一般社団法人倫理研究所という社会教育団体がある。自分と倫理研究所さんの関係は、もう随分と前になるが倫理法人会という全国に737カ所ある経営者の勉強会にお誘い頂いた時にさかのぼる。毎週、経営者モーニングセミナーという朝の集まりがあって、早朝6時30分から会場では元気な声と笑顔の挨拶が飛び交っている。自分も最初はビックリしたけれど、社員の方からしたら、出社前の朝早くから各会社の社長さんが集まって熱心に学んでいる姿は驚きしかないかも知れない。
自分はモーニングセミナーに参加させていただく機会は少なくなったけれど、竹虎の朝礼 は倫理研究所「職場の教養」を使って開催するのが朝の日課となって続いている。また、万人幸福の栞は今でも書棚に置いてあるので開いてみる事があるけれど、一つの指針となる事が多い。
今回「新世」という発行誌に掲載いただく事になった。実はこの本の事は取材で初めて知ったのだけれど見本誌をいただいて拝見すると素晴らしい内容だ。そこで、竹虎が掲載されている5月号を少し余分に頂いて、ウェブサイトのお客様にお届けしたいと考えている。明後日から情報公開OKとの事なので、新年度である4月に入ってから抽選でお届け予定にしている。
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竹虎で普通に販売させてもらっている深竹ざる などと比べても、圧倒的な大きさと緻密な編み込みで全く異なる竹細工なので横編み竹籠と呼んでいる。少し楕円形になっているので、直径は67センチ×深さ18.5センチ×奥行き63センチという特大サイズだ。
深竹ざるも縁巻を籐で二重にしたりした丈夫な作りで、このような50センチサイズの大きさを編み込む職人は激減している。非常に巧みに編まれたザルではあるものの、このレアな横編み竹籠と比べるとどうだろうか?
縦に通している竹ヒゴの幅にご注目いただきたい。この竹幅の違いに、思わずアッと驚きの声を上げた方はいませんか?これだけ違う。そして横編みの竹ヒゴの繊細さ、こうして比べてみると日頃は竹細工など手にされてない多くの方でも一目瞭然だと思う。
現在の日本では恐らく真似できる職人はいない。この見た目の繊細さは使う人の使いやすさや堅牢さ、耐久性となる。そして更にもうひとつ、誰も編めないと確信しているのは竹材にある。この竹籠は、あまりにも綺麗に見えるから真竹と言えば疑う人はいないだろう、しかし、実は孟宗竹で編まれている。あの硬く厚みのある竹材をここまで自由にあしらえるとは、まさにこの道一筋、土佐竹細工の伝統と受け継がれてきた技が生み出した逸品だと思っている。
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竹に関わる人達ですら網代編みの竹笠 を知らない事に危機感を覚えた事がある。そこで「国産の竹笠を復活させたい」と思って、自分が使っていた竹網代笠をモデルに運よく復刻させる事ができた。このような竹細工は、完成するまでに時間がかかってしまう分、出来あがったらある程度はどうしてもお客様にお求めいただきたい。
しかし、そんな心配は必要なかったようだ。やはり自分が日頃から思っていたように、日本の竹、日本の職人、日本の技に共感いただける方もいる。特に今回は予想以上に沢山の方に、この竹笠の良さが伝わっているようで嬉しく思っている。
やはり日本人は、竹を知らないのではなくて忘れているだけなのだろう。少し慣れてくると竹の良し悪しを見抜く感性があり、自分から選んで竹を使われている、そうだから竹に対して一番厳しい目を持っているのも日本人だ。
そう言えば、最近気候も温かくなってきたし、インバウンド効果もあるのだと思うけれど、海外からのお遍路さんを多く見かけるようになった。1200年続く信仰の道は、海外の皆様にとっても興味深いものに違いない。日本の方などよりも、しっかりと本格的に衣装を着込んだ方が今日も竹虎の前を歩いている。
もちろん、国産の竹網代笠など被っている人は誰一人いない。けれど、せっかくの伝統ある日本の文化に触れる旅なら、「竹の国・日本」の本物の竹笠にも関心を持って体感いただくのは悪くない。
