竹ざる(二重バラ)を使う味噌作り二日目が始まる。それにしても網代編みされた竹ざるは、何という風格だろうか、年期の入り方に惚れ惚れしてしまう。
大豆と麦を使う味噌作りだが、どちらの素材も丸一日水に浸けてしっかりと水分を吸っている。麦は材料の段階で20キロの重さだ。
今日は、まずこちらの製麹機から4分の1づつ麦(素材で20キロ)を竹ざるに取り出す。そこに昨日の大豆(素材で7キロ)+塩(2.5キロ)を入れて合わせる、そして更に2.5キロの塩を入れて皆でほぐしながら混ぜ合わせるのだ。
つまり、ここで素材だけで約32キロ(水分を含んでいるから約50キロ)もの重量の素材が竹ざるに載せられている。ただ置いている訳ではない、5~6名の女性陣が取り囲み一斉に両手でかき混ぜる、これはいくら丈夫に網代編みされた竹ざるでも、底面の負荷は大変なものだろう。恐らく長い味噌作りの歴史の中では、度々修理する事もあったのではないか?そして、そうこうしている中で底に六ツ目編みの補強を入れるようになったと推察する。
この後は、二重バラから小分けにして撹拌機に入れ、良くかき混ぜるている。けれど、昔はどのようにしていたのかと気になる。もし、この粘度のある素材をそのまま竹ざるで混ぜる事もあれば、竹ざるに求められる耐久性はもっと高くなりそうだ。
最後の仕上げは、このように団子を作り押しつけながら空気が入らないように樽にキッチリと詰めていく。
こうして樽に入れて安置したら、2~3カ月で味噌として食べられる。それぞれがご家庭に持ち帰り、一年通して食されるので市販のものを購入する事はないそうだ。
さて、今回は他の地域では見られない竹ざる(二重バラ)を使った味噌づくを拝見させてもらった。地域に根差す食文化と竹との関係は素晴らしかった、近年ではこうして手作りした味噌を販売される事もあるそうで、竹ざるに厚手のビニールを敷いての作業であったが、小さい頃から馴染んでいる竹ざるへの愛着にも感動した。
竹ざるは網代編みの部分が真竹で、この大きな縁部分は孟宗竹が使われている。一本のヒゴに取った竹が、このような色合いになるまで現役で活かされ続けている事に、更に感動する。高知の竹ざるのルーツに触れる事もできた、貴重な作業の工程を拝見させて頂き、JA鹿児島みらい女性部小山田支部の皆様には心から感謝いたします、ありがとうございました。
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