コツコツと坂道を一歩、また一歩と登っていくように...などと言うと全く大袈裟だが、YouTube動画の登録者数が5万名様に到達そうだ。そもそも、すっかり放置していたYouTubeチャンネルを見直して、改めて取り組み始めたのが2020年の4月のことだったと思う。その時点での登録者数は2341名様しかおられなかったのが、この3年と5か月で少しづつご覧頂ける方の人数か増えてきたのだ。
実は現在、あと3名様で5万名様に到達という微妙な感じだが、昨日節目が直前だと言う事に気づき、急遽企画を開催させて頂いていた。こんな大胆な割引などした事がないけれど、大慌てしたのと、お祭りとしては良いてのではないかと思って踏み切った(笑)。メルマガも何も書かず、動画とSNSだけの告知だったにも関わらず、お陰様で今朝までに完売して無事企画は終了しています、ありがとうございます。
5万名様だから「5万」という数字にこだわったのと、少しでも知ってもらえればと思い虎竹空気清浄機「竹風」を選んだ。しかし、元々値段ではなく、品質とこだわり、機能性でお選びいただく製品なので、それこそYouTube動画を使い、今後は魅力をしっかりお伝えしていきたい。
先日、機内で凄い方にお会いさせていただいた。羽田空港に到着して降りようとしたら隣の女性の方からお声掛けいただいた。
「YouTube動画、いつも主人が観ています。」
これは、嬉しい!自分達の動画をご覧いただいている方にリアルでお会いできるチャンスなどあまりない。旦那様にも、是非にもご挨拶せねばと後ろを振り返ると、少し離れた座席に何とkonishikiさんではないか!?ええっ!?竹虎の動画をご覧下さっているのですか?
こんな事があるなんて、何とムチャクチャ嬉しい!
「日本の手仕事を失くさないようにね。」
豪快な押し相撲でファンを魅了されたkonishikiさん、伝統工芸にもご興味があられるとの事でしたが、田舎の小さな竹屋の動画を観ていただけているなんて!熱いエールを頂戴して益々やる気が出ています。
実は、静岡県も昔からの竹どころであり、かつては竹虎とのお取引を頂く会社様も多かった。今でも旧知の職人さんが何人かおられて、前にお伺いした時には安倍川の土手を散歩しながらお話しを伺った事がある。江戸時代には、この大きな川にも橋をかける事が許されていなかったので、渡しのための駕籠や荷物を運ぶ籠を編むのに、川岸の良質な真竹を使っていたのだそうだ。
静岡の竹細工と言えば、千筋細工と言われる細い竹ヒゴを使った工芸がまず頭に浮かぶ。たまたま迷い込むようにしてお邪魔した、駿府の工房 匠宿には千筋の技法を巧みに取り入れた照明が吊るされている。逆風に負けないように、新しい道を模索しているのは全国の竹人に共通しているけれど、ここでは本当に美しい作品を次々に拝見できる。
壁にしつらえた飾りは、黒いバックに竹の白さが際立つ。木材との組み合わせで、千筋の可能性はまだまだ広がりそうだと感じる。
更に、これは素敵だった。懐かしさと共に新しくも思える千筋細工のカウンター、やはり竹は灯りが入ると断然輝きを増してくる。前面をガラスに覆われているのもいい。
こちらの施設では、竹細工に触れ合ってもらえる教室が常設されている。今回、館内をご案内いただいた若い職人さんは、たまたまこの日が担当の方だったそうだが、連日誰かが交代でこちらで千筋の技を披露したり、教えたりしていると聞いて感心した。
静岡千筋細工といえば、花器や菓子器に竹の丸ヒゴを使うのが定番だけれど、実は展示されている昔の作品を見て驚いた。何?何?丸ヒゴではない!竹の節がついた平ヒゴで、竹節を波のように見せてリズム感のある逸品に仕上げている。作りは伝統的な、まさに千筋細工の形なので、もしかしたら昔は丸ヒゴだけではなかったのかも知れない。竹は、本当に知らない事ばかりだ。
虎竹は虎模様が表皮に現れる独特の竹で、虎竹の里の山々でしか成育しない不思議な竹でもある。工場に来られた方は、皆様沢山の竹材に驚かれるので、自分達では当たり前だと思っていた竹ばかりの工場が普通ではないのだと知った。それでも、近年は竹材の量が圧倒的に少なくなったので、もしかしたらあの当時に来られていたのなら腰をぬかしてしまうかも(笑)などと夢想する事もある。
しかし、少なくなったとは言えこれだけの竹材が、しかもこの地域でしか伐採されていない竹が、こうして工場の中で出番を待っているなんて考えたら日本中探してもないのだと思う。もっと大きくて、設備が整った工場など山ほどあるに違いないが、虎竹が立てられている場所はここだけ。それが少なくなくとも、文献が残っているだけでも江戸時代から脈々と続く伝統だ。