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竹は秋から冬場にかけて伐採するから今頃の竹虎工場には、虎竹原竹や真竹、孟宗竹、黒竹など竹材が豊富に揃っている。虎竹は、これから合間を見ながらガスバーナーで油抜き加工していくし、太い真竹は茶碗籠や脱衣籠などに、孟宗竹は袖垣の柱に使う他は、エビラ籠や国産竹ざるなどに多用する。黒竹は虎竹縁台、別注でのご注文も沢山いただくようになった玄関すのこ にも使っている。
虎竹の伐採は終わっているが、山の仕事が全て完了しているワケではない。実はまだ竹林から出てきていない竹材もある、日差しのあたる土場よりも木々の繁った山道にそのまま置いてる方が都合が良い事もあるのだ。
そこで、山出しに使う竹材運搬機は今でも待機中だが、本当に長く活躍している働き者だと感心する。
この機械の足元に使っているゴムクローラーをご覧いただきたい。人で言うなら靴底にあたるかと思うけれど、これだけ靴を履き込む事があるだろうか?虎竹の里の険しい山道を一体どれだけの沢山の虎竹を支えて下ってきた事か!感じ入らずにはいられない。思わず頭をさげた、感謝感謝だ。
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先日も訪ねていった山里で、納屋に入ると普通にこのようなエビラが置かれている。年期が入っているなあと思いつつ、天井裏を見上げたら何十枚ものエビラが重ねられていた。今では何年も使われていない様子だったけれど、かつて養蚕が盛んな頃には、それこそ何十枚、何百枚と作られて各農家さんでは毎日の欠かせない道具のひとつだった。
復刻させさてから何年になるだろうか?もう随分と前の事になると思う。今では少しづつ認知も広がってきて、竹ざる 代わりにご愛用いただく方も多くなった。
エビラや竹ざるは干し野菜、干し魚作りに使われる方など食材の乾燥に多用される。特に竹の白っぽい身の部分で編み込んだエビラを真っ赤に染める、梅雨の晴れ間にする梅干しの土用干しは定番である。
今年は虎竹だけでなく、真竹も孟宗竹も十分に伐採しているので、製造できてなくて品不足になりがちだった四ツ目編みも皆様にご迷惑をお掛けする事はないと思っている。
網代編みにせよ、四ツ目編にせよ、お使いの方次第だが、どちらをお選びいただいてもきっとご満足いただけると確信している。
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竹ターナー や竹ヘラ、竹しゃもじ等をキッチン道具としてお使い方は多いと思う。もしかしたら、竹なのか木なのか分からないと言われる方もおられるかも知れないが、竹の場合は節の部分に独特の模様が入るので比較的容易に見分ける事ができる。このような竹製品には、まず日本最大級の孟宗竹の中でも太くて肉厚な素材を厳選しなければならない。その竹材を熱と圧力で炭化加工させて防虫、防カビ効果を高めた平材をつくり、それぞれの製品に加工していくのだ。
そんな中でも竹の炒飯ヘラは少しユニークで、丸い竹の曲線を活かした作りが調理しやすいと評判だ。右用と左用があるので、どちら様でも使いやすいヘラだと思う。
柄の部分もゆるやかなカーブが付けられている。
竹は軽くて丈夫と言うだけでなく、何と言っても手触りが良いから調理ヘラやしゃもじにも最適だと思っている。使った後は、こうして風通しの良い場所で乾燥させられたら一番いい。
大きな竹しゃもじから小さな竹スプーンまであって、それぞれ作り方が少し異なる場合もあるけれど基本的には一枚の板状にした竹材を切り出し削っていく。動画でご覧いただくと手作りの様子が良くお分かりいただけると思う。
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名人作の虎竹耳かき が長い間欠品となっていた。名人作と言うくらいだから、職人が限定されているから製造が間に合っていなかったのか?実はそういった事ではなく、ただ単に竹材がなかっただけなのだ。こんなに小さい耳かきだけれど、ご愛用いただいているお客様ならお分かりのように持ち手はかなり太く持ちやすい。
なるほど厚みのある立派な竹材を厳選しているのは分かるけれど、それでも竹林を見れば沢山生えている。竹が増えて困っている話ばかり聞いているし、毎年沢山虎竹が竹林から出されるのだから、さすがに足りない事はないだろう?そう思われるのが普通だ。
ところが、本当に直径が太くて身の厚い虎竹というのは貴重である。それで色付きがあって、3~4年竹の頃合いともなれば竹林の中を探し回って伐らねばならない状態だ。
