虎竹の竹材について

虎竹


以前は数種類ご用意させて頂いていた虎竹丸切り竹が復活した。全国には色々な手作りを楽しまれる方もおられるようで、竹虎では使わない部材や、余っている竹材を有効にお使いいただけるのは嬉しい事だ。


虎竹丸切り竹


ご紹介できるようになった竹材は、長さが約27センチで直径が約3.5~4.5センチ程度の丸竹材。細く割って小さな竹製品の編み込みや、ワンポイントのような形で使われる事の多い竹材だ。


虎竹山出し


色づきなどは自然の意匠なので様々な柄模様なのだが、全てこうして虎竹の里から伐りだされた竹たちだ。


虎竹素材


虎竹は淡竹(はちく)の仲間で比較的に身は薄く、縦に割りやすいという特性がある。


虎竹材


長さを27センチに揃えており、太さにはバラ付きがあるものの、一定の割り幅に整えれば色々と使い道があるかと思う。





極太の竹箸素材

竹箸素材


木の角材のように思われる方もいるかも知れない、しかし、良くご覧いただくと表面に小さい丸い模様が入っている事に気づかれる。これは竹の養分を運ぶための維管束と言われる部分で、密度が濃い方が竹表皮に近いところで、反対側は竹の内側になる。


孟宗竹箸材


これだけ厚みがある孟宗竹でも、実は竹皮付取り箸の選別した後の材料だから、一体どれだけ太く厚みのある竹材を厳選しているかが分かる。なるほど、竹の伐竹は頻繁にしていて竹自体は沢山あるものの、旬が良くて、これだけの素材となると全く手に入らなくなってしまうのが理解できる。


竹箸材料


竹は無尽蔵とも言えるくらい生えているが、その中から伐竹に適した3~4年竹の頃合いの竹を伐採する。竹は元は節間が短く、ウラ(先端)に行くほど節間は長くなる、したがって節が大切なアクセントとなる竹箸など、素材次第で出来ないものも多いから、本当に大切なるのだ。





竹と共存するサステナブルな孟宗竹の竹林動画

孟宗竹の竹林


次々と大きな孟宗竹が伐り倒されている竹林。木材などだったら、もしかしたら森林破壊なんて言葉が飛び出す事もあるような光景かも知れない。ところが、竹の場合はこうして伐採されても毎年同じように筍が生え、わすが3ヶ月で親竹と同じ20数メートルの高さにまで成長するので、実は見た目はすぐに元の竹林の姿に戻ってしまう。


孟宗竹伐採


まさにサステナブル(Sustainable)、持続可能な唯一の天然素材と言われる由縁だ。ただし、サイズ的には親竹と同じ大きさに育つ孟宗竹でも、伐採に適した竹は3~4年竹なので伐採するには竹の年齢を見極めながらの仕事となる。


美しい孟宗竹の林


放置竹林とは無縁の、このように整備された竹林を持っている事が自分の財産だと職人は話してくれた。これこそが日本では少なくなりつつある
竹財だ。


放置竹林と対照的な竹林


この竹林の竹は牡蠣の養殖筏に使われるが、海洋プラスチックの問題が大きく報道されている昨今、自然に朽ちる竹の利用を更に進めていかねばならないと思う。そこで、山の職人の竹伐採を動画にしてみた、ご関心のある方にはご覧いただきたい。





奇跡のカメラマン

竹皮スリッパ


「奇跡のカメラマン」とは少し大袈裟かも知れないが、先週に東京から虎竹を取材にお越しになられたカメラマンの方は、何と7年来の竹虎ファンとおっしゃって下さった。実は店内で靴を脱がれた時に、五本指ソックスを履かれていたので、アレッと気になっていた。


五本指、竹皮スリッパ


しかし、まあ最近は五本指ソックスを愛用されているか方も多いからと思っていたら、いつも五本指×竹皮スリッパだと言われるので本当に嬉しくなった。それにしても、前々からのお客様であられた方が、偶然にもお仕事で来られるなんて初めての事だ。更に、この日一緒に来社いただいたライターの方が高知県出身の方だったので、驚きも喜びも倍増した(笑)。


五本指、竹皮スリッパ


今回は、ご自身が愛用されている竹皮スリッパの会社への取材との事で、現在使用中のものをご持参いただいていた。ひとつは修理できればとの事だったけれど、残念ながら修理はできかねる部分だった。


竹皮スリッパ底


底のEVAスポンジがこんなに摺れるまでお履きいただき感謝しかない。輸入のものは時々見かける事もあるが、国産の竹皮スリッパは全国でもなくなっているから、何とか守り続けていかねばと思う。


竹虎取材


好天に恵まれた当日、写真撮りいただくような日本の竹林から毎年生み出される竹皮は、殆どが有効活用される事なく朽ちている。竹皮は、筍から竹になるほんの短い時期にしか採取できず、その期間は毎日のように竹林に入らねばならない。竹伐採と同じように、竹林での仕事が大変なのだ。





幻想的な虎竹の里にて

霧の安和の海岸


虎竹の里の海岸が全く見えない程に霞んでいる、このような深い霧は初めてだったので不思議な気持ちになった。2月というのに季節外れの温かさと、雨の湿気のせいだろうか?それにしても幻想的な光景だ。


