いがある。竹は、日本の自然と文化に深く根ざした素材であり、その秘めた可能性は無限大だ。竹を使った製品やプロジェクトを通じて、多くの人々に竹の魅力を知ってもらい、興味を持ってもらう事が竹文化を次世代に伝える一助となり、さらに多くの人々に竹の魅力を届けることができると信じている。
今回の楽天大学ラボさんの取材は、来月6月18日に公開予定。動画のタイトルは【イノベーションの現場から】竹虎の新しい夜明けぜよ!ー竹の未来を切り拓く老舗竹屋の"型破り"(仮)だそうだ。今から楽しみです!
そろそろ梅雨前線なんて言葉を聞くようになってきた。今年もジメジメとうっとおしい季節が始まりそうだ。そこで、その前に今年作っている竹ざる や青竹踏みの天日干しをする事にした。梅干しの土用干しや野菜干しに使われる竹ざるの天日干しとは少し面白い。しかし、皆様勘違いしないでください!こんなに大量の60センチ、40センチの竹ザルが並んでいるからと言って全て国産です。テレビ番組の「ナニコレ珍百景」に取り上げてもらってもおかしくないレベルです(笑)。
この国産竹ざる、自分達では当たり前の竹ざるだけれど初めての方には一体何なのか?もしかしたら分からない方もいるかと思ってポイントをまとめてみた。まず、素材は国産の竹を使用、日本の天然素材なので安心して使える。そして、サイズは、直径60センチと40センチの二種類があって、定番の60センチは一般のご家庭ならかなり余裕の大きさだから効率よく干せる、片や40センチサイズはベランダなど少し狭い場所でも使いやすい。
しっかり目の詰まった網代編みと、目の開いた四ツ目編は、どちらも竹の編み目が適度な通気性を確保し、梅干しや野菜が均等に乾燥する。どんなものを干されるかによって網代編み、四ツ目編をお選び頂いている。どちらにせよ、シンプルで美しい日本の伝統を感じさせるデザインだ。
ホームセンターに行けば手頃な価格で並んでいる竹ざるたちがある。このような輸入の竹ざるも悪くはないけれど、いざ日本の竹を使った日本製の竹ざるを探そうと思ったら、皆様が思う以上に身近には無くなっている事に気づくと思う。安心、安全を考えられるようなった若い主婦の方が多いけれど、そんな皆様に支えられて今でも何とか竹ざるの伝統を繋いでいける。本当にありがたいと思い感謝しています。
一緒に干している青竹踏みにしても同じ、竹を割っただけの単純な製品だからこそ竹林管理がモノを言う。話していると長くなりそうなので今日は国産竹笊だけで、また続きは今度にしたい。
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蒸し暑い日が続いてくるとお問い合わせが多くなる竹製品のひとつに黒竹玄関すのこ がある。作り始めたのは、もう二十数年前になるだろうか?それ以来、細々とではあるもののロングセラーとして沢山の方にご愛顧いただいてきた。使用する竹は、虎竹とは種類の違う、黒竹という黒さと細さが特徴の竹で、虎竹の里のすぐ隣町がこちらも江戸時代から知られる特産地だ。
素足で歩くと本当に気持ちが良いので、玄関やベランダでお使いの方が多い、それぞれのご自宅に合わせて別誂えのご注文も多く、その都度長さや高さを変更して製作させてもらっている。
虎竹袖垣に並べると同じくらいの長さがある、こちらの別注品は長さが180センチ、高さも玄関に合わせたサイズに変更している。
同じように美しい黒竹が並んでいるが、こちらは玄関スノコではなく、アメリカ在住の尺八作家レベンソン(Monty H. Levenson)さんにshakuhachi(Bamboo Flute)製作用として届ける黒竹素材だ。笛竹の産地がついに国を飛び越えて海外にまで送られ、人を和ませる音を奏でるなんて素晴らしいと思う。
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黒竹を使ってカリフォルニアで製作される尺八とは、一体どんな音なのだろうか?関心のあられる方は、前に竹虎の工場で演奏したレベンソンさんの動画をご覧ください。
真竹で編んだ御用籠にスズ竹市場籠のようなパイプ持ち手を取り付けた、コンテナ手提げ籠バッグ 。これくらいのサイズ感なら女性の方にも持ちやすく、使いやすいのではないだろうか。巷にあふれるプラスチックコンテナに取って変わられて、今ではすっかり見ることのなくなった竹製御用籠を身近に感じてもらえると嬉しい。
先週、ボクがコインランドリーまで洗濯物を5キロ入れて持っていったコンテナ籠と比べてみると、これくらいの大きさの違いがある。見た目も違うが、特大サイズは竹ヒゴもワンランク厚みがあるから手にした時の「ズシリ」とくる重量感が全く違う。小さいサイズ(と言っても普通サイズ)は、コンパクトに軽量化して、かなり持ちやすくなっている。
外に持ち出すだけでなく、室内でも野菜籠やマガジンラックなど、持ち手が付いた動かしやすい物入れとしても活躍する。