厚みがあって、節間の長さも必要な虎竹男箸なども同じ理由で度々品不足になる。決して沢山販売されているワケではないが、作られる量が少ないのだ。
虎竹は淡竹(はちく)の仲間だけれど、そもそも淡竹は身が薄いのが一つの特徴でもある。竹林を見て回っても今の状況が急に変わるという事はないので、これからは製品自体の規格を少しづつ見直していかねばならない。虎竹に合わせて自分達の仕事や、作る物を変えていく、まさに自然だ。
竹炭(バラ) とgoogleで検索すると色々と出てくるようになったが、これは自分が最初に使いだした言葉だ(笑)、ウェブサイトを作った1997年当時には竹炭は知られていなかった。そもそも竹炭を焼く文化自体が古い物ではなく、多くの方に認知されるようになったのはここ15年位ではないかと思う。
昔から炭焼きをされていた熟練の職人さんは、竹を炭にする事に懐疑的な方が多かった。しかし、それでも近くに使い道のない孟宗竹が沢山あって竹材の確保が容易な上に、お客様にも喜ばれる事が分かるにつれて関心も高まり少しづつ竹炭を焼く方も増えてきたのだ。
竹炭(バラ)は、丸竹のまま窯立てして400度程度の低温で焼き上げられる。アンモニア臭などの吸着が得意で、湿度の調節機能にも優れているからお部屋の中で籠に入れてお使いただく事が多い。
最高級竹炭の窯を紹介する事はあっても、より身近だった昔ながらの炭窯は案外そんな機会は少なかった。そこで、今回は山里で焼かれる竹炭(バラ)の土窯を少しご紹介している。
先日も少しお話ししたように、山間部の炭窯と一口に言っても見た目が様々で、この炭窯にも窯口の他に焚口がある。職人によれば、この形の炭窯の方が作業効率が良いそうだ。
窯出しが始まった、まだ熱のこもる窯の中に入り一本づつ焼き上がった竹炭を取り出していく。
竹炭窯の出し入れには、こんな台車も使われている。
今回の窯では約300キロの竹炭が焼き上げられた、この丸竹炭を一定の大きさになるように割っていき袋詰めしていくのだ。
窯の排煙口の位置が遠い昔には上にあったと炭職人は話す、これを現在の位置にしたのは何と中国から炭焼きの技術も伝えた弘法大師だと言う。
昔は、それぞれの炭窯に排煙口(クド)のノウハウがあって、窯を他所に移る際に炭職人は必ずここを壊したとも言われる企業秘密だった所だ。
青々と繁っていた竹が、こうして真っ黒い炭に姿を変えて、皆様のご家庭に届けられて行く。
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竹虎には、有難い事に毎日沢山のお客様からのお声を頂戴している。中には手書きの声 もあって、ページにアクセスいただくと、それぞれの商品カテゴリーが並んでいて、更にそのカテゴリーひとつひとつに入ると商品別に分かれて整理していっているから一体どれくらいあるのか数えた事もないけれど、それぞれ竹虎への想いがこもったお便りばかりで嬉しくなる。
ご紹介しているお客様の書かれている竹炭マスクは、確かに温かい。消臭効果の高い竹炭シートを入れた、大きくて厚手なので寒い季節用としてお使い頂いている。
竹炭石鹸は、発売以来20数年になるロングセラーで日本中の誰よりも自分や家族が手放せない。肌の調子が良くなったり、季節や体調で少し痒くなったり、赤くなったりと言う事を繰り返されてる方は、きっと多いのだと思う。先日も長袖を腕まくりして、初めて「その傷なんですか?」と言われたから、ボクがアトピーだとは見た目では分からないのだ。
さて、そしてコチラのお客様は北見市にお住いの方というので、しばらくこのお葉書を持ったまま見つめてしまった。書いて下さっているように、北海道の北見市には高知から沢山の方が開拓に行かれている。そんな関係で、北見市と高知市は姉妹都市となっており、観光交流も盛んで竹虎がデパートなどの催事をしていた時には、何度もお伺いした事がある懐かしい街だ。
現在は無くなっているが東急百貨店があって、とても元気な社員さんが大きな声で朝礼をしていたのを今でも覚えている。夏の北海道しか知らなくて、空港に降り立ってあまりの寒さに驚いた事もある。雪が物凄く積もった年もあったが、歩道脇に山のように雪が積み上げられていた。肩をすぼめながら早足に歩く行き帰りに、温かな高知から遠く離れた北の大地に移られた皆様のご苦労を思った事だった。お葉書には「いつか高知に行ってみたい」と書かれている、自分は「いつか北見に行ってみたい」思っています、ありがとうございます。