虎竹の里


虎竹の里が一望できる峠道に入って車を停めた。地元の安和小学校の校歌にも唄われる双子島も煙っている、そこからたなびく霧が焼坂の山々に伸びている。この土地特産の虎模様のは、海からの潮風が一因だとも高知大学の先生から聞いた事がある。


虎竹の里


海からの恵を山が受け、そしてまた海に還す。大きな自然の循環を見たような気がして、ホッと安らいだ気持ちと和を感じる。どこかでも書いた事があるけれど、虎竹の里が、安和(あわ)という地名なのは運命的だと思っています。



超特大!超レアな4尺!直径120センチの二重竹ざる(ふたえばら)

4尺竹ざる


超特大サイズの竹ざるが編み上がってきた!これは大きい!毎年、土用干しに竹ざるをご愛用される皆様でも、竹細工が好きな方でも、こんなレアな竹ざるになると正直ご覧になられる機会は少ないと思う。そもそも60センチ(2尺)サイズの竹ざるでさえ、一般のご家庭では持て余してしまう事があるのでワンランク小さい40センチサイズの竹ざるを使われる方も多い。


孟宗竹


この竹ざるは縁部分だけでなく、底部分の網代編みも太くて繊維密度が高い丈夫な孟宗竹を使う。普段はあまり竹細工に活用されない孟宗竹が材料だが、この広い竹林から一体何万枚の竹ざるが出来るだろうか?


超レアな直径120センチの二重竹ざる


それにしても、直径60センチが倍になっただけで圧倒的な迫力になる120センチ超特大サイズの竹ざる。更に、この竹ざるは二重編みとにっている。網代の底面の裏側には、真竹を使った六ツ目編みで強力に補強されている。二重になっているので「ふたえばら」と呼ばれるが、この大きさ、二重編みの堅牢さには理由がある。実は、この竹ざるを使って数人がかりで味噌作りが続けられてきたのだ。驚愕の竹細工には、感動すべき竹文化、人の暮らしがある、YouTube動画で味噌作りを是非ご覧ください。





続・「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ高知

虎竹竹林にて四国ブートキャンプ


「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ2日目は、日本唯一の虎竹林からだ。細く急な山道を登ってもらい、竹林での仕事の片鱗を感じてもらう。大変さと同時に、美しい竹林で持続可能な竹の事を少しでも知ってもらいたい。


四国ブートキャンプ高知、虎竹


それにしても2月とは思えないような温かさ、菜の花の咲きそろう田舎道を竹林に向かって歩きながら、今まで自分が思った事もないような話を聞かせてもらう。メモしたいなあと思って探していたが無いのでスマホで自分にメールした(笑)。


四国ブートキャンプ高知、虎竹の里


虎竹の伐採は1月末までだが、まだまだこれから竹林から山出しされる竹が道沿いに積まれている。一束肩に担いでみたが、伐ったばかりの竹は水分が多くて重い!この重量感を知ってもらいたくて、力持ちの男性にも試してもらう。長い竹は重たいだけではない、バランスが大事で力だけでは持てないのだ。


虎竹竹林、四国ブートキャンプ高知


古来、日本人と竹とは密接な関係があり、衣食住全てに竹があったなどという事は遠い昔の事だ。現在ではご年配の方ですら竹に触れた事のない方もいる。


虎竹の里


日本三大有用竹に数えられる孟宗竹、真竹、淡竹の違いや、虎竹の伐採方法、管理についてお話しする。いつも以上に熱心に聞いていただく皆様に、たとえわずかでも竹に対する関心が沸いてくれればいいと思う。


エクストリーム大熊、竹虎本社油抜き


竹虎本社工場に帰ると、さきほど見た竹林の竹が油抜きの製竹加工をされている最中だ。


竹虎工場


こうして竹林から、実際に竹の加工、竹製品の製造、そして販売まで一貫してご覧いただけるのが竹虎の良さのひとつかも知れない。自分達にしたら当たり前だけれど、さきほど竹林にあったこの地域ならではの竹が、ここで既に製品になろうとしているといのは実は物凄い事だと思う。


エクストリーム大熊、竹虎工場


竹ざるの編み方を少し体験してもらいたいと思って教わっていたが、やはり見た目に簡単でも実際やるとなる大変だ。職人の技術はやはり素晴らしい。


エクストリーム大熊、竹虎本社工場


工場には修理の竹籠が届いていた、昔なら近所の竹職人さんにお願いしていたものが、近年そうもいかず竹虎にお送りいただく機会が増えている。愛着のある竹籠を直してお使いいただきたい方がおられる限り、できるだけ対応していきたいと思う。壊れた籠も加工性の高い竹なら何度でも何度でも手直しできるのだ。




環境に優しい素材の竹だが、こうして蘇えさせる事が大事で、お使いいただく方も愛着が沸くのだ。


竹トラッカー


竹トラッカー


好天に恵まれていた2日間だったが、休憩時間には竹トラッカーもご覧いただいた。


青竹踏み


青竹踏み


青竹踏みは慣れないうちは座って使うのも一つの方法だ。早速お試しいただいて慣れない竹林や竹工場見学の疲れを癒して欲しい。


四国ブートキャンプ


エクストリーム大熊、竹虎会議室


最後の参加者の皆様の感想は、竹虎全社員に聞いてもらった。自分達の良いところも、直すべきところも、外側からご覧いただく方の意見が参考になる場合が多い。谷中修吾さん、黒田敦史さんはじめ大熊インキュベーションセンターからお越しいただいたスタッフの皆様にも感謝したい。