チェーンソーのオイルの香りが漂ってきた、今年も、そろそろ竹伐採が近づき、山仕事の準備がはじまりつつある。
この竹笠が出来あがるのは、別誂えで托鉢笠を編んでもらった時から決まっていたのかも知れない。竹細工を扱う本人でさえ、国産か輸入品か見分けられないほど普通に流通している竹籠や竹ザルも、手頃な価格で一般ユーザーの裾野を広げてくれる事もあるし、決して悪いワケではない。ただ、竹に対して世界一の審美眼を持つのは日本人だと思う、日本の皆様に竹を手にして頂くのが一番難しい。だからこそ、本物を忘れないでもらいたいと常々考えている。
柾の竹ヒゴを、緻密に網代編みした笠の裏側に補強に入れた、六ツ目編みの竹ヒゴとの対比はどうだ?ここにも、しっかりと柿渋が塗布されている。
笠で最初に傷むところは天部分だろう。自分もそうだが、笠を脱いで置く場合には必ず裏返すから天が床に当たってしまう。そうして長年使う内に、天の竹ヒゴに負荷がかかり折れて、穴が開いてしまう事も多い。しかし、初めからこうして籐でガッチリと留めて補強していれば心強い。
今回の国産竹笠には、何か所が特筆すべき点があるけれど、その一つが縁かがりである。復刻のためのサンプルにした、自分が持っている竹笠は、もちろん日本製だけれど縁は回した竹ヒゴを籐で留めている。しかし、新しく編み上がった竹笠は、何と竹ヒゴで編み込んであるのだ。
縁を編み込む技法は、別誂えで製作いただいた托鉢笠にも使われていた。随分前に復刻した流鏑馬笠、そして托鉢笠、竹網代笠の竹編み、伝統の技が細くてもいいので繋げていければいい。
五徳(ごとく)とは、笠を被る時に頭をのせる部分だ。笠は国産だけれど、五徳は輸入品という少し残念な製品を見かける事もある。ところが何とこの五徳まで匠の手作り、こだわりぬいている。
さて、それでは、この圧巻の竹笠がどのように編まれているのか?竹編みは数あれど、柾の竹ヒゴを使用し、これだけ独特な形状の網代編みをする竹細工は見当たらない。ご関心のあられる方は、是非YouTube動画でご覧ください。
先日、自分にはあまり似合わないお洒落なカフェに入って財布を取り出したら、「ああっ!あの竹ですね!」と店員さんが口を大きく開けて驚いてくれた。そこまでビックリしないだろうと思いながらも、嬉しい。一日ハッピーな気持ちで過ごす事ができた。そんな虎竹シリーズで一番人気は、やはり虎竹名刺入れだ。
そして、これが虎竹名刺入れの原版と呼んでいる加工前の部材である。精密に切断された虎竹を丁寧に生地に貼り付けてあり、これから革細工の工程に進んでいく。それにしても数十単位で作られたものを並べてみたのだけれど、すでにこの段階で美しい。
横から見ていただくと、竹ヒゴがカマボコ状になっていて、手触りが良い事がお分かりいただける。模様のように見えているボツボツは維管束と言う竹の繊維で、表皮に近いほど密になっていて強度が高い。つまり、虎竹名刺入れは使い手に優しく、竹本来の堅牢さを持っているという事だ。
竹は松竹梅の中にあって縁起がよく、何より神秘的な成長力から古来大事にされてきた素材。そして、虎は千里行って千里帰ると言うほどの勢いがあるたとえなので、バイタリティあふれる方にはピッタリだと思う。「世に生を得るは事を成すにあり」土佐高知の英雄、坂本龍馬のような事を話すあなたが持たないで、どうする。
エビラは、今年の土用干しシーズンも沢山の方にご愛顧いただいた竹編みのひとつだ。「エビラ」と検索するとゴジラと対決する怪獣が、まず出てきて、それほど一般的な製品でない事が分かる(笑)。実は城跡が好きで石垣ファンなのだが、四国の覇者とも言われる長宗我部元親の岡豊城跡には高知県立歴史民俗資料館があり、実はエビラはここに何枚も収蔵されている。
そんな事を思い出したのは、今月初めに地元の高知新聞で懐メロや民具で認知症予防という記事が掲載されていたからだ。こちらに写っているのは別の資料館が保管されているエビラだった。
まさに、資料館に収められているレアな竹細工という訳だが、何と竹虎では当時の大きなサイズだけでなく、都会に向けたハーフサイズまで製作している。
資料館に収められている籠は、年期が入っていい味を出しているから、年に一度は見学させていただくようにしている。何度も行っても、その都度新しい発見があり本当に楽しい。そして、そんな歴史のある竹細工が現代でも作り続ける事ができて、人様の役に立てている事が素晴らしいと思っている。
