「竹害」「放置竹林」生命力の強い竹の活かし方

竹1メートル切り


の神秘的とも言える生命力は、古来人を魅了し続けてきたが、「竹害」「放置竹林」と不名誉な扱いをうける事もある現代では、そうとばかりも言っていられない現状があるようだ。そこで、竹を弱らせたい、竹を無くしてしまいたい、適正に管理したいと言う方がおられる。竹は地下茎が発達しており、それが驚異の成長力の秘密でもあるから稈を伐り倒すばかりでは竹林を無くす事はできない。


孟宗竹林


竹根にダメージを与えて竹を駆除する方法として、稈に穴を開けて除草剤を流し込むという恐ろしい方法があると聞く。伐採した竹の葉を、少しでも長くイキイキとさせるために水を流し込むというのは知っていたが、薬剤を投入するとは余程竹を無くしてしまいたいと思われているようだ。竹の素晴らしい生命力は、人によっては「しつこい竹」と映る、だからそれを駆除するためとだと言うが、自分とは全く相容れない考え方だ。


竹1メートル切り


実はある時、中途半端な長さに切り株を長く残してある竹林を見つけた事がある。何かと思って辺りを見回すと、向こうの竹林まで全て同じような長さに稈を残して伐採されている。竹はできるだけ根元から伐るものだが、こんなに長く残しているのは日本では見た事がなかった。


竹の伐り口には、竹が吸い上げる液体がたまり溢れていた。後で知ったが、これは1メートル伐りと呼ばれるそうで、このように長く残して竹を伐ると、竹は伐られた事が分からず養分を送り続けて竹林全体を弱らせる事ができるそうだ。なるほど、ひとつの管理の仕方には違いないが、まるで竹が泡をふいて苦しんでいるようで酷く悲しくなった。


竹の花は孟宗竹で60年、真竹や淡竹で120年に一度しか花を咲かせない。日本にある竹の多くは、人の手によって植えられ育てられてきたものだ。ほんの40年前までは国内の9割の竹林は人の手によって整備されていた。その後、活用されなくなった竹が増え過ぎて手入れされず困っている事は知っているつもりだ。けれど、自分達の都合で植えた竹の管理ができなくなったからと言って邪魔者扱いだけは改めて頂けないものか。竹を駆除する方法より、愛する方法を考えたい。



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