古い籐まくらを拝見していると、ちょうど頭をのせる中央部分がUの字型にへこんでいて、長年ご愛用された歴史のようなものを感じる。元々の籐というのは、もっと色っぽい色合いなので、このように経年変色するのには一体どれくらいの月日が経っているのだろうか?
前にサンパウロのジャパン・ハウス(JAPAN HOUSE SÃO PAULO)にお招きいただいた際、ブラジルに移民された方が持ち込んだ真竹を増やして作った竹林を散策して拝見させてもらった事がある。その竹に囲まれた中に建つ家屋に、たまたま当時から使われていた日本製の竹枕が置かれてあって目をひいた。気温の高いブラジルの夜を少しでも快適に休めるようにと思って、はるばる故郷から持参された物だった。大きなサイズだと、とても運べなかっただろうから、今回の籐枕と同じようにコンパクトで、けれど良く出来た構造でしっかりと作られたものだった。
さて、夏に向けて編まれている国産籐まくらだが、涼しさプラス使いやすさで、昔のサイズ感とは全く異なる大きさになっている。
コメントする