小さくしたからと言って、堅牢さ丈夫さは全く損なわれていない。力強い縁竹や力竹が十二分に入っているので、安心してガンガンお使いいただける。
数年使っていると、このような色合いに落ち着いてくる。まったくもって、良い歳の重ね方だ(笑)、日本は高齢化が進むそうなので、自分も含めて、ますます竹を見習う事が多くなるのかも知れない。さて、これだけ使い込んでいくと重さは3割減、反比例して愛着は10割増しだ。
消臭や調湿など、竹炭の効能については広く知られるようになった。木炭ではなく竹を炭に焼き上げる竹炭については、竹の驚異的な成長力から持続可能な唯一の天然資源とも言われている事と、その機能性の高さもあってご愛用いただく多くのお客様から好評をいただいている。
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実際に竹炭を使った調湿実験では、自分たちでもビックリするくらいの効果があった。これからジメジメとした梅雨の季節になっていくが、お部屋の湿度は70~80%になる事もあるという。そこで、テストでは80%を超える湿度環境を作り出してみた。すると、どうだろう!?何と1時間程度で竹炭を入れた方の湿度はみるみる下がって行って51%(人が快適に過ごせる湿度は50~60%と言われます)にまでなったのだ。
このような竹炭の力を薄いシートに加工して、キッチンや冷蔵庫からタンス、押し入れ、下駄箱まで様々な場所の消臭と湿度調節を簡単にできるようにした竹炭シート が新登場となった。
冷蔵庫でのご使用もオススメしたいひとつ、実は野菜や果物はエチレンガスという腐敗ガスを発生させているのだが、竹炭シートはこのガスを吸着分解するので野菜や果物が長持ちするのだ。
戸棚や押し入れなどニオイも湿気もこもりやすい場所にも一枚敷いておくと安心。
竹炭シートをお使いの場合には、竹炭を塗布した黒い面を上にしがちなのだが、付着させている竹炭粒が剥がれてしまう事もあるので、正しくはシートの白い面を上にしてお使い下さい。
ドーーーーーーーン!!!と大迫力で登場したのは御用籠と呼ばれて昔は大活躍していた角籠。ご年配の方なら、この籠が自転車の荷台に紐で縛り付けられて走っていたのを覚えておられませんか?自転車やバイクに多用されていたので、自転車籠とも言われて荷物を運ぶ際には重宝していた竹籠なのだ。
さて、今日はこの角籠にタップリの洗濯物を詰め込んでコインランドリーにやって来た!洗濯物の重量は何と5キロ!それでも、太い縁竹にしっかり取り付けたビニールパイプ入りの持ち手紐はビクともしない。
スズ竹市場籠と同じタイプの持ち手を取り付けている事かわお分かりのように、近年の開花によって少なくなったスズ竹市場籠の代わりの手提げとして使いたいと思って試作したものだ。
しかし、ご覧のようにこの「超」が付くような堅牢な力竹!丈夫なのは良いのだけれど、自分が使うのにも少し重たさを感じてしまう。もちろん、キャンプ用品を運ぶのに車のトランクに入れて使用したり、キッチンでの野菜籠やリビングのマガジンラックのような用途だと持ち運びも少ないので問題はない。
ただ、ちょっとしたお買い物や外に提げて行きたい場合には、もっと小振りで軽量なものが良い。そこで、新しく真竹コンテナ手提げ籠バッグ が登場した。
ヒシャクと言っても、こちらの虎竹柄杓は一般的な思われている形とはかなり違っている。細い竹柄の先端の合の部分が縦長で直径も随分と小さいのだ。
合だけ見ていると一体何なのか、さっぱり分からない(笑)。
高知四万十にある無手無冠という造り酒屋さんの火振り酒は、18リットルも入る大きな美濃焼き瓶に詰められて、四万十川近くの山の貯蔵庫に四万十時間=40,010時間(約4年7ヶ月)も寝かせておくそうだ。
口の小さな瓶から待ちに待った火振り酒を酌み出すのに使われるのが、この虎竹柄杓。先端が自由に動く事によってスムーズに酌み出せるのだが、百の話を聞くよりも、一度実際にご覧頂いた方がずっと分かりやすいと思う。
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現在、リュックサックを使っている方が多いので、荷物を背負った時に両手が自由になる事の便利さは良くご存知だと思う。バックパックなどとも言われるけれど、竹編みの背負い籠 は昔からあって、農作業でも山仕事でも大活躍していた。
そこで、真竹の多い地方では真竹を使って、寒い地域なら根曲竹やスズ竹、あるいは山葡萄やツヅラなど蔓素材を使って、それぞれ全国各地にある身近な素材を使った背負い籠が発達してきたのだ。
そんな中、宮崎県の急峻な谷間が多い高千穂から日之影、椎葉村辺りまでの山間部では「かるい」と呼ばれる特徴的な背負い籠が編まれてきた。今では多くの方の目に触れる事もある「かるい」が、広く知られるようになったのはそんなに昔の事ではない。横から見た時に逆三角形になる形は、急斜面に置きやすく背負いやすい構造になっている、しかし、むしろ平地では籠に入れられる容量も多くなく、立てて置く事ができないから使いづらい。
