虎竹は虎模様が表皮に現れる独特の竹で、虎竹の里の山々でしか成育しない不思議な竹でもある。工場に来られた方は、皆様沢山の竹材に驚かれるので、自分達では当たり前だと思っていた竹ばかりの工場が普通ではないのだと知った。それでも、近年は竹材の量が圧倒的に少なくなったので、もしかしたらあの当時に来られていたのなら腰をぬかしてしまうかも(笑)などと夢想する事もある。
しかし、少なくなったとは言えこれだけの竹材が、しかもこの地域でしか伐採されていない竹が、こうして工場の中で出番を待っているなんて考えたら日本中探してもないのだと思う。もっと大きくて、設備が整った工場など山ほどあるに違いないが、虎竹が立てられている場所はここだけ。それが少なくなくとも、文献が残っているだけでも江戸時代から脈々と続く伝統だ。
チェーンソーのオイルの香りが漂ってきた、今年も、そろそろ竹伐採が近づき、山仕事の準備がはじまりつつある。
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