フランスにはErik Bordja(エリック・ボルジャ)氏が、50年近い時間をかけて造園されたJardin Zen(禅の庭)と言う東洋と西洋を融合させたような不思議な庭がある。たまたま今年は、同じフランスで活動されている日本人庭師さんが虎竹の里にお越し頂いていたが、そう言えばその時に少しお教えいただいたような気もする。
1時間程度かけて回る広い庭園はフランスでも有名で、多くの方が訪れるというJardin Zenから、Stephanie Reynaudさんが、わざわざお見えになられていた。頂戴した本を拝見すると、創始者のエリック・ボルジャさんは単純に日本の庭を再現している訳ではなく、エリックさん自身の世界観に日本庭園の技や精神を取り入れられているように思える。
ちょうどタイミングよく日本唯一の虎竹伐採の時期でもあり、又、たまたま山の職人が竹を運びだす山出しの時に来られて本当に良かった。数日前なら雨で山道が使えなかったので、このような光景はご覧いただけなかったはずだ。
竹と庭園とは切っても切れない関係がある、植栽はもちろんだが竹で製作する袖垣、縁台、枝折戸、つくばい、シシオドシなど竹虎でも庭園用の竹製品をずっと製造してきた。しかし、2台あった10トントラックを、それらの竹だけで満載にして問屋さんに運んでいたなんて、今では想像もできないほど国内の需要がなくなっている。
ただ、日本でもゼロになっている訳ではないし、Stephanieさんから頂いた本にあるJardin Zenでも竹垣は使われていた。変化しつつも未来に繋がっていくのではないかと希望も見えてくる。
竹虎は、お陰様で来年130周年を迎えさせてもらう。エリック・ボルジャさんの庭を拝見しながら、少しワクワクする事を思いついた。竹の根は、たった1年でも予想以上に伸びていく、そんな風に繋がると面白い。
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