国産竹楊枝について今日は少しお話をしてみたいと思う。爪楊枝なんて小さなモノどうだっていいよ...まあ、そう言わないでいただきたい、「一寸の虫にも五分の魂」である。日本の竹を使って日本の職人が日本で製作した竹楊枝が三種類、自分の手の平に並んでいる、上から最近試作した国産竹楊枝、次が自分が愛用している昔に製造されていて現在残り少なくなってしまった国産竹楊枝、一番下はこれも製造中止となった竹皮付の国産楊枝である。
実は先日、無印良品が竹資源に着目して様々な商品開発をされているという事を動画にもさせてもらった。大量生産するには豊富な竹材が必要なので必然的に中国などでの製造になるのだが、そのラインナップの中にも竹楊枝があった。驚くのはその価格、何と180本入りで99円(税込)だ。
そんな安価で、そこそこの品質の竹楊枝が日本中で手に入る時代に、なぜ今さら日本で竹楊枝を製造する意味があるのか?いい質問だ、答えは「自分が使いたいから」に他ならない。
この細さの竹楊枝は、繊細で使った事のない方なら少し頼りなく感じてしまうかも知れない。ところが、竹素材で一番強い竹皮を残してあるから、これだけ細くとも、しなりがあり何回か使えてしまう程丈夫で全く折れない。そうなると、この細さは狭い歯茎に使うのに最高の逸品となるのだ。
今回復活できないかと考えているのは、この竹皮付の楊枝ではなく自分が愛用している画像右端に写っている丸竹タイプの楊枝である。真ん中の試作と見比べてみてほしい、試作楊枝もそれなりの完成度で単品でご覧になれば問題無くお求めいただけるかも知れない。しかし、実際に使ってみると雲泥の差がある事にすぐに気がつく、楊枝の命である先端の鋭さが違うのだ。そして、竹楊枝の先端の「先付け」こそ製造の壁となって思うような出来になっていない。これを乗り越えられたら、先端がすぐにつぶれてしまう弱い木製楊枝など手に取る気など無くなってしまうような、鋭利で強い国産竹楊枝が帰ってくる。
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