黒い下見板が雰囲気を醸し出している土蔵の中に入ると、所せましと並べられた本棚に一体どこから集めて来たのだろうかと思うような古い本がギッシリと並んでいる。それが手を伸ばしても届かないくらいの高さまであるものだから、かなりの迫力だ。
圧巻だと感心しながら上ばかり見ていたから首が痛くなってきた。そして、ふと後ろを振り返ると屋根裏にチラリと見える竹籠があるではないか!?古そうだが、この地域で編まれた籠のようだ、とても気になる。しかし、屋根裏に続く階段などは見当たらない、結構高い所にあるけれど何とか見られないだろうか。
そう言えば、蔵の外に梯子があったのを思い出した。主の方に許しをいただいて、梯子をかけて屋根裏に上がらせてもらった。危ないので慎重に登って行ったら驚いた。竹籠のワンダーランドか?時代を感じさせる本物の竹細工に目移るする、こんな場所にひっそりと、これだけの逸品達が隠されていたなんて(別に隠していたワケではありません)、これは竹の秘宝館だ。
自分も個人的に魚籠が好きで、持っている籠を動画でご紹介させてもらっているが、現在ではこのような竹細工は急速に失われていっている。特に腕の良い職人のものは極端に少なく、どうしても目に留まるものは昔に編まれた物ばかりだ。しかし、竹籠は耐久性があり数十年前のものなど普通の残されており、それどころか暮らしの中で普通に使われている事さえあるから、このような聖域は他にも残されてるに違いない。
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