国内に沢山ある孟宗竹の竹林を見れば、多くの方が国産竹材を活かしたモノ作りを夢見る。竹は成長が早く、SDGs・持続可能な社会が言われる現在において、これほど素晴らしい素材は他にないからだ。そこで、元々国内で製造されていた国産竹割箸を復活させたいと、何とか13年前に製造が再開していた竹割箸工場だが、製造コスト、後継者問題などの課題に直面して止む無く生産は休止してしまった。
しかし、そんな国産竹割箸をフェニックスのように再び蘇らせる熱き竹職人がいる。まさに無尽蔵の孟宗竹だが、これを竹割箸に加工していくには、やはり製造機械がカギだ。幸いここには、一級品の工作機械と長い間蓄積させてきたノウハウがあった。
防虫・防カビ・漂白剤不使用、無添加の国産竹割り箸でも、輸入の割り箸が沢山ある中ではコストを出来る限り圧縮して安価に提供できるようにしなければならない。
薬剤不使用で製造するには良質な竹材の確保も必要だし、カビやすい竹材を考えると湿度の高い季節の製造は難しいかも知れない。
漂白もしないから、出上がる竹箸には色ムラがある。しかし皆様に知っていただきたいのは、これが自然の竹の色合いであり、山で自分達が感じる竹のニオイでもあるのだ。
今度の国産竹割箸は、一手間かけて天削にして、少し高級感のある仕上げとなっている。
研磨剤などを入れずにドラム研磨機で回転させ研磨加工をしている。長時間回転させた後、乾燥させるのだが、その際に竹ならではの細かい毛羽立ちができるので、研磨加工は二回行っている。
防虫・防カビを使わないから余計に手間がかかったり、大量製造できなかったりするが、竹の国である日本で割箸すら自国で製造できていないのは、いかがなものだろうか?せっかく世界的にも品質の高い竹がある国内の竹割箸製造を通して竹林や環境について考えていただく機会にもなると思っている。
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