竹細工の修理は、とにかく皆様が考えられる以上に手間がかかる。そもそも籠やザルの種類によって編み方だけでなく、竹素材も異なるので元通りに手直しする事が難しいから、自分の作った籠の修理に限定されている職人が多い。ところが、それぞれ持ち込まれる籠は使い手によって味わい深いものになっている事が多く、どうしても修理して差し上げたくなる。そう先日の「使い込まれたサクランボ籠の修理」に登場する籠など、その典型だ。
山葡萄の手提げ籠バッグなども、元々丈夫な素材とは言え、近年では海外素材の製品も含めて玉石混交なのだろうか?持ち手が切れてしまったと相談があった。
このように、ちぎれる様に切れた持ち手というのはあまり知らない。同じ編み方の持ち手の手提げ籠バックを2個使っているけれど、切ろうと思っても切れないくらいに山葡萄の繊維は強靭だ。バッグに何を入れるにせよ、その程度の重みではビクともしないのが普通だから、素材や作り手に問題があったのだろうと思う。
そこで、元々の籠は持ち手が本体に取り付けてられていたのだが、少しでも強度の高い口巻部分にしっかりと留めてもらった。
持ち手も少し太めになる定番に変更させてもらったので、今まで以上に使いやすくなると思う。
手提げ籠は持ち手が一番酷使されて傷みやすい、けれど、こうして修理が完了すればこの先10年、20年と活躍する新しい籠に生まれ変わる事ができるのだ。
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