まさに地元ならではの特別なフォルムとして愛用されてきたものなのだ。この使い込まれたかるいの背中が当たる部分をご覧いただきたい。汗で濡れるから竹ヒゴがその部分だけ変色している、まさに地域で愛され、今でも暮らしの中で生き続ける竹細工の証として嬉しくなる。
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背負い籠「かるい」最後の名人、故・飯干五男さんの工房で一本の真竹から籠が出来上がるまでご一緒させてもらった事がある。本当に貴重な体験で、竹の神様が与えてくれた至福の時間だったと今でも思っている。外の激しい雨音と竹を割る音、竹を編む音だけが聞こえる作業場で、無駄のない流れるような手の動き、竹の技に言葉を忘れた。
さて、ここにあるのは飯干さんが編んだ手の平サイズのかるいだ。背負い籠くらいの大きな竹細工を、これ程小さくするのは非常に難しく、バランスよく美しく仕上げられるのは名人と言われた由縁だろう。実は匠の技で編まれる竹細工でも、新素材や生活の変化で忘れられ、必要とされなくなった時代があった。その頃に背負い籠としてだけでなく一般の方にも使ってもらえないかと考えて作られたのがこの籠だ。壁に掛けて手紙入れや小物入れとして販売されていた。
手の平サイズだけではない、実は何種類もの大きさのかるいを作り、背負い籠として使われるだけでない需要を探されていたのだ。この地域にしかない伝統の技を繋いでいきたいと言う思い、先人から受け継いだ籠への誇りを感じる。だから、ボクはいつまでも壁にかけて置いている。
そして、眺める度に少し複雑な思いにもなる。この名人の一流の技をもってしても流通せず、誰かに必要とされなくなるのだとしたら、本来の生活道具としての竹細工から変わっていかねばならない。竹細工を生業とする難しさと共に、明日の示唆も物語ってくれているのが「かるい」だ。
本日、楽天大学ラボさんが虎竹の里にお越し頂く事になっている。心配していた天候は、やはり日頃の行いだろうか?最高の撮影日和とはいかないまでも雨天ではないようだ。しかし、楽天大学と言うと学長の仲山進也さんがすぐに思い浮かぶ、以前、仲山学長には新春に企画した講演会のために高知にお越しいただいた事があったのだ。
ああ懐かしい(笑)そう言えば、あの時には当時知事をされており現在衆議院議員の尾崎正直氏にもご登壇いただいた。いつ頃だったかなあと思って見ていたら、もう12年も前の事だ(笑)。
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さて、実は楽天さんには、楽天ドリーム(Rakuten DREAM)「伝え続ける竹の魅力」として一度取材いただいている。日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」を製作して高知から横浜まで1000キロを走行した時に、一番の難所だった箱根越え直後から同行してもらい、その日のホテルに到着してお話しした内容を動画にしてくださっている。
あれから数年、特に何が変わったという事もないけれど、その時の担当の方もおられるようなので再会が楽しみだ。楽天ラボさんが、どのような動画を製作されるのか2本の動画をご紹介いただいた。
ああ!何と2社とも良く知っている会社様だ!ひとつが楽天市場では知らない人はいない有名店、熊本県にある有限会社「宮川洋蘭 」宮川将人さん。農家ハンターとしてテレビ番組「情熱大陸」にも出演されるほどの活躍で地域活性化に尽力されている方だ。そして、もう一社が2015年の年末に高知にお招きした事もある宮城県石巻市「愛情たらこのみなと 」木村一成さんだった。宮川さんにせよ、木村さんにせよ、自分などとは比べられないような活動をされている。竹虎でよいのだろうか?などと思いつつ、来社いただく評論家の宇野常寛さん初め、皆様にありのままの全てをお預けしたい。
第12回世界竹会議台湾(World Bamboo Congress)は、コロナの延期もあったが世界30カ国の国々と、台湾の竹業界の皆様を含めて400名を超える盛大な会議の場となった。この国際会議は世界各地を巡って開催されいて、前回のメキシコ、ハラパは遠かったけれど、今回の台湾は第10回の韓国潭陽(タミャン)に次いでアジアでの開催だった。お隣の国のだからと割に簡単に考えていた竹トラッカーの輸送は、メキシコの時以上に大変で手間と時間と費用がかかってしまった。
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まあしかし、台湾での積み込み時に一時はどうなるのか!?と思うような、台座の板が折れるというトラブルがありつつも、ようやく本日税関を通過して大阪港に帰ってくる。明日の朝には虎竹の里に久しぶりに凱旋となるので待ち遠しい。