エクストリーム大熊、竹虎


最後の記念撮影では、かつての日本では一家に一台はあったのではないかと自分が思うほど、当たり前にあったもの今回の若い皆様では誰一人としてご存知なかった青竹踏みを手にしてくれていた。これは嬉しい。


エクストリーム大熊、竹虎


わずか2日間だけれど、とてもそんな短い時間とは思えないような濃厚そのものの「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプだった。一番勉強させて頂いのは、間違いなく自分でした、ありがとうございました。



「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ高知

竹虎にて、四国ブートキャンプ、エクストリーム大熊


遂にやって来ました!「エクストリーム大熊」起業支援プログラムの皆様。何と全国約100名の中から厳しい審査で選りすぐられ絞り込まれた11名様が竹虎に来社とあって、あまりスッキリしなかった天気までも晴れ渡った虎竹の里。初めてで、まったく予測不能な展開にドキドキだが、いつもの通りの自分達をご覧いただくしかない。


竹虎にて、四国ブートキャンプ、エクストリーム大熊


わざわざ、こんな竹しかない遠い田舎に10代、20代の若者がお越しいただけるだけで有難い。


谷中修吾、黒田敦史、竹虎四代目


数年前にお会いさせて以来、渋谷ヒカリエや台湾でのイベントにもお誘い頂いた谷中修吾さん、そして福島県大熊町に移り住んで活動されている、大熊インキュベーションセンター黒田敦史さん達が仕掛ける「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプが九州ブートキャンプに続いて開始される。




谷中さんにお呼びいただいた地方創生イノベーションカンファレンスINSPIRE(インスパイア)の動画もあります。


本社工場


今回のプログラムは2日間、羽田から到着した皆様を早速、少しだけ本社工場にご案内した。この方々、只者ではない!すぐに思った、質問の内容が鋭いのだ。


「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ高知


まだまだ若い皆様とは言え、これから起業される方もおられるとの事で自分のテーマは決まっていた。ごく一部の方にはお馴染みの「侍ジャイアンツ」ウルフチーフの話だ。ご存知ない多くの方のために簡単にご説明すると、地面を覆い尽くすくらいのバッファローの群れにウルフチーフが槍を投げ込んでも一頭も倒せないという逸話だ。


竹虎四代目(山岸義浩)


いくら何千頭走っていようが、一本しか持っていない槍では一頭しか倒せないので自分の獲物をしっかり狙え、そんな話です。


「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ高知


「そんな簡単な話、ボクたち分かってますよ」と笑っているワケではありません。


「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ高知


しかし、驚いた。本当に10代、20代の若者達だろうか?それぞれの参加者の方の事業プラン発表が始まると、考えている事が凄すぎて理解が追いつかないことまである。そこにコメントを求められるので頭がパンクしそうだ。


「エクストリーム大熊」四国ブートキャンプ高知


こんな真剣な勉強会は今まで知らない、竹虎四代目は大丈夫だろうか?四国ブートキャンプはスタートしたばかりだ。



竹手提げ籠をトートーバッグに

白竹手提げ籠


以前、革製のトートバッグを持って歩いている海外の方があまりに格好良くて、都会に行く機会がある度に探していたという話を書いた事がある。それこそ有名ブランドから、初めて知るブランドまで、お店を見つけては飛び込んで手にさせてもらっていたが、なかなか気にいるものには出会えなかった。


白竹手提げ籠、竹虎四代目(山岸義浩)


そもそも自分のような田舎者に、お洒落な鞄は似合わない(笑)。結局、昔から愛用している山葡萄の手提げ籠に落ち着き、愛用のひとつは持ち手や底部分もリニューアルする事になった。




持ち手などを修理した山葡萄の手提げは頼もしい、これなら何処へでも持って行けそうな気持になる。


白竹手提げバッグ


ところが、しばらく使っていなかった竹手提げ籠バッグの小さいタイプを、職人の仕事場で見つけて改めて竹編みの美しさ、機能性に目覚めた。トランクのような硬めのしっかりした編み込み、角型の手提げ籠はまさに男の竹籠。


白竹トートバッグ


やはりは奥が深い、とうてい極められるものではないのだ。日帰りの温泉でも、日程の詰まった出張、フラリと出かける旅にでも、こんな相棒は他にいない。


走るか竹トラッカー!?世界竹会議台湾2024(12th World Bamboo Congress Taiwan)

世界竹会議台湾で走るか竹トラッカー


来る4月18日~22日に第12回世界竹会議台湾が開催される。まだまだ先の事だと思っていたけれど、いやいや準備を急がないと間に合うのだろうか?と焦ってきた。と言うのも前回のメキシコ大会に続いて、今回も日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」を是非持って来てもらえないかとお話しを頂いているからだ。


走行竹トラッカー


今度の台湾大会にも、一時はチケット販売を中止したほど世界の国と地域から沢山の方々が集まると聞いている。会場が二つに分かれているのも特徴で、まず新竹にある国立陽明交通大学(National Yang Ming Chiao Tung University)で開催された後、第二の会場は自分も一度訪問した事のある南投県草屯の国立台湾工芸研究所( National Taiwan Craft Research Institute)だ。


竹トラッカー


第一会場から第二会場までの距離が、ちょうど竹トラッカーで一日で移動できそうなので何とか一般道を走破できないものかと夢想するけれど、少し難しいかも知れない。けれど、今回の遠征に向けて少し高額ではあるがリチウム電池も新品に取り換え万全の体制で臨むつもりではいる。




