孟宗竹や真竹は、淡竹(はちく)と共に日本を代表する竹なので名前くらいは聞いた事があると思う。えっ!?竹は、どの竹でも同じだと思っておられましたか?いやいや、日本に竹は600種類もあって、竹虎のウェブサイトに掲載している竹だけでもブログも併せれば、孟宗竹、真竹、淡竹、虎竹、黒竹、根曲竹、篠竹、スズ竹、蓬莱竹、布袋竹、矢竹、女竹、大名竹、煤竹、メゴ笹...と種類は多いです。
この同じに見える二本の切り竹も、実は種類が異なる。左が孟宗竹で右が真竹、見分け方は節の部分に注目いただきたい。節の線が一本なのが孟宗竹、二本あるのが真竹だ。
せめて、日本最大級の孟宗竹と真竹、淡竹の違いくらいは知っておきたい、そんな奇特な方はコチラの動画を是非ご覧ください(笑)。虎竹の里に生える孟宗竹と虎竹をご覧いただきながら、分かりやすくご説明しております。
孟宗竹は太くて背丈も高く立派な竹だが、特に大きさの割に竹葉が小さく繁っているので見た目にも格好がいい。
お時間ある方は、こちらが何度かご紹介している孟宗竹の庭園。この迫力と美しさを眺めてもらえれば、かつて江戸時代に武家の庭に植えられてステイタスシンボルとされていたと言うのが納得できる。
ところが、この孟宗竹が近年あまり活躍する場が無くて困っている。こうして竹伐り職人が、手入れされた竹林で伐採する竹も用途は限られているのが現状だ。
昨年の秋だったか、立ち寄ったコンビニの広い駐車場に孟宗竹を満載にした大型トレーラーが駐車していた。あまり出番のない孟宗竹が何に使われているのかと言うと、行先は広島などのカキ養殖場。自分もカキは大好きだが、そんな養殖に孟宗竹が今でも筏に組まれて使われている事は本当に嬉しい。
まあ、この当たりまでは竹を扱う方ならご存知のお話。しかし、この孟宗竹が竹ざるになっているとしたら?孟宗竹は真竹などに比べて繊維が粗く、竹細工には不向きな素材と思われている。けれど、堅くて割づらい竹質はウラを返せば丈夫な竹編みとなる。
丁寧に洗ってあるので孟宗竹に見えないような青さだけれど、手にしたら感じる堅牢さ。それが、直径が60センチというビッグサイズで、しかも深さが20センチある深ザルは本物の職人仕事でないとできない。日本全国見まわしても唯一無二であり、まさに孟宗竹の最強竹ざるである。
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