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前にもお話しした事があるかも知れないが、台湾の竹は非常に進んでいて面白い。刺激いっぱいの竹製品が今回の世界竹会議台湾でも展示されていたので、それらの解説をしてみた。会議の様子をひとまとめにしているので分かりやすいかも知れません、ご覧ください。
朝堀り筍を使った鏡煮は、拝見した段階で気品を感じて降参だ。創業明治5年の筍料理「うお嘉」さんで頂く逸品の中でも、名物と言われるのが納得の柔らかさ。高知で筍と言うと、竹林で黒々とした三角頭を突き出した姿を想像するが、京都の畑そのものの竹林で収穫される筍は、地表に隠れているものを専用の道具で掘り出すのだ。
だから、いつもの筍と一線を画す柔らかさ、なんとも雅な味わいを堪能できる。
土佐は鰹のタタキだが、ここ京都では筍のお造りだ。食も所変われば、これだけ違う。
これが又、筍の味をしっかりと感じる事のできる木の芽焼き、一番好きな料理だ。
筍は、そのままでも、煮ても、焼いても、蒸しても、揚げても美味しい。
そして、やはり最後には筍ご飯が最高です。
うお嘉さんでは、筍の佃煮まであって本当に筍づくしなのだ。
こうして味わい尽くした筍は、孟宗竹だ。その孟宗竹の筍を採らずに20数メートルの大きさに育った竹を、竹職人の手で人工的に作ったのがこ店の壁面に使用されているゴマ竹 だ。同じ竹が、食べ物てしても、建材としても人の舌や目を楽しませ、役立っているのだから素晴らしい。
お時間ある方は、こちらもどうぞ!京の竹職人が作る竹の世界
→ ゴマ竹の作り方
虎竹の里にある竹林に続く山道は、どこも急峻な斜面を曲がりくねって延びているので雨が降ると仕事ができない。だから、あまり雨降りや雨上がりに竹林に行く機会は少ない物だけれど、この日みたいに早朝に雨が上がった竹林というのは又格別な趣がある。
竹は本来、温かく雨の多い地域に成育する植物だけあって雨が大好きだ。いやいや多くの生き物にとって水は無くてはならないものだし、「雨後の筍」と言われるように水分が豊富だと筍の成長は促進される。
でもそれだけではなく、雨降り後の竹は妙に喜んでいるように見えるのだ。虎竹は淡竹(はちく)の仲間で、表皮には蝋質の白い粉がふいたように見えているのが、雨に塗れると隠れていた虎模様がクッキリと浮き上がる。だから余計に生命力に満ち溢れている様に思えるのかも知れないが、それだけではない、と思う。
まあ、何はともあれ竹の中へ。
世界竹会議台湾で第二会場となった国立台湾工芸研究所( National Taiwan Craft Research Institute)には、刺激的な竹作品が多く並んでいるが、その中に一際目を惹く竹ドレスがあった。かつて日本の竹工芸家の方が、デザイナーの依頼を受けてパリコレ用に竹の衣装や帽子などを創作されていたのを思い出す。あれは20数年前の事ではなかったろうか?竹は、しなやかな柔軟性と相反する直進性を併せ持つ素材だから、その特性が発揮された素晴らしい作品だったように思う。
この台湾のドレスも、竹の特性と昔からの竹編みの技を十二分に活かしたデザインが面白い。実際にモデルさんが着用したら、さぞ見栄えするに違いない。
正面からだけだと分かりづらいけれど、サイドから見ると大胆なデザインだと気づく。
黒染めもシックでいいが、自然な竹そのままの色合いも良い。流れるような竹編みが、どことなく優しく感じるのは竹素材の雰囲気かも知れない。
竹ドレスと虎竹アーマー 、同じ身体に纏う竹でも、虎竹アーマーには軽やかさがない(笑)。重たくて夏は物凄く暑い。
お米の一人当たり消費量を見てみると、年々右肩下がりで減っているようだ。虎竹の里でも、高知県全体を見ても田んぼで稲作をされない所が、すっかり慣れっこになり当たり前のような景色になってしまっている。かく言う自分も、炭水化物ダイエットが言われだしてから、気になる体重のために白米は食べない事が多い。しかし、それでも急に食べたくなって竹根で作られた茶碗を手にする事があるけれど、やはりお米は美味しい。
竹炭専用に改良した昔ながらの土窯で、じっくり2週間かけて高温で焼き上げられた最高級竹炭 を入れて炊いたご飯ならば尚更だ。竹炭と言っても、高温で焼かれたものと、低温でやかれたもの、あるいは機械窯という焼き方の種類が異なる竹炭がある。
高温の土窯で焼かれた竹炭が、焼き上げるのが難しく一番高価ではあるものの、それぞれ竹炭には得意な機能性の分野があるので、用途によって上手にお選びいただく事が大切だ。
先日、窯を開けた竹炭(バラ)は持った感じが軽かった。400度程度の低温で焼かれたものだが、このような質感の竹炭は湿度の調整などには最も適している。何でもキンキンと金属のような音がしなければ効果がないわけでは無い。竹は炭になっても無駄なく、全てが人の役に立つ事ができるのだ。
