今の季節に竹林を注意深く見ると、このように竹葉のない、まるで釣り竿でも立てているかのようになっているのに気がつく。これは、筍から伸びて竹になっいるのは真竹だ。三大有用竹と呼ばれる竹の中では、まず孟宗竹が一番先に筍が出て、それから淡竹、真竹は一番最後に生える。
真竹の若竹は青々とした色合いが特別美しいので見惚れてしまうほどだ。そして、竹皮に特徴があって孟宗竹と同じくお馴染みの模様がついている。かつて竹皮はお肉を包んだり、オニギリを包んで竹皮弁当にしたりしてきたので見慣れている方は多いと思う。
この竹皮を脱ぎ落としながら真竹はドンドンと伸びていき雨の多い梅雨時なら一日に1メートルも成長する事がある。だから今時の竹林は数日で景色が変わってしまう。
真竹は節間が長いのも特徴のひとつ、粘りとしなりがあり竹籠や竹ざるに適した素材。青竹細工としても、あるいは晒して白竹としても、竹製品には一番多く使われる竹材でもある。
それにしても不思議なのは竹皮の模様だ、孟宗竹や真竹の竹皮には虎のような模様があるけれど、その下から現れる竹表皮に模様がなく、反対に竹皮には何の模様もない淡竹の仲間の虎竹には、親竹になったら虎模様が浮かび上がって来る。自然の神秘としか言いようがない。
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