「WBC」と聞けば、一体何を思い浮かべるだろうか?日本では野球が人気だし、侍ジャパンなどが騒がれていたのでWorld Baseball Classic(ワールドベースボールクラシック)の事だと多くの方が思うに違いない。ボクシングの好きな方なら、World Boxing Council(世界ボクシング評議会)と言われる事もあるだろう。
しかし、一億二千万人ほどいる日本の中で、ほとんど誰も考えもしないけれど、自分達が「WBC」と聞けば世界竹会議(World Bamboo Congress)しかない。つまり「WBC」の「B」は野球でもボクシングでもなく、Bamboo(竹)なのだ。世界中に竹はあるので、3年に一度くらいの間隔で様々な国で開催されてきたが、実は日本でも1992年に熊本県水俣市で第3回世界竹会議が開かれている。
歴史を重ね、今回来月4月18日からの第12回目の会場は台湾新竹市の国立陽明交通大学(National Yang Ming Chiao Tung University)だ。台湾の竹活用は多彩で目を見張るものがあり見どころが多い、そのため会期の後半は会場を南投県草屯の国立台湾工芸研究所 ( National Taiwan Craft Research Institute)に移して開かれる。
こちらの研究所には一度お伺いした事があるが、日本では見たことのないような先進的な竹工芸があって心が躍るような驚きがあった。あれから随分経っているので、ますます進化した台湾の竹活用がみられると思ってワクワクしている。
有難い事に、RKC高知放送「こうちeye」で世界竹会議へ出発する虎竹電気自動車「竹トラッカー」を取り上げて頂いたが、このような世界各国から竹活用の志を持った方々の前で走れるのは大きな意義がある。
はじめ国立陽明交通大学と見た時に「交通」と付いているので、自動車関係の専門校かと勘違いしていたが、とんでもない!交通大学というと「総合研究型大学」の事で、何と台湾でもトップ4に入る名門大学なのだ。このキャンパスに2キロの特設コースを設置いただき走らせていただけるので、竹トラッカーへの期待の高さに少しプレッシャーを感じているほどだ(笑)。
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日本郵便株式会社の主催する第38回全日本DM大賞の発表があった。竹虎も荷物に入れている同梱物が、どれだけの評価をいただけるのかと思って申し込みをさせてもらっていた。一次、二次審査を通過し、最終審査まで進み、もしや入賞か?と淡い期待していたものの惜しくも入選にとどまった。
しかし、それでも入選作15作品には、ソフトバンク、google、三井住友カード、第一生命、関西テレビ、TOPPANなど一流企業ばかりなので、田舎の小さな竹屋にしては健闘したのではないか?いやいや、近年の年賀状は高名な写真家のミナモトタダユキさんにお願いしているとは言え、その他は自社で製作しているので、むしろ他社様のクリエイティブをほ拝見させて頂くと良く入選したなと思っている。
DM大賞とはあるけれど、単なる印刷物ではなく、その有効性と実施可能性についての講評では、竹虎の取り組みを認めていただき、手紙や商品発送時の同梱物を通じたお客様との積極的な関係構築の重要性が強調されたそうなので、自分達のような小さい会社なりのやり方は、これからもあるように感じている。
ちなみに、応募の同梱物にも入れた年賀状と共に例年制作しているYouTube動画だ。今まで一番再生回数が多いが、土佐出身の三菱創始者岩崎弥太郎リスペクトして作っている(笑)。
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第12回世界竹会議台湾(World Bamboo Congress)は、来月の4月18日~20日まで第一会場である台湾新竹市の国立陽明交通大学とで開催され、その後4月21日~22日は第二会場の南投県草屯の国立台湾工芸研究所に移動する。
創業130周年という事もあり、前回のメキシコ大会に続いて参加させていただく日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」だが、今回は第一会場に特設コースを設けてもらっている。その距離、なんと2キロメートル!