台湾は竹の開発や研究では本当に進んでいて、アッと驚くような竹製品があるから、せめて虎竹アーマーも用意せねばならないだろうか(笑)。


虎竹アーマー


遥かメキシコのハラパまで運んだ竹トラッカーだ、それでも、近くの台湾だからと簡単に考えてはいけない。輸送には時間も費用も予想以上にかかってしまう。只今、慎重に検討中です。





古い国産籐まくら

昔の籐まくら


古い籐まくらを拝見していると、ちょうど頭をのせる中央部分がUの字型にへこんでいて、長年ご愛用された歴史のようなものを感じる。元々の籐というのは、もっと色っぽい色合いなので、このように経年変色するのには一体どれくらいの月日が経っているのだろうか?


籐まくら


前にサンパウロのジャパン・ハウス(JAPAN HOUSE SÃO PAULO)にお招きいただいた際、ブラジルに移民された方が持ち込んだ真竹を増やして作った竹林を散策して拝見させてもらった事がある。その竹に囲まれた中に建つ家屋に、たまたま当時から使われていた日本製の竹枕が置かれてあって目をひいた。気温の高いブラジルの夜を少しでも快適に休めるようにと思って、はるばる故郷から持参された物だった。大きなサイズだと、とても運べなかっただろうから、今回の籐枕と同じようにコンパクトで、けれど良く出来た構造でしっかりと作られたものだった。


さて、夏に向けて編まれている国産籐まくらだが、涼しさプラス使いやすさで、昔のサイズ感とは全く異なる大きさになっている。





図面竹の角竹

図面竹


図面竹は京都のお得意様が作られていた竹で、昭和45年3月にオープンした最初の竹虎本店にもズラリと並んでいて、子供心にも壮観だったから非常に馴染のある竹のひとつだ。初めての方がご覧になられると、虎竹と同じように思われるようだが、虎竹が自然の中から生まれる竹なのに対して、図面竹は職人技が作り出す竹だ。ご関心のある方は、30年ブログ「図面竹の竹林」をご覧いただきますと、その製法を垣間見る事ができる。


孟宗竹


元々は、このように伐り出されている孟宗竹を使い、このような色合いに仕上げていくから凄い技術なのだ。


図面竹


さらに図面竹には、筍の時から木枠をはめて四角い形に作り上げた竹もあって、お鮨屋さんや日本料理のお店などに行くと良く使われている事が多い。


小田光陽作竹皮花器


おっと、これも似たような柄に見えるかも知れませんが実は竹表皮ではなく竹の皮。正確には筍の皮なのだが、竹皮を使って創作された花器だ。筍の時にこのような虎模様の入る孟宗竹や真竹は、大きく竹に育ってからは柄が付かず、筍の時にはこの虎模様の入らない虎竹(淡竹)には成長してから虎模様が付くとは面白いものなのだ。



「竹害」「放置竹林」生命力の強い竹の活かし方

竹1メートル切り


の神秘的とも言える生命力は、古来人を魅了し続けてきたが、「竹害」「放置竹林」と不名誉な扱いをうける事もある現代では、そうとばかりも言っていられない現状があるようだ。そこで、竹を弱らせたい、竹を無くしてしまいたい、適正に管理したいと言う方がおられる。竹は地下茎が発達しており、それが驚異の成長力の秘密でもあるから稈を伐り倒すばかりでは竹林を無くす事はできない。


孟宗竹林


竹根にダメージを与えて竹を駆除する方法として、稈に穴を開けて除草剤を流し込むという恐ろしい方法があると聞く。伐採した竹の葉を、少しでも長くイキイキとさせるために水を流し込むというのは知っていたが、薬剤を投入するとは余程竹を無くしてしまいたいと思われているようだ。竹の素晴らしい生命力は、人によっては「しつこい竹」と映る、だからそれを駆除するためとだと言うが、自分とは全く相容れない考え方だ。


竹1メートル切り


実はある時、中途半端な長さに切り株を長く残してある竹林を見つけた事がある。何かと思って辺りを見回すと、向こうの竹林まで全て同じような長さに稈を残して伐採されている。竹はできるだけ根元から伐るものだが、こんなに長く残しているのは日本では見た事がなかった。


竹の伐り口には、竹が吸い上げる液体がたまり溢れていた。後で知ったが、これは1メートル伐りと呼ばれるそうで、このように長く残して竹を伐ると、竹は伐られた事が分からず養分を送り続けて竹林全体を弱らせる事ができるそうだ。なるほど、ひとつの管理の仕方には違いないが、まるで竹が泡をふいて苦しんでいるようで酷く悲しくなった。


竹の花は孟宗竹で60年、真竹や淡竹で120年に一度しか花を咲かせない。日本にある竹の多くは、人の手によって植えられ育てられてきたものだ。ほんの40年前までは国内の9割の竹林は人の手によって整備されていた。その後、活用されなくなった竹が増え過ぎて手入れされず困っている事は知っているつもりだ。けれど、自分達の都合で植えた竹の管理ができなくなったからと言って邪魔者扱いだけは改めて頂けないものか。竹を駆除する方法より、愛する方法を考えたい。



放置竹林で困っています、竹が生えないようにどうすれば良いでしょうか?