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お時間のある方は、ほっこりする竹炭動画で驚きの効果をご覧いただければと思います。
高知から東京に行く場合、夜行バスなどを除くと、多くの方が羽田空港行の飛行機に乗るのではないだろうか。ボクも出張の際には、羽田空港を使うので少しだけ馴染があるが、実は昨年7月から羽田空港第2ターミナルから国際線が発着するようになっているそうだ。
今までだと海外に行く場合は、乗り継ぎで第3ターミナルに移動しなければならなかったのが、路線にもよるけれど同じターミナルから出発できるので時間も短縮されて本当に楽になっている。
だから、地方から海外へ行く場合にも、海外から来日される観光の方にとっても、かなり便利になったのではないかと思う。以前の国際線へのターミナル移動のつもりで来ると、田舎者のボクでも乗り継ぎがあまりに早く、簡単すぎて拍子抜けしてしまうほどだ。
さて、そんな新しく出来た羽田国際線の中に竹林があるからと、知り合いの社長さんにご案内いただいた。確かに竹があるとは聞いていたが、本当に物凄い竹林だ。
広い空間を、凛として真っ直ぐに立ち並ぶ姿が心地いい。この日はお客様も少なかったせいか、空港とは思えないような竹林の静寂さを感じて心が落ち着いてくる。
このような竹林を背後に感じながら座るソファはどんなだろうか?さぞ、ゆったりとリラックスできそうだ。
煤竹 にも似ているけれど、この竹は炭化竹だ。熱と圧力で加工されているので防虫効果も高く、色合いも場所にマッチしていて素晴らしい。海外に出発する前に、改めて日本が竹の国だと感じながら時を過ごせるのではないだろうか。
いつもは青々としている竹の葉が、枯れたような色合いになっているのが遠くからでも確認できた。これは、もしかしたら竹の花かもと思って行ってみたら、近年の孟宗竹の開花としては日本最大級の竹の開花だった事がある。「竹の花」って何?あまり聞き慣れないなあ、そう思われる方も多いかと思う。
聞き慣れないのも当然で、竹の花は孟宗竹で60年に一度、真竹や淡竹では120年に一度しか咲かないので、ほとんど見る機会もないのだ。一度開花が始まると、その竹林全体が花が咲いて枯れてしまうと言われるが、実は竹林の中での部分開花は前々から見られていて、そこまで珍しい事でもない。
花が咲いた竹林はこんな感じだ。一年通して生命力あふれる色合いの竹が、このように変わってしまうので、昔から竹の花が咲くのは不吉な前兆とされてきた。
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製造数が減少しているスズ竹製品は、数年前からの開花で竹林が全体的に枯れてしまった事による材料不足が原因だ。開花したスズ竹がどのようになるのか動画にしているのでご覧ください。
開花は人の一生の内に一度あるか、ないかレベルの事なので竹林の山主や、竹伐採をする山の職人でさえ竹の花を知らない事がある。
花が咲いているのを見れば、まるで稲穂のようなので納得するが、案外知られていないのが竹はイネ科という事だ。そろそろ開花時期を迎えつつある、淡竹の仲間である虎竹の開花周期は120年に一度。この虎竹を使った4t地方車製作は、竹虎創業以来130年に一度の大イベントと言える(笑)。
クラウドファンディングで竹虎を応援よろしくお願いいたします。
→ 「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!地元盛り上げプロジェクト 」
今年も竹を十分に伐採しているので、竹ざる の製作をドンドンと進めている。高知は比較的真竹が少なく、良質の孟宗竹が身近に豊富だったため、普通なら真竹を使う竹細工にも昔から孟宗竹を使ってきた。伝統を繋いでいきたいと言う思いで編む竹ざるなので、竹虎でも時期によっては真竹や淡竹も使用する事があるけれど主に孟宗竹を使うようにしている。
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古老の熟練職人は、まったく無駄のない流れるような手さばきで次々と竹ざるを編み上げていた。暮らしや農作業に竹製品が欠かせなかった当時からの仕事ぶりは、今の竹職人のそれとは一線を画している。まさに生きるための気迫に満ちたモノ作りだ。
さて、そんな竹ざるも人の生活に合わせてサイズが違ってきているのをご存知だろうか?少し前の竹ざるでご説明すると、例えば大小2種類のサイズがあれば、(大)が直径90センチ、(小)が直径60センチが定番だったように思う。ところが、いつくらいだろうか?家族の人数も少なくなり、お使いいただく皆様も一戸建てからマンションでのご使用も普通となってからは、(大)が直径60センチ、(小)が直径40センチと、いつの間にかダウンサイズざせている。
