孟宗竹の古材が沢山積み上げられている工場で竹割機を使った仕事が始まった。大きな竹材の表面には、あちこちに虫穴が開いていたが案の定、竹を食う害虫のひとつベニカミキリの登場だ。竹材の大敵のカミキリ虫には、虎模様になったタケトラカミキリと、この枯れた竹に一際目立つベニカミキリの二種類がいる。
ちょうど、この季節は竹材の中で越冬している。これが温かくなってきたら次々に中から飛び出してくるから堪らない。チビタケナガシンクイムシなどとは比べ物にならない大きな穴を竹に開けてしまうのだ。
更に近づいてみる、せっかく気持ちよくお休みの所申し訳ない気持ちもするが、他の竹材を食してしまう事を考えると迷わず退治するしかない。竹の害虫のしつこさには例年閉口してしまうが、こうやって成虫でも幼虫の姿でも越冬しているから完全に対処するには薬剤処理しかない。
もちろん、室内に使用する竹製品だったり、手に触れる竹細工、口にいれる竹箸など、竹には薬剤を使えない物が多い。そもそも薬剤を現場で使用するのも好きではないので、竹は伐採時期や管理、メンテナンスで対処していくしかない。何を呑気なと言われるかも知れないが、長年付き合っているとベニカミキリなどの害虫も、そこまでキライになれない気持ちが沸いてくる。
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