倉庫に仕舞われていた網代編みの竹ざるは大迫力だ。普通に生活していたら、まず目にする事のない大きさで、直径が一つは3尺(約90センチ)、もう一つは4尺(約120センチ)もあるから凄い。こんな平らな竹ざるが何に使われていたのかと言うと、実は味噌作りだ。蒸した麦を冷ますのに、この大きな竹ざるを使う、そして冷ましてから麹菌と混ぜるのだが、薄い竹ヒゴを網代編みした細かい編み目にその家独特の菌が生きているから、同じ地域でも各家庭それぞれに風味の違う味噌が出来ていた。
それにしても、この大きさには自分でも面食らってしまう。前に、宮崎県の寿司バラと言う竹笊を最後の職人さんから頂いたお話しをした事がある。寿司飯を竹編みのザルで作るなんて、味噌作り同様に馴染がないと少し意外に感じてしまうが、この寿司バラも結構な人数分を作る事ができるサイズであるものの、内側は1.3尺(約40センチ)しかない。
つまり、3尺(約90センチ)、4尺(約120センチ)サイズの竹ざるがいかに大きいかお分かり頂けるかと思う。竹虎では定番としている2尺(約60センチ)だって、沢山の梅干や野菜を干すのには都合がよいけれど、都会に暮らす方の中には、もしかしたら置き場所に困っている方もおられるかも知れないなどと想像する(笑)。このビッグサイズの竹ざるが、どうやって使われてきたのか?近いうちに皆様にご紹介したいと思っています。
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