サクランボの収穫に使われていると言う腰籠が三個届いた。一目見て国産で無い事が分かる、触ってみても竹質が弱いから、しっかり編まれていても壊れやすいと思う。口巻に使っているのは籐でなくPP(ポリプロピレン)だ、扱いやすいので輸入の籠の口巻には多用されているようだ。
縁部分の竹が完全に外れてしまっている。本体編みの竹ヒゴを挟んでいるだけなので、中に入れるものによっては耐久性は低いかも知れない。
四角い籠は特に底の角が傷みやすい、この籠にも角に大きな穴が開いてた。このようにならないために、国産の竹籠の場合は、角部分を籐でかがったり、力竹を重ねて補強している。
底に貼られたガムテープも痛々しいけれど、少しでも長く竹籠を長持ちさせたいと言う使い手の気持ちは伝わってくる。
こうして使い込まれた竹籠を見ていると、輸入だからダメと言えるだろうか?いくらだろうか?
「そんなん、どうでもいい」
籠を見た瞬間に、職人の目がそう言っている。
こんな時、つくづく自分達はお金ではないなと思う。どこで作られた籠でもいい、現場で長く働いた竹だ、何とか竹虎らしく、出来るだけ手直ししたい。また綺麗に修理が完成したら、皆様にご覧いただきます。
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