これから年末にかけて、熊手も活躍する場面が多くなる竹の道具のひとつだ。近くのお年寄りが手作りしてくれていた、熊手が作れなくなったとお問い合わせがあった。お客様は、2020年からアップしている熊手工場のYouTube動画をご覧になられたのかも知れない。お使いの熊手は、写真だけでは分かりづらいので現品をお送りいただく事にした。
届いた熊手を拝見すると、やはり細かい所で作りが異なっている。竹虎の近くにも、お年寄りが趣味半分で作る最高に丈夫な熊手があったけれど、それぞれの方が自分の流儀で手作りするから色々な物が出来あがるのだ。まあ、それはそれで面白いと思う、今回の熊手も先端が尖らせてある。これには何か理由があるのだろうか?
別注国産熊手の依頼主に訊ねてみたら、先端が尖っているのは毎日使っているうちに自然とそうなったとの事だ。最初から削る必要はないと言われていたが、先端を尖らせた熊手もあるので、実は加工可能だ。
先日、山里の竹箒名人の作る箒を特別販売させていただくと、嬉しい事にすぐに完売した。考えみれば、竹箒にしろ、熊手にしろ、少し前までは近所で誰か作っている方が一人二人いたもなのだ。何故かと言えば、昔の小学校には自作の竹箒を持参しなければならない事も多く、器用なお年寄りは材料さえあれば作れてしまうのだ。
けれど、田舎でもそんな方は少なくなり、いざ国産の丈夫な竹箒や形の違う熊手を探すとなると困ってしまうのが現状だ。専門の自分たちが、出来る限り力を尽くして日本の竹箒を、日本の熊手を届けていきたい。今年の新竹で作る竹箒は、年内には一度ご紹介できる予定です。
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