竹は縮みにくく、膨張も歪みも少なく何年たっても使えるという事で、昔から物差しに使われている程の素材だ。案外と忘れられている方も多いのだが、小学校の時に竹の物差しを使われていたのを思い出して欲しい。もちろん今でも竹製の物差しは学校で使われている、これだけ色々と新しい製品が出来ている時代にもっと良いものがあるだろう?と誰でも考えるのが普通だ。
しかし、実は物差しとは長さを測るものであり、透明なアクリル定規は線を引くための道具なのである。ちょうど自分もデスクに透明な30センチのアクリル定規もあるけれど、良く見たら目盛りが端からふられていない。その点、竹の物差しは当たり前のように端からの目盛りだから、長さを測るには竹の物差しでないとダメなのだ。まあ、それが竹の物差しを小学校以来、中学、高校、大学、社会人と50年に渡って使い続けている理由ではないのだが...。
伸縮しない竹に比べて、プラスチックは熱で膨張しやすいから本当に微妙だが目盛りがズレる事もある。社会に出てからでも一番竹の物差しが活躍しているのではないかと思うのが衣類関係の現場。軽さ、しなやかさが繊維に優しく、これでないと使えないと思われている方は多いと思う。しかし、そんな皆様がこの色鮮やかな竹材を見て、これが毎日手にしている物差しになろうとは想像しないのではないだろうか?
信じられない方は、下のYouTube動画「感動する真竹湯抜き職人の仕事と白竹の作り方、静かな山里にたなびく煙」を是非ご覧ください。また、竹の物差しが愛用する程に色合いがこれほど変わるという事も是非知っていただきたい。右端が新しいもの、真ん中が自分が50年使う物差し、左端は祖母が使っていた竹尺だ。色合いの変化がたまらない(笑)。
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