竹虎では「竹のある暮らし」を多くの方に共感いただいきたと思って、インスタグラムを活用させてもらっている。竹虎グラムとして開始してから、本当に沢山の皆様からご投稿いただく、竹を使ってこんなに楽しく、アイデアに満ちた活用方法をされている事に驚くと共に社員一同心から感謝しています。
そこで、今までも何度かレアな竹籠などが当たるキャンペーンも開催させていただき好評だったので、久しぶりに第四回竹虎インスタキャンペーンをスタートさせる事にした。今回の企画では、これからの季節に嬉しい竹製大根おろし(鬼おろし)と鬼おろし竹皿のセットが3名様に当たる。
竹の弁当箱や蒸篭など彩ある食材で目移りしてしまうが、このようなご投稿は綺麗でワクワクするというだけでなく、別の皆様がご購入時の参考になると思うので各商品ページにも対象商品に関連するインスタグラム投稿が表示されるようにしている。
梅干しざるも圧巻ではないだろうか。このようにご愛用いただくお客様の様子は、皆様だけでなく竹ざるやエビラを編む職人自身にも刺激になっていて有難い。
最近、少しづつ人気を取り戻しつつある虎竹花籠も、ご投稿から実際の使用感が伝わり、お部屋がどんな風に変わるのか分かりやすい。今回のインスタプレゼントの締め切りは11月20日まで、是非ともInstagramで「@taketora1894 #竹虎グラム」のキーワードで、ご投稿お待ちしています。
賞品の竹製鬼おろしがどんなものなのか?もし、ご存じない方がおられたら下に掲載しているYouTube動画をご覧ください。今まで味わった事のない、シャキシャキ触感に感激するかも知れません。
本日は、日頃あまり目立たないけれど地味な人気がある名脇役をご紹介したい。それは虎竹ランチョンマット、それぞれの椅子の前に一枚置いておくだけで、楽しい食卓が更に何倍も美味しく豊かな時間にしてくれる。
この虎竹ランチョンマットには、サイズが(大)(中)(小)と3サイズあって、お使い頂く方によってキッチンだけでなく様々な使い方ができそうだ。
このように、クルクルと巻いたこの形にすればコンパクトで、持ち運びにもかさばらないし便利だ。アウトドアでこのような竹のマットがあればテンションが上がる。
虎竹ランチョンマットというからには、どこかに特産の虎竹を使っているはずだとお思いの方、その通りです。両端と、途中のアクセントに入れている少し幅広の竹ヒゴに虎竹が使用されている。
細い丸竹ヒゴは渋い色合いに染めているので、運ばれてくる食事でも何でも、マットの上に置かれる主役を上手に引き立てる名脇役として地味な人気があるのだ。
サクランボ農家のお客様からお預かりしていた、収穫用の腰籠修理が完成した。この竹籠は国産ではないものの、真竹に似た竹材が使われているので普通なら白竹を使い手直しする所だが、さすがに竹虎らしく口部分にも、力竹にも虎斑竹が使われている。
これなら、日本全国どこで見かけても必ず竹虎で修理したの分かるのではないか(笑)。竹材の中でも割高になっている虎竹を、こうして贅沢に使用できるのは、素材が工場の中に潤沢にあって選別しながら加工できる竹虎しかないからだ。
完成したサクランボ籠と、修理前の籠を見比べていただきたい。このように口部分が外れてしまい、籐の代わりにPP(ポリプロピレン)で巻かれた口巻も完全にほどけた状態だった。
修理は当社に一任していただけているので、口部分を新しく製作すると共に、大切なサクランボの重さをしっかり籠で支えられるように力竹を二本通す事にした。これで腰籠への安心感、信頼性が全然違う、収穫に専念できるのではないかと思う。
それでは、籠で一番傷みやすい場所と自分がいつも言っている底の四隅はどうだろうか?大きな穴が開いていたりもした、これは現場で仕事していれば仕方ない、長く働いた証ともいえる。
この四隅には、しっかりと籐かがりで補強を入れた。国産の竹籠には、最初から負荷のかかる箇所にはこのようなあしらいをしているから、輸入の竹細工との耐久性の違いはこの辺りにある。
こうして修理が完成したサクランボ籠。紐を通せば腰籠として今まで以上にガンガンお使いになられても、ずっと長くご愛用いただけるのではないかと思う。
さて、実は竹虎に送られて来た修理の籠は3個だった。
「1個だけ修理して欲しい、あとの2個は処分してください。」
