青空の下で編む竹細工、昔ながらの手付き四ツ目籠

手付き四ツ目籠丸足付


四ツ目籠といえば竹籠の中でも定番の籠で、暮らしの中をはじめ、畑仕事や山仕事など様々なシーンでも使われてきた。それだけに、かつては竹職人のみならず農作業の片手間などに近くにある竹で編まれる事も多かった。


小さい頃、ヤマモモの季節になると近所の山の職人さんが、自分で編んだ四ツ目籠にシダの葉を敷き詰め、その中にワイン色に熟れたヤマモモをいっぱい詰めて届けてくれていた事を思いだす。そう言えばヤマモモだけでなく、大潮ともなれば、四ツ目籠には磯で採れるカラスの口ばしや亀の手と呼んでいた貝がギッシリ入れられていた。竹細工と生活は深く密着し、切っても切れない関係となっていたのだ。


思い起こしてみたら、当時の四ツ目籠には持ち手は付いていなかった。多くの場合、口巻部分にロープが通されていて肩に掛けられるようになっていたと思う。山でも海でも激しく動き回るにはその方が都合が良かったのだ。


野菜籠


今では誰も編む事がなくなり、国産としては、すっかり珍しい籠のひとつになってしまった四ツ目籠には、ご家庭で使いやすいように持ち手を付けている。割れにくい丈夫な細い丸竹の足も付けて、通気性も確保しているから野菜籠としても最適だ。


しかし、何より素晴らしいのは、昔の竹細工の原点のような庭先の青空の下で編み上げる職人の姿である。外で風を感じ、小鳥の遊ぶ声を聞きながら編み進める竹仕事は、たまらなく格好がいい。





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