昔からずっと、吉野川流域の真竹を使って生産されてきた国産竹皮が、職人さんの高齢化と共に生産できなくなり、お客様には長い間ご迷惑をおかけしていた。竹皮草履用に竹皮を拾い集めている職人さんの苦労を知っているのだが、包材用としての竹皮集めや加工も本当に大変だ。
「雨後の筍」という言葉通りに、筍は水分があるとグングンと成長する。そして、1日に1メートル以上も伸びるという、驚異的な生命力を発揮する中で、竹皮を脱ぎ落としていくのだ。ところが、真竹の成長時期は梅雨の湿気の多い時に重なるため、竹林に落ちた竹皮をそのままにしていると腐りやすい。だから、毎日のように竹林に入り、前日に落ちた竹皮を拾い集めて回っている。
自然の筍は大きさはそれぞれ違うから、当然その筍を包んでいる竹皮のサイズは一枚一枚異なっている。国産竹皮の生産が多かった時代には、専門の職人がいて神業のような速さで竹皮を大きさ別に選り分けていた。
ところが、今では選り分けるほどに大量な量が流通する事はない。業務用などには、とても出来ないが、安心して竹皮をお使いされたいご家庭のお母様方に少しづつご提供させてもらう事はできる。だから、サイズは細かく選別することなく、50センチ前後のサイズと40センチ前後のサイズの2種類だけとしている。
幅は16センチから22センチまでと、かなり差があるけれど、これも天然の国産竹皮を皆様のお手元に安価にお届けするためにはご承諾いただきたいと思っています。それでも、竹皮は毎年筍が生えるので、国内の多くの竹林で全く活用される事なく朽ちている、それを少しでも皆様のお役に立てられると嬉しいのです。
おっと、この白っぽい竹皮は虎竹の里の淡竹(虎竹)のもの。真竹と淡竹は太さも見た目も似ているものの、竹皮だけはこのように全く違っているのだ。
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