牧野富太郎博士とナリヒラダケ

業平竹、ダイミョウチク


遠くにナリヒラダケ(業平竹)の竹林が見える、今時ならスラリと伸びた筍が見られるのではないかと思い行ってみた。この竹は関東から西に広く成育しているが、同じナリヒラダケでも地域によって微妙に異なる5種ほどがある。しかし、いずれも節間がスラリと長くスマートで観賞用に好まれるのが分かる竹だ。


ナリヒラダケ、業平竹


思った通り、ちょうど筍があちらこちらから伸びはじめている所だった。この竹には、別名ダイミョウチクという名前もあって、昔は大名しか食する事ができないくらいだったと教えていただいた事がある。アルミホイルに包んで焼いて出してもらった筍はホクホクして美味しくて、さすが大名だと納得した。


ナリヒラダケ、業平竹


ナリヒラダケ、業平竹


顔を出し始めたばかりの筍もあれば、スラリと高くなっている竹もある。あまり太さのある竹ではないが、この節間の長さが伸びやかな印象として見ていても気持ちがいい。


ナリヒラダケ、業平竹


前にも書いた事があるけれど、命名は何と虎竹と同じく只今NHK朝ドラ「らんまん」で全国の皆様に名前を知っていただいた牧野富太郎博士だ。名前を付けるに当たり、全体の姿形の端麗さは男性的だけれど節に女性的な優しを感じるとして万葉歌人の在原業平(ありわらのなりひら)がその由来となったそうだ。このような名前は、植物の精だと自ら言った博士にしか付けられない。





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