竹の種類と言っても、多くの方は竹を見分ける必要もないし、竹と言えばテレビや雑誌などで見かける大きな孟宗竹などを指して漠然と思っているのではないかと思う。しかし、実際には竹の種類は日本国内だけでも600種類もあって、それぞれの特性があり、その性質を活かした使われ方をしてきている。中でも日本三大有用竹と言って、孟宗竹、真竹、淡竹の三種類は全国各地に生えていて、特に多くの利用方法があるのだ。
日本唯一の虎竹は淡竹の仲間なのだが、ご存知のように独特の虎模様の美しさが珍重され様々な竹製品、竹細工はもちろん、室内装飾や庭園用の竹垣などにも多用されてきた。ところが、ちょっと面白い話をしたいと思うけれど、虎竹は独特の竹肌をしているのに竹皮はご覧のように全く模様が入っていない。
竹皮と言えば、抗菌性がある事から身近な食材を包むのに使われているので、覚えておられる方は少なくないと思う。なので、この無地の竹皮を見て「あれ?竹皮には模様が入ってるのでは?」と不思議に感じられるのではないだろうか。その通りで、一般的に使われる竹皮(ほとんどが輸入になってしまったが)は孟宗竹か真竹の竹皮だから模様があるのが普通である。
竹虎の竹皮草履も、多くは模様が入っている孟宗竹を素材に使っている。ただし、よく注意して頂くと鼻緒の付いている前ツボ部分には模様の付いていない竹皮を使用している。編み初めの前ツボ部分には柔らかい淡竹の竹皮が適しているからだ、竹皮草履をご愛用の皆様は足元を見てご確認ください(笑)。
コメントする