4月18日~20日までの3日間、午後1時から30分間は世界からの竹 の専門家の方や研究者、工芸家の方々を乗せて思う存分に走行させてもらうつもりだ。坂道などではパワー不足になっていた寿命が近いリチウム電池を載せ替え、新品同様になって馬力は十二分。
一足先に台湾に向かうべく、先週の金曜日に竹虎本社をトラックに載せられ出発する竹トラッカーの様子を、いつもお世話になっている高知新聞さんに掲載いただいた。
太平洋を横断せねばならなかったメキシコに比べると、すぐ近くのお隣の国だと思うけれど、近年の国際情勢など鑑み余裕をもって一カ月という時間をかけて輸送する。
自分が世界竹会議の会場に着く頃には、用意いただいている設置場所に無事に鎮座していると思う。虎竹アーマー装着して乗り込みます、「日本の虎竹ここにあり」の心意気?です(笑)。
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山間部に残る炭焼きさんから伝えられる竹炭窯にも実は色々な形があって面白い。竹炭窯の作らている場所も、自宅のすぐ横にある場合もあれば、細い山道をずっと登って行った森の中に作られている事もある。この焚口が二つに分かれている竹炭窯は舗装された道路脇にあって作業の効率が良さそうだ。
昔ながらの伝統の土窯で焼く竹炭(バラ) は、基本的に丸竹をそのまま窯に入れて焼き上げている。最高級竹炭との最初の違いは、この竹素材の下ごしらえだ、これから更に乾留といって竹材に含まれる水分量を一定の割合にする工程もあるから、最高級竹炭には一手間も二手間もかかっている。
しかし、比較的に手間を省かれた竹炭と言っても、その機能面では例えばトイレの消臭などの匂い取りであったり、湿度の調整能力では、最高級竹炭より得意な部分もあるから竹炭(バラ)も凄い。
黒染めに編み込んだ国産竹籠に、竹炭(バラ)を2キロ入れたセットなどは届いたらすぐにお使いいただけるのでお陰様で好評だ。YouTube動画でご紹介している竹炭(バラ)の洗い方などご覧いただきご愛用して欲しいが、昔ながらの素朴な山の土窯は改めてご紹介したい。
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防虫剤・防カビ剤・漂白剤不使用の国産竹割り箸 をご存知でだろうか?今日のコンビニ弁当についているお箸を良くご覧いただくと、恐らく竹製の割箸ではないかと思う。このように、普段は意識せず使っている竹製品のひとつが割箸だが、あまりにも身近すぎるから逆にあまり深く考える事もない。
白竹箸などのように長期間の使用を考えて製作した多くの竹箸は、旬の良い時期の竹を使ったり、炭化加工したり塗りをかけたりして製造管理にも配慮されている。
割り箸の場合には、年間に国民一人当たり約200膳、全体での使用料は約250億膳にもなると言う。大量生産でないと、とても間にあわないから一年通して伐採製造を続けねばならない。竹材確保も大変なので海外での製造がほとんどになってしまうのは仕方ないだろう。
しかし、それでも国内で使われる事なく繁っている孟宗竹を見て、技術者不足、製造コストなど様々な課題もある国産竹割り箸を何とかお客様に届けたいという昔ながらの職人魂が実を結んでいる。そして、本日3月15日(金)正午~3月29日(金)正午までの期間中、竹虎ウェブサイトでのお買い上げ商品代金の合計が、5,500円(税込)以上のお客様先着300名様に、この安心・安全な国産高級竹割り箸(天削)24cm10膳入をプレゼントする企画を開催しています。
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大きな器に炊きたてのご飯と共に入れられた数種類の焼鳥は、まさにこれから竹串を抜いて焼鳥丼にしてお客様に出されようとしている所だ。美味しそうな焼き目、こだわりの店主の気迫あふれる仕事ぶり、炭の香り、幸せな煙のたちこめる店内だが、竹串 に注目される方は少ないかも知れない。
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日本人が竹を忘れていると話す事があるけれど、このような串や割箸など含めて食に関わる道具には竹に代替えできない物も多い。だから竹串も、かつてはこのような竹工場で何人もの職人さんが関わって大量に作られていた時代があった。それぞれの仕事に熟練の方がおられて、見事な手さばきには惚れ惚れしたものだ。
時は移り、日本の竹林では竹が伐採される事さえも随分と少なくなってきている。指先に摘まめる程の細い竹串も、実はこのように広い竹林から運ばれてくる、直径が10センチを超える大きな孟宗竹で製造されているのだ。
しかし、海外からいくらでも輸入されている竹串を、そこまで国産にこだわる必要もあるのだろうか?そこに店主から電話がかかってきた、自分の使う炭を知りたくて高知の山奥にある窯を訪ねるような方だ。この炭窯の主も面白いが、少年のように声を弾ませる店主も面白い。このような方がいるのなら、竹串職人も少しは報われるのだろうと思っている。