まあ、60センチの竹ざるを40センチに小さくする程度なら、実はあまり問題はない。しかし、直径25センチくらいの米研ぎざるを半分近い13センチにするとなると、かなり難しい。これだけ美しい横編みの竹ざるに仕上げられる職人は皆無と言っていい。
また、今度は反対に先に出た60センチの網代編み竹ざるを、倍の120センチサイズにするとなると、これはも至難の業。ご覧のように直径が倍だと大きさはこんなになるのだから、何となく困難さも想像できるのではないだろうか?只今開催中のクラウドファンディング「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」では、二人乗り小型EVで製作したモノが何倍もの4tトラックになる。はじめてのチャレンジで予想もつかないけれど、どうか応援よろしくお願いいたします!
クラウドファンディングで竹虎を応援する
→ 「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!地元盛り上げプロジェクト 」
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最近はクラウドファンディングの話題ばかりだが、それだけ昨日から始まった「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト 」にも思いを入れ込んでいる。何せ、4tもある大きな車体を虎竹で製作していくのだ。そして、高知市内に設けられた9カ所の競演場と7カ所の演舞場で乱舞するのは200チーム、18000名!チームの数だけ地方車もあるから、その中でどうやって虎竹らしさを出していくのか考えどころだ。
須崎は天然の良港に恵まれて、新鮮な魚が美味しい土地柄だ、近年そんな地域性を活かした飲食施設や、ギャラリーなどが出現し、少しづつ賑わいのある町づくりに動いている最中でもある。
港まで真っ直ぐなメイン通りには、須崎シンボル・ゲート(須崎百寿門)も造られた。
須崎の港には、何と100種類以上の魚が水揚げされるそうだ。それほど多い様々な種類がいるとは驚きだが、海の幸が豊かな証に違いない。新しくできた須崎のサカナ本舗は、季節により魚種が次々と入れ替わっていくようなので行くたびに楽しみがあるのではないだろうか。
こうして、変わりつつある須崎の町に、またもう一つ元気の起爆剤としてよさこいがあるのだろうと思っている。
いよいよ本日の正午から、クラウドファンディング「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」がスタートする。自分たちの創業の節目でもあり、地域への感謝の気持ちも込めて、地元と一緒に作り上げていく企画を是非応援くださりますよう何卒よろしくお願いいたします!
「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」
→ 応援こちらから
随分前の事だけれど、東京である大きな会合に参加させて頂いていた時、ステージでよさこいの演舞が突然始まった。円卓から眺めている方々が、踊り子が手にした鳴子を見て「あれは、北海道土産だ」と話しているのを聞いて驚いた事がある。確かに、北海道のYOSAKOIソーランで人気となり全国200カ所以上で踊られるようになっているけれど、よさこいは正真正銘、この高知が発祥の地であり本場であり、聖地とも呼ばれているのだ。
そんな、高知のよさこいを高知の竹で盛り上げたい。クラウドファンディングのリターンも、よさこい祭りならではのモノを揃えている。たとえば、一番のオススメ!追手筋本部競演場を虎竹地方車の煽り台に乗って本場よさこいを体感できる、なんて言うものがある。地方車の煽り台から聖地よさこい祭りを観ることのできる機会は、ほとんどないので本当に貴重で忘れられない体験ができると思う。
どんな、地方車になるのか?どんな、よさこい祭りになるのか?今のところ全く見えていないけれど、全国からの温かい応援に力を頂いて熱い夏を迎えたい。
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よさこい祭りは衣装も華麗で見どころのひとつ、年々進化しているから楽しみにされているファンの方も多いのではないだろうか。今年、よさこいチーム「すさき ~真実(まっこと)~」さんが新調の衣装は、須崎市青木町にオープンされているホホ衣類さんが担当すると言うので拝見させてもらった。
歌舞伎をモチーフにした明るい衣装、お揃いの帽子とパンツが出来あがりつつある。昨年の衣装も良いが、今年はガラリと雰囲気の違う感じだ、踊り子が100人揃えば壮観だろうと思う。
テーマは「暁」、衣装を着たら、こんなイメージだそうだ。
特徴的な帯を見せてもらう、ご覧いただくと何か思い出さないだろうか?
