これから虎竹伐採や山出しが続く虎竹の里だが、竹林での仕事の合間にも網代編みの国産竹ざるの製造を少しづつ進めている。60センチと40センチの2種類があるのだが、真竹の方の準備が遅れていて60センチサイズの製作が中心だ。ただ同じ竹細工が出来れば良いというものではない、高知では伝統的に孟宗竹を使った竹細工が続いてきたので、その伝統を継承して竹材にもこだわる。
昔ながらの古老の職人は、竹ざるの縁についても実に手際よく、綺麗な円を描くように製作されていた。しなやかな竹なので簡単に丸くなりそうだが、竹の性質にもよるし身の厚みが揃っていないと美しい縁はできない。
ところが近年では、熱を利用して綺麗な丸縁を作る「型曲げ」という道具があるから便利だ。
竹を真っ直ぐに矯め直しする場合にも熱をいれるけれど、曲げたい時にも、こうして熱した鉄板に沿って割竹を固定すると思うような曲線を作り出す事ができる。
熱を入れて曲げた竹縁は、油抜きしたような色合いになっている。少し若竹色のようになって見栄えが良いが、この色合いはすぐに変色する。
どうだろうか?綺麗な丸さではないだろうか。
こうしふ縁をつくり、網代編み、あるいは四ツ目編した底編み部分とあわせて竹ざるを完成させる。昨年は定番の網代編みが間に合わず、四ツ目編みの竹ざるが殆ど製作できなかった。今年は少しでもご要望にお応えできるようにと考えています。
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