ところが、自分達はこんな頑張って来た竹籠を捨てられない。たとえ、国産でなくとも気持ちは変わらない。けれど、このように綺麗に修理できる事を知ってもらえれば、きっと残りの2個も同じように修理して下さいと、農家の方に言って頂けると信じていた。
そして後日、修理した籠をご覧になられて、農家さんは思っていた通りに後の2個の修理も依頼された。今度の2個は急がない、虎竹の里では竹林での仕事が少しづつ始まってくる。この籠達の出番は来年の6月だから、仕事の合間をみながら手直しする予定です。
この美しいライン、編み込み、色合いをご覧ください、念願の竹笠が完成して本当に嬉しく思っている。似たような笠は沢山輸入されているので、皆様もきっとご存知だろうし、もしかしたらお使いになられている方もいるかも知れない。しかし、姿形は同じように見えて、実は全く別物というくらい国産竹笠には竹職人の英知と技が編み込められている。
流れるような職人の手さばきが延々と続く、軽くてしなやかなのに、強い風にもビクともしない頼りがいを感じる強さは、この細やかな網代編みにある。この手仕事を知るだけで国産竹笠にかける情熱と時間の量がお分かりいただけるのではないだろうか。
他の竹の仕事場では見る事のない独特の治具が印象的だ。竹笠には、一閑張りの工房で見つけて、どうしても復刻したくて、竹虎ウェブサイトでもご紹介している流鏑馬笠や、自分が使いたくで製作してもらった托鉢笠など、網代編み笠の種類があるが、それぞれ決まった形に編み上げるための型がある。
竹ヒゴにも、言わなければ絶対に知られない秘密が隠されている。柿渋を塗布する前の素地の竹ひごなら分かりやすいが、普通の竹細工ではめったに使う事のない柾割の竹ヒゴなのだ。一本の竹ヒゴを注視していただくと、片側の色目が濃いのがお分かりになるだろうか?濃い部分は、竹素材で一番強い表皮に近い部分で、維管束とよばれる竹繊維が密集している所だ。柾の竹ヒゴを使う事により、笠は耐久性と軽さという機能性を高めている。自分が以前から愛用している竹笠は、もちろん国産だけれど柾の竹ヒゴではないので、竹節の部分が微妙に編み目に凹凸として出ているが、この新しく作った竹笠は見事にフラットになっている。
「高いっ!?」とお客様からお声を頂戴している。これは自分の責任で、価格の説明が全くお伝えできていない証拠だと反省した。日本のモノ作りは、皆様が想像するよりずっと空洞化が進んでいる。竹林から、細い一本の糸、いつ切れても不思議ではないような糸で、エンドユーザーである皆様のお手元に届ける竹細工は多い。
里山の竹でさえ、満身創痍の状態で日本全国あらゆる場所から竹の嘆きが聞こえてくる。どうして、この竹を見て異様さに気づかないのか?ここ数年いつも思っている。
それでも竹から離れられないのは自分だ。
誰でもない、自分が好きで被りたい。そして、同じように感じる方は日本に何人かはいるはずだ。国産の本物の竹網代笠を通して、そんな方と繋がりたい。
昨日の9月18日は世界竹機構の定めた「世界竹の日(World Bamboo Day)」だった。まだまだ暑い日が続いていて、8月の18日なの?9月なの?と言うほどの日差しだが、さすがに日暮れが近づくと風が変わる。コンクリートに覆われた都会と違うのは、きっとこの辺りで、川が流れ田畑の広がる田舎では、虫の鳴が聞こえる時間帯になると急に過ごしやすくなる。
母と一緒に散歩に出ると、皆さん同じ気持ちなのだろうか、誘われるように遠くの畦道に歩いている方が見える。交差点で出会った近所の方と話しをしながら、虎竹の古里である焼坂の山を望むと竹も心なしか涼しさに安堵しているようだ。
もう稲刈りを済ませた田んぼがある。その横で、稲穂がたわわに実っているのを見て、先日通りかかった真竹の竹林を思い出した。稲は頭を垂れて後は刈り取りを待つばかりだけれど、その向こうに元気なく倒れそうな竹がある、この竹林にはテングス病が広がっているようだ。何を隠そう竹はイネ科であり、今は収穫の秋の只中だ、同じ仲間に負けるな!ガンバレ!と声をかけた。
今日、9月18日は世界竹機構が制定した世界竹の日(World Bamboo Day)である。3年に1度開かれる世界竹会議 (World Bamboo Congress)には、50カ国の国と地域から竹の専門家が集っているから、本日は世界各地で様々な竹のイベントが開催されるのではないかと思う。
【竹虎LIVE配信】世界竹の日2020・World Bamboo Day!青竹踏み体操で世界を笑顔に!健康に!Bamboo exercise for good health!