孟宗竹


竹が増えて過ぎて困っています、生えないようにするにはどうすれば良いでしょうか?」このような事を聞かれる事がある。竹を育てる事に注力する自分に聞くとは、放置竹林の問題は意外とあちらこちらにあるのかも知れない。しかし、その竹は何処に生えているだろうか?日本には600種とも言われる竹の種類があるけれど、どんな竹だろうか?生えなくするという事は竹林全てを無くすのか、邪魔になっている所だけを何とかしたいのか?それぞれによって方法がある。


孟宗竹


恐らく、増え過ぎで困っているのなら小型の笹類ではないと思う。多くは筍を採らなくなり管理されなくなった日本最大級の孟宗竹ではないだろうか。


真竹


あるいは竹細工に使われる事の多い真竹かも知れないが、いずれの竹にしても成長が早い竹を生えなくするには皆伐するのが一番だ。ただし、全て伐採したから終わりではなく、竹の地下茎は生きているので次の年も筍は伸びてくる。竹になってからでは伐採が大変なので、筍が伸びてくるタイミングで何度か竹林に行って筍を倒すという方もいた。


蓬莱竹


南方系の蓬莱竹は、株立ちでいくら年数を重ね大きくなっても他の所に地下茎が伸びていく事がないから、あまり目くじらを立てられる事はない。しかし、仮に蓬莱竹を取り除きたい場合だとしても、一回や二回全ての稈を伐り倒したくらいでは、逞しい地下茎はビクともしない。季節になれば伐り株から新しい竹が伸びてくるから重機に頼るしかないと思う。



青空の下で編む竹細工、昔ながらの手付き四ツ目籠

手付き四ツ目籠丸足付


四ツ目籠といえば竹籠の中でも定番の籠で、暮らしの中をはじめ、畑仕事や山仕事など様々なシーンでも使われてきた。それだけに、かつては竹職人のみならず農作業の片手間などに近くにある竹で編まれる事も多かった。


小さい頃、ヤマモモの季節になると近所の山の職人さんが、自分で編んだ四ツ目籠にシダの葉を敷き詰め、その中にワイン色に熟れたヤマモモをいっぱい詰めて届けてくれていた事を思いだす。そう言えばヤマモモだけでなく、大潮ともなれば、四ツ目籠には磯で採れるカラスの口ばしや亀の手と呼んでいた貝がギッシリ入れられていた。竹細工と生活は深く密着し、切っても切れない関係となっていたのだ。


思い起こしてみたら、当時の四ツ目籠には持ち手は付いていなかった。多くの場合、口巻部分にロープが通されていて肩に掛けられるようになっていたと思う。山でも海でも激しく動き回るにはその方が都合が良かったのだ。


野菜籠


今では誰も編む事がなくなり、国産としては、すっかり珍しい籠のひとつになってしまった四ツ目籠には、ご家庭で使いやすいように持ち手を付けている。割れにくい丈夫な細い丸竹の足も付けて、通気性も確保しているから野菜籠としても最適だ。


しかし、何より素晴らしいのは、昔の竹細工の原点のような庭先の青空の下で編み上げる職人の姿である。外で風を感じ、小鳥の遊ぶ声を聞きながら編み進める竹仕事は、たまらなく格好がいい。





持続可能(sustainable)な竹細工について

一閑張り買い物籠修理完了


竹は成長が早く「継続利用可能な唯一の天然資源」とも言われているので、竹細工そのものが環境に優しい製品であるのだが、さらに竹籠や竹ざるが傷んだ場合のお話しをしてみたい。竹製品の代替品として登場したプラスチック製品は、大量生産できて安価で一気に暮らしの中に広がっていったけれど、例えば持ち手が取りたり、一部が割れたりしたらどうだうか?恐らく手直しして再び使うなどと言う方はいないと思う。


手提げ籠


ところが、竹細工の場合だとどうかと言うと、丈夫ではあるものの使っているうちに手提げ籠なら、持ち手のジョイン部分や底の四隅など、どうして傷みやすい箇所がある。


竹職人


ただ、プラスチック製品と同じように持ち手が壊れても、底に穴が開いたとしても多くの場合が修理して、前と全く同じようにお使いいただける所が素晴らしいのだ。


魚籠修理


しかも、修理したのが不自然だったり、見すぼらしく思えたりという事が全くない。もちろん古い竹ヒゴの色合いに、真新しい竹が入るので目立つ事があるけれど、同じ素材で元通りに修繕できた跡がひとつの景色になり更に愛着が増すから不思議だ。




その点、一閑張りは竹材だけでは修理できなくなかった籠に和紙を貼り、その上を漆や柿渋で補強した事から発展してきた技法なので、修理をすると本当にどこを直したのか分からないくらい綺麗になる。




今回、修理完了した動画をアップしたが、修理前の動画もご覧いただけるようにご紹介します。



持続可能な牡蠣筏用孟宗竹の竹林

孟宗竹


綺麗に舗装された二車線の道路から少し脇道に入った所にその竹林はあった。高知の場合には急斜面が多いが、この中国山地の山深い所にある竹林には大きなトラックを乗り入れられる車道もあり、平らで綺麗な孟宗竹の林が続いており仕事もしやすそうだ。この道40年のベテラン職人さんに案内されてやって来た、以前は3人で毎日4トン車一台を山出ししていたが、現在では1週間に一台だと笑う。


孟宗竹の竹林


竹伐りは、若い頃には好きではなかったが今ではこんな良い仕事はないと言う。自分も同感なのだが、竹伐りの仕事をしている人には健康で長生きの方が多い、変化に富んだ山の中を動き回るので、全身運動になっているのかも知れない。あるいは、この竹達の気持ちのよいパワーを受けているからか(笑)?