実は、汽車の線路だそうだ。何を隠そう高知県で汽車が初めて走ったのは高知市内ではない、須崎駅から日下駅までが今からちょうど100年前に開通した。今年は、そんな節目の年でもあるからデザインに活かされている。
須崎と言えば「鍋焼ラーメン」がすっかりB級グルメとして定着した、お店には、そんなお洒落なバッグも置かれている。
衣装も音楽も地方車も一新して臨む今年のよさこい踊り。地方車も、皆様の応援をいただきながら進めていきたい。
いよいよ明日スタート!クラウドファンディング
「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」
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連休も明けて、明後日の9日(木)正午からはじまる「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト 」がいよいよ迫ってきた感じだ。朝早くから起き出して、使用する虎竹を選別していたが、今から焦ってもどうなるものでもない(笑)。しかし、考えれば、考えるほど今度のよさこい祭りの地方車は、大きな4tトラックの荷台に製作していくので簡単な事ではないように思えてくる。
今までの小型のEVなどと大きく異なる所は、二階建てとなっている構造と、数名のメンバーや踊り子が上にのって激しく動いても大丈夫なように頑丈に作らねばならないという点だ。なので、単管(鉄パイプ)を使い、ガッチリとした骨組みを仕上げた上に、虎竹を使い製作していく形になると思う。まず、耐久性が必要なので、この基礎の部分には既に9年間も出場経験があり、地方車を毎年作られてきた「すさき ~真実(まっこと)~」さんにお力添えいただく事になっている。
そして、問題はそれからだ。今のところデザインや構想等、まったくゼロの状態だが、今回のよさこい祭りは踊り子はもちろん、音楽、踊り、衣装、そして地方車までオール須崎で繋がり作り上げていく。日本いや世界でも類を見ない虎斑竹と、虎竹文化は地元須崎の自然が生み出し、土佐藩政時代から続いてきた伝統が育んできたものだ。須崎らしい、虎竹の里ならではの地方車にせねばならない。
「お前、また何やってんねん!?」
初代の宇三郎曾祖父は言うだろうか。でもね、大阪天王寺から外国のように遠かった土佐まで竹を求めて来て、見知らぬ土地で苦労した人だ。100年前、小舟から初めて降り立った虎竹の里の浜から見上げた虎竹が、地方車になって地元の踊り子を盛り上げる。きっと喜んでくれているに違いない。
須崎市は人口減少で2万人ちょっとと少し寂しい地域になりつつある。だからこそ、自分達の創業130周年という長きに渡りお世話になってきた地元須崎に、恩返しの気持ちも込めて元気づけて盛り上げられるような、最高の地方車にできればと思っています。頼りは、この竹と職人と、そして皆様の応援です。何卒よろしくお願いいたします。
「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」
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世界竹会議台湾から2週間ほど経って振り返ってみても、やはり台湾には竹文化が色濃く残り生き続けている感がある。日本でも見られるような竹細工がある一方で、非常に革新的な作品であったり、逆に素朴な伝統的な竹製品であったり、竹工芸の種類も多く裾野が広いのは、きっとそのせいだろうと思う。
今回の世界竹会議では、新竹の国立陽明交通大学から南投県の国立台湾工芸研究センターに会場を移して開催されたと以前の30ブログでもお話したが、ここはまさに竹の本場であり、竹のメッカだ。それだけに、この地域では頻繁に竹のワークショップが開催されていると聞いた。若い竹芸士の皆さんが、若い参加者の方に手ほどきされているのが印象的だ。
和気あいあいと開かれているワークショップでは、竹籠から竹の玩具まで色々な竹細工を体験する事ができるそだが、このようなグループが複数あると言うから、竹に親しむ機会は日本とは比べられないほど多いように感じる。
高名な竹アーティストであり、様々な大型の竹インスタレーションを創作され続けている徐暋盛さんは、今年は辰年なので竹の龍を製作された。このような竹の作品が生まれる台湾は本当に楽しい。
竹ドラゴンの動く様子 → 竹ドラゴンの舞?