海外から見たら、日本の大きな印象のひとつに竹があるのだが、当の国民は竹にあまり関心がない。むしろ外国の方が、竹の自然の素材そのものの美しさや、継続利用できる持続可能性を兼ね備えた素晴らしい資源だと気づいている事が多いようだ。
【竹虎】竹虎四代目が「日本の竹」への疑問にお答えします! 世界竹の日(World Bamboo Day)2021特別企画
世界には1300種の竹があり、海外では日本で考えられないような大きな建造物に使用されていて興味深い。割れないだろうか?虫の影響はないのだろうか?竹には悩まされてばかりなので、竹建築を見る機会があるたびに気にしているが今のところ、そのような事例には行き当っていない。
【竹虎】世界竹の日2022(World Bamboo Day)を記念して高知から山口宇部空港まで日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」で走ります!「チャレンジラン山口」
日本には日本の竹活用がある。資源的には言われるほど簡単ではないが、長い伝統文化が付加価値となるのだと思う。今年は、国産の竹串、竹皮、竹網代笠など孟宗竹や真竹を使った竹製品が少しづつ復刻できている。もうすぐ念願の国産竹割箸もご紹介できる予定だが、どれも里山の竹林から皆様のお手元まで繋がった、一歩の細い糸のようなものだ。切れないように、飛ばされないように、虎竹の里らか思う竹の日です。
竹虎で最高級竹炭と呼ぶのは、竹炭専用に改良した昔ながらの土窯で1000度近い温度で焼き上げていて、硬く銀色に輝き、叩くとキンキンと金属のような音がする。電気伝導率が高いのが特徴で、木炭精錬計で計測してみると針が振り切れるほどだ。
同じ孟宗竹を使った竹炭でも、普通の土窯で400度程度で焼き上げる竹炭は、比較的柔らかく窯から出したり袋詰めしたりの作業の間でも小さく割れてしまうので竹炭(バラ)と呼んでいる。電気伝導率は低く、木炭精錬計で測っても針の動きは鈍く、叩いても低くこもったような音がする。
真っ黒いはずの竹炭が「銀色」と聞いても、初めての方だとピンとこないと思う。ところが、飲料・炊飯用と違って少し長めにカットしてある、インテリアにも使える最高級竹炭などをご覧いただくと、少し色合いのイメージは変わるかも知れない。
竹炭をイメージして黒染した黒編み竹籠に入った竹炭(バラ)は、400度の低温で焼かれた竹炭だ。低温だから機能性が低いという訳ではない、アンモニアのようなアルカリ性物質の吸着に優れているのでトイレの消臭や、お年寄りの介護をされているお客様には、とても好評で喜ばれている。
さらに湿度調節にも、この低温で焼いた柔らかい竹炭が力を発揮する。知られざるスグレモノ竹炭の使い方は動画でもご紹介しているので是非ご覧ください。
そして、色づきの良くない虎竹を焼き上げた飾り竹炭は、インテリアにもなるように丸竹そのまま窯に入れている。実は一度に大量に焼く事はでぎす、一定量を何度にも分散させているので数カ月もかかる場合がある。
まず、竹炭を初めて見る皆様も、音の違いを聞いてもらって里山に沢山生えている孟宗竹を活用した竹炭を、少しでもご理解いただけたらと思っています。
早いもので、今年もやってくるのが9月18日の世界竹の日(World Bamboo Day)だ 。世界竹の日は、50ヵ国の国と地域が集う世界竹会議(World Bamboo Congress)にて宣言されたもので、この日に合わせて国内外で色々な竹に関するイベントが開催されている。
昨年は、ちょうど山口宇部空港での竹トラッカー展示があったので、それに合わせてチャレジラン山口を敢行した。しかし、あれから1年だろうか?恐ろしく早い!
今年は何も準備をしていなかったので、せめて記念の送料無料セールを本日正午から開催する事にした。おまけの竹箸は、竹虎からの人と人への、世界への箸渡しという事で特別にプレゼントさせていただきます。
9月18日は世界竹の日(World Bamboo Day)!送料無料の世界竹の日セール!
