網代編みの竹ざるの裏面を六ツ目編みで補強した、ふたえばらと呼ばれる二重ざるがある。二枚並んだ竹ざるの色合いが異なるので、別の竹ざるかと思われる方もいるかも知れないが、青い竹ヒゴが時間の経過で変色したたけで全く同じ竹ざるだ。
竹ざるの底は、しっかり網代編みされているのに更に六ツ目編みする必要があるのか?不思議に思って、ずっと昔は見栄えなのかと考えていた事もあったけれど、この竹ざるを使う味噌作りを知ってからは必要不可欠な必然の細工だと知った。
梅干しざるとして多用いただいている、定番の網代編みの国産竹ざるをご覧いただいても六ツ目の補強は入れていない。2尺(約60センチ)サイズと大きくとも、梅干しや野菜を干したりする用途では耐久性に全く問題ないからだ。
ところが、もう一つだけ網代編みに六ツ目編みを入れる竹細工がある。それが、自分が手にする1.4尺(約42センチ)の寿司バラだ。二枚の竹ざるを持っているように見えるけれど、実は片方が蓋になっているので、これで1セット。
竹ざるで寿司飯を作るのも面白いけれど、乾燥を防ぐために蓋が付いているのも素晴らしい。大家族だった当時は、大量の寿司飯を作るので、もっと大きな寿司バラだったから、やはり耐久性から二重編みになったと思う。この辺りは味噌バラと同じ、しかし、ピタリとはまる蓋付きとは青物細工の中でも秀逸だ。
さらに、この竹細工が好きなのは網代編みに蓬莱竹が使用されている所。節間が長いので、この程度の大きさなら節を入れずに編まれているから使いやすい。
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