竹の少ない東北など寒い地域では、山葡萄と並んでクルミ の樹皮を使った細工があって人気を博しているが、手提げ籠バッグの場合、持ち手が一番傷みやすいのは竹籠でも、クルミでも同じだ。特にクルミの場合は、堅牢な山葡萄素材に比べるとヒゴが割れやすかったりして耐久性は若干劣ってしまう。
樹皮の表皮を剥いだヒゴで編まれているバッグ本体には、同じ素材で持ち手が取付られていたけれどヒゴ折れで使えなくなってしまっていた。持ち手をすっかりやり替えるのが一番との事で、職人は前とは違うクルミの樹皮部分を使って修理をすると言う。
クルミの素朴な色合いを活かした持ち手が付くと、本体とのコントラストが良いのではないかと思っていた通り、出来あがった籠バッグは生まれ変わったように格好がいい。自然素材の素晴らしさを、つくづく感じる持ち手の修理だ。
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新竹される住宅で、床下調湿 を考えられるお客様は竹炭をお使いいただく事が多い。竹炭の優れた湿度調節機能は、湿度が高くなると湿気を吸い込んで、反対に乾燥してくると湿気を放出するという事を繰り返して半永久的な効果がある。昔から神社仏閣には炭が敷かれていたけれど、古くから竹を炭に焼くという職人はいなかったから木炭が主流だったと思う。ところが近年、研究が進んで多孔質の竹炭が効能が高く、また成長の早さから環境的にも適している事が広く認知されるようになってからは竹炭が多用されている。
念の入った方は、基礎工事が終わった後のコンクリート部分に竹炭塗料を使われる方もいる。自分の暮らす家の土台を自ら塗るのは楽しいものだ、見えなくなる所なので少しくらい大丈夫と思ってチャレンジされる方もいるが、真っ黒な塗料なので案外綺麗に塗れる(笑)。
さて、そんな調湿効果を床下だけでなく、室内の湿気対策にしたいと誕生したのが調湿竹炭バックなのだ。細かい竹炭の粉が出ないように、通気性を保ちつつ床下用などより目の詰んだ不織布を二重にしている。
実は竹炭の湿度調節機能というのは、自分達でもビックリするくらいの効果がある。手作りながら湿度の高い環境を作り、調湿バックに使っている竹炭を入れて実験した時に本当に驚いた。80パーセントを超えるくらいの湿度にした水槽に竹炭を入れたら、どうなるのか?興味のある方は是非YouTube動画をご覧ください、ちょっと信じられないかも知れませんが、一切ウソなし、編集無しの竹炭の力を知ってほしいと思っています。
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前にも書かせてもらった事があるが、江戸時代の「用捨箱」という随筆には「昔より目籠は鬼の怖るるといい習わせり」と書かれてあって籠目には魔除けの効果があると信じられていた。古い民家の庭先に長い竹が立てられていて、その先端に六ツ目編みの籠が取付られている写真を見た事がある。籠目に代表される六ツ目編みが沢山の目に見立てられていて悪霊を追い払うと言われ、全国各地に残っている風習だそうだ。
虎竹六ツ目ランドリバスケット をご愛用いただくお客様から届いた葉書には、鬼門に置かれて重宝してくださっいるようで嬉しい。目に見えない力についてはさて置き、美しい竹籠が暮らしの中にひとつあるだけで気持ちが豊かになり、生活に潤いを感じるのは確かだと思うので、これからも末永くお使いいただきたいです。
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高さを少し低めにした別誂えのわらいずみ が出来あがってきた。今となってはお鮨屋さん等で使われるだけになってしまった道具だが、かつては日本のどこのご家庭にもあったもので、自分も幼い頃に親戚の家で見た囲炉裏端に煤けた藁いずみがあった事をおぼろげに覚えている。
わらいずみは、飯櫃入れとも飯つぐらとも呼ばれたりするが、素材は見たの通り藁である。日本では藁を使った細工も多いけれど、稲作の中でそれだけ身近にあった素材だからだろう。
田んぼで収穫れさたお米は、竹で編まれた米研ぎザルて洗う。
炊きあがったご飯を入れる弁当箱も、竹、竹皮、曲げわっぱが一般的だったけれど、柳という秀逸な素材もあった。
残ったご飯は、竹編みの飯籠に入れて風通しのよい軒先に吊るしておく。
熱い鉄瓶は、丈夫な山葡萄の蔓で編んだ鍋敷きに置く。
食事の後片付けをして、洗った食器類は抜群の防水性のあるシダ編みの碗籠で水切りして乾かす。ちょっと台所周りを見ただけでも、先人の暮らしは自然素材を巧みに活かした合理的な生活だったのが良く分かる。
不思議なものである、世界竹会議台湾(World Bamboo Congress)に向けてリチウム電池の交換を決めたのだが、決定してバッテリーを取り寄せたと思ったら、まるで自らの役割を終えたのを知ったかのように、急にパワーが弱くなり竹トラッカーは走れなくなった。