この蜘蛛の巣のようなモノは一体何だろうか?ほとんどの方が初めてご覧になると思うが、実はこれは国産竹網代笠製作のため専用に用意した治具と呼ばれる木製の型だ。
上からみると円形にしか思えない型は、横から見ると三角の傘のような形になっている。この型に沿って細い竹ヒゴで編み込んで行くと、なだらかなラインも美しい竹笠が出来あがるという寸法だ。
静かな工房で坦々と一編一編進んでいく網代の手仕事。既にこの時点で逸品の予感が漂っている。
厳選した良質の真竹を10月から年末にかけてのみ伐採する。9メートルもの長さの竹を切って、割って、機械も使いながら柾の竹ヒゴにしていく。
柾の竹ヒゴは、竹の一番強度のある表皮近くから内側の部分までが一本のヒゴになる。竹ヒゴの片方、色の濃ゆく見える部分が維管束(いかんそく)という繊維の密度が濃い表皮近くになる。
かなり形が出来あがってきて、ワクワクする。
今回、このような竹網代笠を国産で復刻したいと考えたのにも、国産の竹串、竹割箸に共通する危機感がある。これが本当の竹笠だと、皆様にご覧いただきたい一心なのだ。
先日、修理のためにお預かりした竹の買い物籠は、スズ竹市場籠に良く似ているものの、材質的には少し劣ってしまう海外製造のものだ。しかし、いくら国産竹籠ではないと言っても、お客様が大切に使われて来た買い物籠だと言うのが伝わってくるので、出来るだけの事はしたいと思う。
竹の買い物籠の場合、傷んでしまう所は概ね決まっている。まず一番多いのが、やはり床面に常に当たる底の四隅の角部分で、通常は力竹を重ねたり、籐かがりで補強したりしている。そして、もう一つが持ち手と本体のジョイント部分、後は口巻などだ。今回の市場籠も、底の竹ヒゴは折れて穴があき、いつも手にする持ち手の籐巻や紐が外れてしまっていた。
お買い物時のスーパーでレジ袋有料化以来、マイバッグを持つ方も増えてきて、多くはないものの竹の手提げ籠をエコバッグとしてご愛用頂く方も見かける。自分も常時、車には2~3個の手提げ籠バッグを載せていて、その都度の用途にあわせて使い分けている。こうして手直ししながら、長く長く竹を使っていただければ、心から嬉しいと思っています。
「どうぞ、ご覧ください」、いつだったか古老の職人さんの工房にお伺いした時に、自宅の網代天井を拝見させてもらった事がある。見た瞬間に大きな声を上げてしうまほど驚いた、立派な網代編みが壁面と天井に張り付けられていた。隅には縄目も美しい煤竹があしらわれ、若い頃から竹職人としてやって来られた自信と誇りを感じた。
網代編みには種類があって、入ってすぐの所には升網代、奥には波網代、壮観である。実は、まったく同じように住まいの天井を竹で飾っている方に会った事があるが、どちらの方も昔ながらの竹人で竹を愛していた。
今ではあまり見かけないけれど、当時はこのように室内装飾に竹材を多用される方は多かったと思う。丸い竹を展開して、一枚の板状に加工をする会社があり、この技術で作られた壁材は自分の実家に残されている。竹を板状に伸ばすと、現代の竹集成材とは又違った形で竹節の模様が大きく入っていた。
一枚一枚異なった自然の形に面白い、のし竹盛り皿という製品もある。竹を完全に平らにしてしまったものではなく、元々の丸い形に戻ろうとする竹の力が微妙に働いて面白い凹凸の曲線ができる。
思えば、この磨きの竹手提げ籠は随分のユニークなデザインとなっている。底になるに従ってシェイプされた本体編みは、高度な技術が必要となるから、美しいラインは熟練職人の証でもある。特に他の買い物籠に見られない一番の特徴は、厚めに取った竹ヒゴをねじり込んで持ち手にしている所だ。
更に、この持ち手を真鍮リベット留めだから、このような細工が他に全くないわけではないけれど、かなり珍しい。
だから、どうしてこのような竹籠を創ったのか?実は、少し不思議に思っていた。ところが、何とこれには、見本の竹籠がある事を知る。
元になった竹籠は50年も前の腕の良い竹職人作、名前までは分からない。しかし、すっかり赤茶けた色合いに経年変色した渋い風合い、落ち着いたリベットの竹籠に魅せられた若手職人かいるのだ。
復刻するにあたって力竹は更に力強く、若手らしく進化させている。
よくよく見ていないと、恐らく見過ごしてしまいそうだけれど籠本体上部付近に、薄い色合いのラインが二本入っているのがお分かり頂けるだろうか?