孟宗竹と山の職人


それにしても、このような大きな竹材を毎週一台も伐り出して一体何に使われているのだろうか?孟宗竹は手入れされなくなり、全国で増え過ぎて「竹害」と言われ、困っているのをご存知の方もいるかと思う、だから不思議に感じるかもだが、実は牡蠣筏用に孟宗竹が必要なのだ。


孟宗竹


牡蠣は美味しいから好きな方は多いと思う、産地は広島が有名だけれど何と養殖に使う牡蠣筏は、広島湾だけで1万台以上もあるそうだ。そうすると、その筏が古くなって作り替えるだけでも毎年どれくらいの竹が必要だろうか?何万本?何十万本?とにかく、日本の竹の実情から考えれば凄い量だ。なるほど、自分達の虎竹のように1月末までしか伐らないなんて事を言ってられないのが良く理解できる。


孟宗竹伐採


何かの資料で読んだ事があるのだが、1980年以前は日本国内の竹林の90%は人の手によって管理された経営竹林だったそうだ。孟宗竹が伐られなくなり、放置竹林などと不名誉な呼び名をされるようになったのは筍の輸入増加が顕著となってきた1990年代以降の事だ。


孟宗竹切り株


伐り株を見ると大きいと思うが、やはり九州の孟宗竹はまだまだ立派で大きい。この辺りの孟宗とは同じ種類と思えないような竹があると職人は話す。もちろん、南方系の竹は暖かい地域ほど成長するが、虎竹もそうだし孟宗竹なども、その竹林により太さや性質はそれぞれ異なっているように思う。


竹職人


竹が一本、又一本と伐り倒されいく。10数メートルの長さで運ばれていく牡蠣養殖筏の竹には、代用となる新素材のパイプもあるそうだ。


孟宗竹伐採


海で使用する場合、孟宗竹の耐久年数が5~10年なのに対して、それらの新素材は30年以上と聞くので牡蠣業者の方からするとコスト的に魅力があるかも知れない。


孟宗竹林


ところが、筏は壊れて海に流されてしまう事があるようで、その場合は、腐って自然に戻る天然の竹が圧倒的に有利だ。海洋プラスチックの問題が近年クローズアップされる中、国内に潤沢にある孟宗竹を使わない手はない。美しい竹林に、丁寧に積み上げられた竹穂を見ながら思った。





創業130周年記念、送料無料で2種類のプレゼント付きの竹炭春袋

竹炭春袋


すっかり遅くなってしまったけれど竹虎130周年を記念した企画のひとつとして竹炭春袋を開催している。不織布に入れて簡単に使えるようにした調湿竹炭パック4種セットと、お陰様でご愛用者の多い虎竹の里竹炭石鹸、モノクロスイーツに使って頂く竹炭パウダー80グラムに、土佐天日塩を入れた竹炭塩歯磨きをセットにした。福袋なので、感謝のオマケを色々考えたが結局実用的なミニ竹炭石鹸5個セットをお付けさせて頂く事にしている。


竹虎春袋


そして、今回の春袋には更に特別プレゼントとして、調湿竹炭パック(中)、竹炭石鹸(100g)、竹炭生姜飴×2袋、竹炭パウダー(15ミクロン)80g、竹炭マスク、竹炭あぶらとり紙×2個の6点の中からお好みの品を一点お選び頂けるようにしている。


YouTube動画「美味しいお水飲んでますか?最高級竹炭で大変身!お水とふっくらご飯の驚き体験 Bamboo Charcoal」では、竹から生まれる最高級の竹炭を使った暮らしをご紹介しています。




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竹炭石鹸、調湿竹炭パック四種、竹炭パウダー、竹炭塩歯磨きと更にプレゼントがセット



尾池和夫先生著「季語を食べる」

季語を食べる、尾池和夫先生著


いつもお世話になっている尾池和夫先生から一冊の本が届いた。貴書の題名は「季語を食べる」地球の恵みを科学する、とある。大学の総長や学長を務められている方で、地球科学者として専門は地震学だと伺っていたのだが、食の世界にも深い知識や見識があられるので驚いた。ページをめくってみると春夏秋冬の季節ごとに、それぞれの食材が挙げられていて、料理をされる方でなくとも一気に楽しく読んでしまう内容だ。ご関心のある方は是非一度手にされてみる事をオススメします。


竹炭豆、Bamboo Charcoal


本の中には炭という項目がある。炭の季語には沢山の傍題があるそうで、これが日本人の暮らしに炭が深く関わっていた証だと書かれている。人の生活に竹は欠かせなかったから、竹冠の漢字が多い事と良く似ている。そうそう、中国で聞いた言葉を又思い出した、「可使食无肉、不可使居无竹」意味は食事で肉がないのは許せるが、暮らしに竹がないのは許せない、つまり竹が無いと生活できなかったのだ。


竹炭パウダー、Bamboo Charcoal


竹炭パウダーをデトックスや天然ミネラル補給に取る方が増えている。昔から炭職人さんは胃腸の調子が悪いと言って炭をかじっている事があった、現在では摂取しやすいカプセルのものも開発しているけれど、著書の中では竹炭豆をご紹介くださっている。竹虎の竹炭豆は粒の大きさにこだわった、食べ応えと共に竹炭も沢山いただいて欲しいと思っているのだ。



地震の時は「竹藪」に逃げろは間違い?