そもそもボディ自体も、今回は海上輸送のために車体番号の提出があり、前面カバーを取り外したり運転席の竹編みを切り取ったり満身創痍と言えば大袈裟かも知れないが結構大変な状態だ。
「走る竹細工 」とも呼ばれる(笑)、来週の出発までには何とかせねばならない。
さて、リチウム電池の交換だが須崎市内にある三和モータースさんにお願いさせてもらった。スペインレースの際にはREIWA-125号の改造でもお世話になった整備会社様だ。積み替えるリチウム電池は50キロも重量があって、今の竹トラッカーではとても運べそうにないので別の車で届けてもらう。
自分は竹トラッカーに乗って、整備工場まで約8キロの道程をラストラン。距離は短いけれど、虎竹の里から一つ山を越える登り坂はバッテリー寿命を知らせる赤ランプ警報が鳴りっぱなしで、いつ止まってもおかしくない状態だ。ようやくダウンヒルとなり、市街地に入っても今まで聞いた事のないような音を響かせて、平地でもヨロヨロと進むだけで精一杯。後続車に道を譲りながら、休み休み竹トラッカーを励ましつつ40分かけてようやく三和モータースさんに到着した。
さっそく車体を点検してもらう。ずっとフォローを続けて頂いている、メーカである光岡自動車さんの担当の方も色々と相談できて心強い。
車体を海外で展示して、再度日本に輸入する形になるので関税の関係で車両登録を抹消せねばならないそうだ。手続きは陸運局に行くなど時間がかかるので、整備に入れると同時にナンバー外してしまった。
ところが!来るのは自走してきたのに、バッテリ新しくして虎竹の里までの帰りはどうするのか!?ナンバーが無くなり走れない事に気づいた。竹虎のトラックはあるけど、重たい竹トラッカーを荷台までどうやって載せるのか?こんなドタバタが続いてます(笑)。
お客様から壊れてしまった真竹手付き籠が送られてきた。何か重たい物を入れてお使いになられたのだろうか?本体の編み込みから口巻部分がスッポリと抜けてしまっている。持ち手の竹のあしらいなどを拝見すると、かなり腕の良い職人さんが編まれた籠だけれど、さすがにこうなっては修理する他ない。
竹細工の素晴らしさは、まさに此処にある。プラスチック製品だったりすれば、ここまで壊れたら手の施しようがなくて廃棄されてしまうだろう。安さや効率ばかりを求める時代なら、それでも良かったのかも知れないが、これからは日本の伝統でもある「もったいない精神」を思い起こしてもらいたい。これだけ長く手元に置かれた愛着ある竹籠なら尚更の事だ。
そこで、今回はお客様のご了承もいただいて虎竹で手直しする事にしたが、どうだろうか?この竹籠が編まれた当初は、きっと真竹の青々とした色合いだったろう、それがまるで白竹のように経年変色して良い風合いになっている。そこに、虎竹の全く異なる色合いが入って結構お洒落感のある竹籠に生まれ変わったのではないかと思っている。
持ち手の付け根部分も二カ所に竹栓と籐巻でしっかりと仕上げられているので耐久性もバッチリだ。
竹籠修理 のお問い合わせが増えている。最近では山葡萄やクルミの手提げ籠なども多く、国産の籠ばかりではない。しかし、それでも長く使い込まれた籠にはそれぞれの方の思いがあるから自分達が出来る範囲で対応させてもらいたいと思っている。
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虎竹玉袖垣 の秘密?そう言われても、そもそも袖垣なるものが何なのかご存じない方も多い。知らない物の秘密には関心も沸くはずもないのでご説明させて頂くが、かつて袖垣は普通に玄関脇などに設えられていた目隠し用の竹垣の事だ。竹虎では袖垣を沢山製造していた最盛期には10トントラックが二台あって、それぞれに満載して京阪神に走っていた事もあるので、当時はかなりの量が流通していたと思う。
そんな袖垣だが、ご覧になられた方が一番勘違いされる個所が柱部分だ。袖垣の柱は、一本の竹で作られていると思われがちなのだが、実は芯にした孟宗竹を細く割った虎竹で巻きつけて製作されている。。
庭で雨風を受けて使用する袖垣だから、丸竹をそのまま使用すると竹材が割れてしまう。そこで、耐久性と見た目の美しさを考えて、手間と時間をかけた竹製品のひとつなのだ。一本の竹を割り伸ばしたヒシギが使われていたり、何でもないように見えて複数の内職さんや職人の手を経て完成している。今度、どこかで見る機会があれば是非近づいて観察していただきたいです(笑)。
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何だか目の調子が良くない、鼻水も出る...今まで気づかなかったけれど、どうやらこれが花粉症というやつらしい。晴れた気持ちのよい朝は、出社してから決まって窓を全開にする、いくら寒くても必ず行う明徳中学からの習慣だ。しかし、実はこれがあまり宜しくないのかも知れない。
今朝の高知はシトシト雨が降っている、近づいてくる春の訪れを感じさせてくれるような暖かなさで助かる。そして、さらに助かるのは、目がまったくショボショボしない。そう言えば鼻水はどうした?快調だ(笑)。湿気が多いと花粉も飛ばないので症状が軽くなると聞いていたが、本当にその通りのようだ。