この竹籠は「磨き細工」と言って、竹の一番丈夫な竹表皮にできるだけ近い部分を使用すべく、表皮を薄く薄く剥いだ竹ヒゴが使われている。そこに、竹表皮の付いた竹ヒゴをあえて入れる事により、経年変色の違いからラインのように見えるデザインになっているのだ。
ここまで丁寧に復刻するとは物凄い惚れ込みようだが、竹籠の二本線は新しい間は言われないと気づかない。クッキリと見えるようになるまで、じっくり楽しみながらお使いいただきたい手提げ籠だ。
今までも夏の30年ブログには何度か登場した竹帽子がある。その当時、日曜日には毎週満員だったという田舎の映画館に、この竹帽子を被っていくのが楽しみだった父の背中を追って竹細工をする職人がいた。父と同じように竹帽子を編んで使っているのを見て自分も欲しくなった。
ところが、当時自分が使用していた布製の帽子のサイズを見本にしているものの、竹編みは案外しっかりしていて頭に被ると当たり所によっては結構痛い。やはり、布や麦わらのようなソフトな素材とは違うから難しかった。少し手直し、また手直ししているうちに9個も帽子が出来あがった。
現在手元にある物を、ズラリと並べて壁に掛けているが、こんなインテリアは他にないと物凄く気に入っている。そして、その中からフィットするものを選んで愛用しているのだ。年季が入って色合いも年々良くなっていく、ちょっと贅沢な気分だ。
竹のある里山の景色は本当に心が和む。窓を開け放した部屋に腰を下ろしていると、遠くに牛の鳴き声が聞こえてくる、フワ~ッと田んぼを渡ってくる風は、真夏と言うのに何とも心地よい。このお宅にはクーラーがないと言われているのも納得する。自分はエアコンの冷え過ぎる部屋は苦手だ、暑い季節でも日陰にいれば結構涼しい、この辺りの暮らしは素晴らしい。向こうの竹葉が揺れている、又いい風が入ってきた。
竹は人の暮らしと共にあった。今では放置されてしまって迷惑な存在に思われている竹林も、当時はわざわざ先人が植えて増やしたものなのだ。曲がりくねった細い山道を、奥へ奥へと登って行った先、明るく開けた場所に人の気配など微塵もないけれど、「ひいじいさんが、ここに鶏小屋をこしらえて沢山飼っていた」車を運転してくれた山の職人がつぶやいた。今ではこの孟宗竹が昔の生活を忍ばせてくれる。
忘れられた竹林もあれば、役立ち続けている竹林もある。森林面積のわずか0.6%しかない竹を悪者扱いする前に、元々は自分達の生活に活かすために植えたものであり、感謝してもしきれないほど竹の恩恵を受けてきた事を忘れてはいけない。今日も人と共存している竹は「竹」+「二人」=笑っている。
車に載せておいたり、そばに置いて置いてサッと持って行けるカジュアルさから、自分が一番多用している真竹三角革持ち手買い物かごは、革持ち手の形が少し変わる予定だ。
幅広の現行タイプも持ちやすいし、全く問題はないのだが革の持ち手部分を握ると若干折れ曲がったようになる。だから、手の当たる革ベルトは細くしておいたほうが良いのではないか?
そんな、ちょっとした工夫から新たらしくなった手提げ籠、自分のようなおじさんにも是非使ってもらいたい。
ちなみに、この手提げ籠の原型は、生け花の先生に職人が頼まれて編んだ花籠だ。オトシを入れて花器としたそうだけれど、斜めにかかった持ち手があるし、かなり格好良かったのではないかと思う。
サクランボの収穫に使われていると言う腰籠が三個届いた。一目見て国産で無い事が分かる、触ってみても竹質が弱いから、しっかり編まれていても壊れやすいと思う。口巻に使っているのは籐でなくPP(ポリプロピレン)だ、扱いやすいので輸入の籠の口巻には多用されているようだ。
縁部分の竹が完全に外れてしまっている。本体編みの竹ヒゴを挟んでいるだけなので、中に入れるものによっては耐久性は低いかも知れない。
四角い籠は特に底の角が傷みやすい、この籠にも角に大きな穴が開いてた。このようにならないために、国産の竹籠の場合は、角部分を籐でかがったり、力竹を重ねて補強している。
底に貼られたガムテープも痛々しいけれど、少しでも長く竹籠を長持ちさせたいと言う使い手の気持ちは伝わってくる。
こうして使い込まれた竹籠を見ていると、輸入だからダメと言えるだろうか?いくらだろうか?