竹根、竹虎四代目(山岸義浩)


「地震の時には竹藪に逃げろ!」そう教わった事のある方はおられるだろうか?自分は小さい頃より、祖母や母、周りの大人から繰り返し聞かされてきた言葉で耳に焼き付いているから、大きくなって人と話したり、竹虎に見学に来られる方に質問したりして多くの方がご存知ない事に驚いた。そもそも、昔なら身近に竹があって(実は今でもあると思うのだが)竹根の堅牢さや、その根が縦横無尽に伸びていて竹同士が繋がり、まるで網を張っているかのような地下茎の事は経験的に知っていたと思う。


虎竹林


いつの頃からか?人と竹の距離は広がっていき、人は竹を忘れ、竹は竹林でとても寂しい思いをしているのだ。ところが、そんな事を言うと、いやいや最近の豪雨による土石流で竹林はとても崩れやすい、かえって危険だと話す人がいる。


竹根


確かに竹の地下茎は土中の深い部分にまで伸びている事はない。虎竹の里の山々でも、岩場が多く痩せた土地が多いけれど、地表のそれほど厚みのない土壌に竹根が走っている。普通の竹林でも、30~50センチ程度の浅さで、深くとも1メートルまでの所にしか地下茎は伸びていない。しかし、竹と竹がガッチリと手を握り合うかのように、あの強靭な竹根で繋がっているのは掘り返した事もあるから間違いない。強くて絶対に折れる事のない、しなやかな根が四方八方に広がっているのだから、竹林はまさに天然の鉄筋コンクリートだ。


荒れた竹林


しかし、もしかしたら崩れやすい事もあるかも知れない。自分も豪雨で崩れている竹林を見た事もある、その竹林は手入れされる事がなくなり荒れてしまった、放置竹林と呼ばれる竹藪だった。


立枯れ竹林


多くの方に知ってもらいたいけれど、「竹藪」と「竹林」は似ているが異なる。人の手が入らなくなり密集して生えて景観が保たれなくなり、枯れ竹もそのままなのが竹藪、そして、適度に管理され見た目にも美しいのが竹林だ。


テング巣病


全国の真竹に見られるテング巣病も、昔なら直ぐに伐採されて焼却され広がる事はなかったらしい。抵抗力が弱くなり、密に生えすぎて根がより浅くなった竹藪は、やはり防災機能も低い。だから地震の時に逃げるのは竹藪ではなく竹林。「地震の時には竹林に逃げろ」が正解なのである。





世界竹会議台湾2024(12th World Bamboo Congress Taiwan)に何がある?

Green school、グリーンスクール


2017年にGreen schoolを訪問した時の事は今でもハッキリと覚えている。ある時、バリ在住ながら世界を飛び回れられている尾原和啓さんに創設者であるJohn Hardyさんをご紹介いただいた。学校やホテルを竹で建築されている事に驚き、興味が沸いて、どうしてもこの目で確かめたくなったのだ。


どこまでも竹にこだわる姿勢には、驚いて開いた口が塞がらなかったほどだったが、明らかに日本の竹の性質とは異なり大きいだけでなく、建材としての強度が十分にある、今まで見た事のない竹に魅かれた。これは面白い!自分の思考の枠から外れて竹の可能性が広がったのは、次に向かったGreen villageだ。こちらのホテルには世界中から長期滞在の宿泊客がいっぱいでいつも満室だそうだった。




John Hardyさんが、一泊して行けとウブドにあるホテルbambu indahのフロントに電話してくれた。あいにく空いてる建物がなくてバンブードームに宿泊させてもらう事になった。この夜の体験も強烈で確か3~4日連続でブログを書いている。




バンブーエレベーターや、ホテルにある竹の吊り橋など、日本では到底考えられない。


孟宗竹


日本の孟宗竹だって、西日本の温かい地方なら結構大きな物がある。しかし、Green schoolの竹とは全く異なっていた。4月に台湾で開催される、第12回となる世界竹会議(World Bamboo Congress Taiwan)には何があるのか?同じ竹なのに世界には1300種もあるそうだから自分の知らない竹ばかり、それを知りたいと思う。



創業130周年感謝、本政寺奉塔の掃除

本政寺奉塔


週末に本政寺の奉塔掃除にでかける事にした。竹虎は今年でお陰様で創業130周年となる、その礎を築いたご先祖様の奉塔を、せめて綺麗に洗って感謝したいと思ったのだ。高知をでかける時には、途中少し天候の思わしくない所もあったけれど、大阪に到着すると気持ちのよい天気となった。考えたら、ここには何度となく足を運ぶが、いつも青空しかない。


本政寺奉塔


さて、今回は高さのある奉塔の一番上から洗いたいと思っていたから車に脚立を積み込んでいる。思った通り奉塔の上には長年の汚れがこびり付いておりブラシでゴシゴシこすっても落ちやしない。こんな事もあろうかと、古い墓石にも使える洗剤を買っておいた。


本政寺奉塔


ここ本政寺は、近くに水道がありバケツなども置かれていて本当に便利だ。何度となく上から水を掛けて洗い流してスッキリサッパリ、自分達以上にご先祖も気持ちよかったのではないかと思っている。