竹炭粒2.5キロのフィルターを内蔵した竹の空気清浄機 「竹風」は、自分が竹林に行くたびに感じる清々しさをお届けしたいと製作したものだ。初号機から改良に改良を加えて、こだわり過ぎた二号機だがスイッチを「強」にしている。
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近年では少しづつ生活の中に取り入れられるようになった竹炭だが、その竹炭窯での竹炭作りは多くの方が想像するより手間と時間がかかっている。農業利用されているポーラス竹炭のように、どのような形の竹材でも選ばずに野焼した後に水をかけて消火するような比較的短時間で焼くの事のできる竹炭がある一方、最高級竹炭は、一定の幅に割り揃えてから更に燻煙熱処理を施す。
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ポーラス竹炭については、場所も必要だし、やり方を学ぶ必要もあるけれど放置竹林対策のひとつとして有効だ。どのようなものか動画にもしているので、ご存知ない方は一度ご覧ください。
200℃近い温度にした窯内で、約15%程度の含水率に調節するのだが、こうしておくと竹炭の割れや捻じれを抑えて美しい形の竹炭を焼き上げる事ができるのだ。硬く焼き上げられているボトル用最高級竹炭スティック も、焼いて縮む割合を計算して上で割り幅を決めて窯入れしている。
土窯に行くと独特の香りが心を安らげてくれるが、窯自体からの熱を感じることもできて、まさに身も心も温まる。
何度がお話ししている事でもあるけれど、簡易に焼ける竹炭であっても、あるいは竹炭(バラ)や焼き上げる難度の高い最高級竹炭にしても、それぞれに機能性があり得意な分野があるので全てが大切な竹炭だ。
昔ながらの地元の小さな土窯で焼き上げている竹炭(バラ)は、燻煙熱処理をせず400度程度の低温で焼いているから、どうしても竹炭自体がもろく、細かく割れてしまう。けれど小さく割れた方が表面積も広くなり、トイレの消臭や室内の湿度調節には高い効果が期待できる。やはり竹は、どんな形になっても無駄にはならない素材だと思う。
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孟宗竹の古材が沢山積み上げられている工場で竹割機を使った仕事が始まった。大きな竹材の表面には、あちこちに虫穴が開いていたが案の定、竹を食う害虫のひとつベニカミキリ の登場だ。竹材の大敵のカミキリ虫には、虎模様になったタケトラカミキリと、この枯れた竹に一際目立つベニカミキリの二種類がいる。
ちょうど、この季節は竹材の中で越冬している。これが温かくなってきたら次々に中から飛び出してくるから堪らない。チビタケナガシンクイムシなどとは比べ物にならない大きな穴を竹に開けてしまうのだ。
更に近づいてみる、せっかく気持ちよくお休みの所申し訳ない気持ちもするが、他の竹材を食してしまう事を考えると迷わず退治するしかない。竹の害虫のしつこさには例年閉口してしまうが、こうやって成虫でも幼虫の姿でも越冬しているから完全に対処するには薬剤処理しかない。
もちろん、室内に使用する竹製品だったり、手に触れる竹細工、口にいれる竹箸など、竹には薬剤を使えない物が多い。そもそも薬剤を現場で使用するのも好きではないので、竹は伐採時期や管理、メンテナンスで対処していくしかない。何を呑気なと言われるかも知れないが、長年付き合っているとベニカミキリなどの害虫も、そこまでキライになれない気持ちが沸いてくる。
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いよいよ3月になったが、迫りくる世界竹会議台湾(World Bamboo Congress)に向けての準備が停滞中だ。既に台湾新竹にある会議の国立陽明交通大学(National Yang Ming Chiao Tung University)構内の走行ルートまでできているのに、近年の輸送費高騰や、様々な規制などで困難続きなのだ。
6年前の世界竹会議 メキシコでは、日本から遥か遠いマンザニーロ港に運び、往復2000キロの陸送までした時より高額な輸送費!船会社さん、車体メーカーさんとの折衝、電池の積み替えや、陸運局での手続き、大阪港までの配送。何から細かい事が多くて、一旦車体を解体するのか?くらいまで話している。
さて、行けるのか?断念せざるを得ないのか?
世界竹会議には50カ国の国と地域から、竹の専門家や研究者、関係者の方々が500名規模で集まる国際会議だ。今回の開催国である台湾は竹の最先端を走っており、竹への先進的な取り組みや作品には、いつも注目している。竹に従事されている方も多いのできっと賑やかで充実した会議となると思う。
世界竹大使(World Bamboo Ambassador)の皆様にも数年ぶりにお会いするのも楽しみだ。
暗いトンネルの向こうには、明るい光が見えている(と願いたい)。