「そんなん、どうでもいい」
籠を見た瞬間に、職人の目がそう言っている。
こんな時、つくづく自分達はお金ではないなと思う。どこで作られた籠でもいい、現場で長く働いた竹だ、何とか竹虎らしく、出来るだけ手直ししたい。また綺麗に修理が完成したら、皆様にご覧いただきます。
最近、真竹を磨いた衣装籠ばかりが登場して少し面白くない、そんな訳でもないのですが久しぶりに登場したのが虎竹菱四ツ目衣装籠。奥の真竹磨き衣装籠と比べると、若干小振りだったりの違いはあるものの同じ編み方で用途も同じ、並んでいると見た目の色合いの違いが際立って、なかなかの迫力だと改めて思っている。
衣装籠というネーミングにしているが、もちろんお客様によっては色々な使い方をして頂く竹籠。このようなサイズ感のある実用的な生活シーンでは、竹の軽さ、しなやかさ、手触りの良さなど竹の魅力が十二分に発揮される。お好みの方をお選びいただいて、うるおいある毎日にお役立ていただきたいです。
真竹磨き衣装籠の作り方動画は、1週間足らずで4000回を超える再生回数で職人も喜んでいる。虎竹こそ、自分達が100年を超えて守り続けて行く竹だ、こちらの職人の仕事も是非動画でご覧いただきたい。
30年ブログをご購読いただく皆様でしたら、青竹踏みは当然のようにご存知の方が多いと思う。ところが、ちょうど先日終わったばかりのインターンシップに来られるような若い大学生では、知らない方の方が断然多い。実は、知っているのが当たり前と思っていた青竹踏みを、ほとんどの学生さんが知らなかった事にショックを受けて、青竹踏みの製造と販売に力を入れてきた経緯がある。
しかし、この青竹踏みというのがかなり大変な製品なのだ。こう聞くと、「ええ?どうして何が大変なの?竹を半分に割っているだけなのに」と言われるのが普通かも知れない。
いやいや、ところがどっこいだ。単に竹を半分に割ると言っても、青い竹は生きているから乾燥させてはいても、縮んだり、伸びたり、歪んだりするから一度加工した青竹踏みでも、お客様のお手元に届ける際には改めての検品が欠かせない。そこで歪みだけでなく、カビなども見つかるので工場で手直しが日常的なのだ。
竹の節は均等の間隔にあるわけではなく、元は間隔が狭くて、ウラ(先端)は長くなっている。それでも青竹踏みの強度を考えて、節を必ず2つ入れているのも材料の選別が厳しくなる。単に半分割っただけの製品ではない、その事を皆様には是非知っておいてもらいたいです。
今日もインターンシップ2023の続編だ。今回はいつもの大学生と違って、県外から参加された中学の方がいた。しかし、ただの中学生ではなく、何とこの若さでに日本中のスーパー竹とんぼのお歴々が知らない人がいないという期待の星だと言う。確かに、竹を見る目が普通ではない、竹に関する知識も並外れに凄かった。
ただ、彼の本領が発揮されたのは店舗生命が終わり、スペインや東京で開催されたレッドブルの坂道レースに参加したREIWA-125号に乗って一息ついた後だった。
実は、孟宗竹や真竹を使ってスーパー竹とんぼを製作し、コンテストに参加する彼だが、前々から虎竹で竹とんぼを作ってみたかったと言うのだ。どんな形であれ、虎竹が役立つことは本当に嬉しい。そこで自由に選んでもらうと目の色を変えて選んでくれる、こういうのも嬉しい。
インターンシップの大学生は、虎竹花籠研修で自分だけの逸品を完成させた。記念のトロフィーとして、大切にしてください。
夏のインターンシップがはじまった。今回は、地元大学生2名と県外から親子で参加された合計4名様でスタートした。学生さんのインターンシップは、在学中に自分が進みたい進路や希望する職種を体験するためのものと、自身の就職する仕事とは全く異なる世界を体感するための二種類があると思う。竹虎のインターンシップは多くの場合、後者だ。
地元の人さえ特産の虎竹の事を知るようになったのは、そんなに昔ではないように思う。そもそも市場が県外にあったからなのだが、若い方なら尚更竹の事は全く未知との遭遇ではないだろうか。
本店、本社工場、竹林見学と例年どおりのスケジュールではあるが、今回は特に店舗にある竹細工や竹製品の説明に時間を割いた。
竹虎本店に隣接する本社工場で竹材の原材料や加工する様子をご覧いただく。
ちょうどタイミング良くお一人様の茶碗籠などが出来ていた。「竹は世につれ、人につれ」とお話しさせていただく、茶碗籠や脱衣籠など家族で使う竹細工は、家族当たりの人数が少なくなるに従い少しづつ小さくなってきた。大家族だった時代には考えられないような、小振りの竹籠が今では主流となっている。
会社説明の最後には、日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」試乗がある。虎竹ヤタラ編みシートの座り心地はいかがだったろうか?かなり独特なので、忘れられないのではないかと勝手に想像している。