そして、古老の竹職人さんとも繋がり、技が継承されてるのは素晴らしい事だ。行政の違いなどあるかも知れないが、結局竹のへの親しみの気持ちではないかと思う。
台中市繊維工芸博物館での台湾国際竹芸フォーラムなどでも、熱心に聴講いただく沢山の皆様から、竹への関心度の高さをヒシヒシと感じた。数年前に中国安吉県で教えてもらった「可使食无肉、不可使居无竹(食事で肉がないのは許せるが、暮らしに竹がないのは許せない)」という言葉を思い出した。
世界竹会議台湾の第二会場であった南投県草屯の国立台湾工芸研究所( National Taiwan Craft Research Institute)には、もうひとつ色合いが美しく進化した竹細工があった。ヤタラ編みでしっかりと編み込まれているのは椅子の座面だ、これも見覚えがある。確か、10年前は今とは見違えるような若々しい色合いだったはずだ。
間違いない、竹の先端を割り込んでヤタラ編みにして合体させた三本足のハイスツールなど、そうそうあるものではない。
磨いた竹ヒゴは、表皮の色目が均一になって美しい。
三本足の右下部分には竹割れが見える。10年前には既に割れが入っていたのに、その後広がる様子もないようだ。台湾には、秀逸な竹家具があるが、案外竹割れが少ないのは気候のせいだろうか?
さて、今日は高知の真夏の祭典よさこい踊りだ。竹虎四代目とよさこいは少し遠いような気がするかも知れないけれど、何を隠そうボクは、明徳中学一年生の時から大学、社会人とずっと、よさこいを踊り続けて来た。学生時代は幹事として盛り上げてきて、南国土佐らしい熱く燃える祭りが大好きで、好きすぎて、よさこいが終わってしまって来年まで待たねばならないのが、どうもやるせ無くて仕方なかった。ここは、お祭り好きの方には共感いただける方も多いのではないだろうか(笑)。終わらない祭り・よさこい、一年中踊れるよさこいをずっと見つけたいと熱望していて、それがふと足元にいつもあった日本唯一の虎竹だったのだ。
よさこい祭りとは全く関係がないように見えて、いつもボクだけのよさこいを踊っているようなものだ。だから、高知から横浜まで、11日間かけて1000キロ走破した日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」、メキシコのハラパの町でも走り、先日の世界竹会議では台湾でも走ってきた。そんな虎竹製EVしかり、スペインの坂道レースや準優勝させてもらった東京よみうりランドでのレッドブルボックスカートレースで活躍したREIWA-125号などは、もしかしたら今度の「よさこい地方車」へ続く道程だっかのかも知れないとも思う。
竹虎は、今年ので創業130年の節目を迎える。高知県須崎市でしか成育しない不思議な竹を求めて、戦後に大阪天王寺から現在の虎竹の里に本社を移してから、ずっと地元にお世話になってきた恩返しの気持ちも込めたいと思っている。そこで、須崎唯一のよさこいチーム「すさき ~真実(まっこと)~」さんと力を合わせて、虎竹を使ったよさこい地方車を製作しようと考えた。あの大きな4tトラックを、虎竹を使いどうやって製作していくのか?今のところ全く決まっていない。
けれど、地域の元気と笑顔を見るために集まった100名の踊り子と一緒に頑張りたい。費用もかなり掛かりそうなので、クラウドファンディングを5/9日(木)正午からスタートさせる予定だ。この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご覧の皆様には、是非よろしければ、よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト にアクセスして「公開したらメールでお知らせ」ボタンを是非ポチリとお願いします!そして、クラファン開始したら温かな応援をいただけると嬉しいです(笑)。虎竹地方車の煽り台から、よさこいを鑑賞できるなど、今回限りの超レアなリターンも用意させていただいています。
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台湾での話題が続くけれど、今回の世界竹会議(World Bamboo Congress Taiwan)では、様々な竹 のプロダクトが展示されているのが見ているだけで面白い。たとえば、この竹製ブックカバーなど、どうだろうか。竹節が入っているのが何とも格好がよくて目を引くと思う。
青竹タイプの横には、炭化加工された渋い色合いのものも展示されている。手にしてみると少し重量感ある竹特有の優しい手触りが素晴らしい。そして背表紙、ここにも竹節が使われているから本棚に並んだところを想像してもらいたい。あなたの書棚が一体どんな風になるだろうか?
そう、まさに竹林だ。室内の壁面に整然と並んだ竹林が現れるのだ。
ところで、「タイガーポーズ」とは何だろうか?写真を撮る時には手持ち無沙汰になってしまって自然とポーズをするようになったが、ただ単純に竹虎だからタイガポーズだ。
台湾で開催された世界竹会議では、竹トラッカーと虎竹アーマーが人気で沢山の方と写真を撮らせていただいた。
今回は30カ国の国と地域から、竹 に魅せられた多くの方が参加されている。
竹と言えば日本や中国、韓国、そして今度の開催地台湾などが印象的だが、もちろん東南アジア全域に広がっているし、南アメリカやアフリカなど赤道直下の国々に成育している。
載せきれないので、まとめてみた。皆様、本当にありがとうございました。