国際線のロビーを歩くと免税店がズラリと並んでいる。田舎者の自分でも名前はよく知っている世界のブランドたちだ。しかし、台北松山空港を歩けば「その笠かっこいいね」と声をかけられ、機内では「お隣の席に置いてもかまいません」と言ってもらえる日本の竹笠こそ立派なブランドだ。
暑いと聞いていた台湾では大活躍した国産竹笠は、細かい網代編みでしっかり編み込まれているので日差しはもちろん、少しくらいの雨でも平気だ。さらに軽くて丈夫と言うのがイイ。笠のテッペン部分は、どうしても傷みやすくて穴が開いていたけれど、籐でしっかり補強してもらった。竹細工はこのように、手直しできるのが最高に素晴らしい。
最初訪れた台湾の新竹という所は、風が強いので有名な場所だと現地の方が言っていた。この竹笠は自分専用で、五徳もしっかり頭に入って固定されるので、あご紐は使っていなのだが強風にあおられて二度ほど笠が飛ばされそうになった。
末広がりになった竹笠をお使いの場合には、普通はやはりあご紐があった方が便利だと思う。
だからクバ笠などは、漁師さんが風の強い海上で使用するタイプだと、末広がりではなくツバを狭くして風をできるだけ受けない形になっている。
余談だが、その海用のクバ笠が進化して、クパ帽子と呼ばれる面白い笠が製作されている(笑)。
さて、この方が台湾の名匠と呼ばれる竹芸士、日本の人間国宝にあたる重要伝統芸術保持者であられる李栄烈先生だ。一度工房の方にお伺いさせて頂いた事があって、今回は10年ぶりの再会をさせて頂いた。90歳近くなられた現在でも後進の指導に勤しまれる先生がお元気そうで感激です!歩くだけで沢山の方が集まり、いかに竹の世界で皆様からの尊敬を集められているか分かります、まさにレジェンドです。
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