竹酢液のボトルキャップの開け方について

竹酢液のボトルキャップの開け方


寒い季節は特に人気になるのがポカポカお風呂の入浴剤に使う竹酢液(ちくさくえき)。実は、もともと自分はあまり長湯が好きではなく、カラスの行水タイプだった。半身浴などと聞いても、良く長い時間じっと座って入っていられるものだ...のぼせてしまうけどなあ...などと思っていた。




ところが、前にも動画にさせてもらった城山ホテルさんの大浴場で、露天風呂から眺める桜島の雄大さに見惚れてしまい気がつくと長湯をしてしまっていた。思えば、今まで温泉に行っても効能にある肌荒れ等を見て、自身がアトピーだから出来るだけ我慢して長く入浴する事はあっても、気持ちよく長い時間お湯に浸かれたのは初めてだったように思う。何故かそれから自宅のお風呂でもシャワーですませるだけでなく、結構お湯に浸かるようになった(笑)。


竹酢液のボトルキャップの開け方


そんなお風呂でご愛用いただいている竹酢液のボトルキャップが開きにくいと言う大問題がたまに起こっている。何度も何度もメーカーさんにサンプルを送り、検証してもらうのだが、どうやら液体がキャップに付着して固まるシュガーセメントなる状態が原因らしい。せっかくのバスタイムに届いた竹酢液のボトルが開かないなど、とんでもない事!楽しみにされているご愛用の皆様にはお詫びのしようもない。


今までは解決方法があまりなかったのだが、ついに良い方法が見つかりました。そのような時にはドライヤーでキャップを十分温めてから、手が熱くなったり火傷しないようにタオルなどでキャップを掴んで回せば簡単に開きます。YouTube動画でもご案内していますので、安心してお求めいただき一日の疲れを湯ったりとほぐしていただきたい。





鉄鉢と呼ばれる竹籠の作り方

虎竹盛籠編み方


一昔前、冬のご家庭と言えばコタツを囲んでテレビを楽しむというのが一般的だったと思う。そして、そのコタツの上には竹籠に盛られたミカンが置かれているのが定番だった。いわゆるミカン籠と呼ばれた竹籠は、色々な形や編み方があって当時は一家にひとつは似たような盛籠があったのではないだろうか?


虎竹みかん籠作り方


コタツの生活が見かけられなくなり、テレビはそれぞれのスマホに代わり、ミカン籠も姿を消してしまったのか、現代ではすっかり製作される事も少なくなった。


虎竹鉄鉢職人


しかし、少なくなったとはいえ、お坊さんが托鉢に使う鉄製の鉢に似ている事から鉄鉢と呼ばれる定番の盛籠には、ずっとファンの方もいて僅かではあるが編まれ続けている。


虎竹盛籠製作


ご存知ない方からすると、もしかしたら昭和レトロを感じさせる懐かしいデザインかも知れない。虎竹鉄鉢が熟練の竹職人の手によって、どうやって作られていくのかを動画にしてみた。家族団らんの中心には、やはり竹籠が一番だと思う。





愛媛県立西条農業高等学校さんの竹林見学

虎竹竹林見学


愛媛県立西条農業高等学校の皆さんに虎竹の里にお越しいただいた。今回は男子生徒の方ばかりで朝から元気が良くて本当に気持ちがいい。日頃から耕作放棄地の解消を目指して米の有機農法栽培をされたり、環境保全活動として、放置竹林整備と竹の有効活用の研究、石垣の保存活動、棚田ライトアップや竹灯籠制作体験教室など様々な課題に取り組まれている素晴らしい皆様だ。


竹林研修


沢山の方にお越しいただく場合、バスが入れない事も多く竹林への山道まで10分程度歩いいただく。


竹虎竹林見学


孟宗竹を伐って竹林整備をされている生徒さんたちだと聞いて、孟宗竹と淡竹の仲間である虎竹の違いをお話しさせてもらった。孟宗竹は江戸時代に大陸から渡ってきた竹だが、大きい事から重宝されて日本全国に広がっている。




竹の見分け方について、高校生の皆さんにお話しさせて頂いた事と同じような内容をYouTube動画にもしているので、お時間ある方はご覧ください。


竹虎工場見学


竹林から帰ってきたら、さきほど山で見た虎竹がどのように加工されていくかの説明だ。竹を伐る機会がある生徒さんたちだが、竹の油抜きなどは初めての様子で熱心に聴いていただいた。


竹虎工場見学


そして、さらに竹材が皆様に身近な竹ざるのような竹細工や竹製品にどうやって作られいるのか、使われているのかをお話しする。


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」


クラウドファンディングを使って製作し、横浜まで11日かけて走ったり、山口宇部空港や遠くはメキシコまで行った日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」は、若い皆様にどうしてもご覧いただきたかったひとつだ。


竹虎店舗見学


125周年で製作した虎竹の車で、スペインでの坂道レースや東京のレッドブルのレースに参戦した事も、誰かのリミッターを外せるキッカケになればいい。


竹虎店舗見学


竹林で見れば一本の竹にすぎないものが、竹虎本店では様々な姿に形を変えている。高校生に限らず、もしかしたら馴染の少ないものばかりかも知れないけれど、竹の面白さや可能性をほんの少しでも感じてもらえたら嬉しい。