こちらのお客様から以前お送り頂いた画像をご覧いただきたい。このように土用干しも上級者になると圧巻だ、丸ざるの大小や葦スダレまで使って大量に干されている。一体、今年はどんな様子が届くのだろうか?毎年季節になると、お客様からの梅便りを社員一同が楽しみにしている。
伝統的にエビラ籠の網代編みの竹材には孟宗竹を使っている。エビラは養蚕が盛んな頃に蚕棚として何百枚、何千枚と作られていたものなので、孟宗竹なら身近にあるし、厚みのある身部分は何枚にも竹ヒゴが取れるという事でエビラの素材として定着したのだ。
竹ヒゴが桃色に染まる頃、土用干しされた梅干しは色合いも綺麗に、そして美味しく出来あがる。
忘れてはいけないのが野菜干しでの活用だ。田舎では当たり前のように作っている干し野菜も、近年の食品ロスなどで大いに注目されているので良い傾向だと思う。野菜を干せば、長く保存もできるようになるし、美味しいく栄養価も高まるので良い事づくめである。
今どきの孟宗竹の竹林に入ると、この前まで筍だったものが既に20メートルを超える高さに成長していて、つくづく竹の驚異的なパワーを感じずにおられない。
サイズに切断した孟宗竹を割ってヒゴ取りをしていく。
乾燥しているように見えても、長雨が続くとやはり水分が湿気を呼ぶのだろうかカビの原因となるので竹の扱いは本当に大変だ。
竹質の低下はここ十数年のことなのだが、孟宗竹を割ってヒゴにしてみると今まであまり気にならなかったシミが随分と多い。虎竹(ハチク)の色づき少なさ、真竹のテング巣病による害虫への抵抗力の低下に続いて、孟宗竹も温暖化による竹質の変化が顕著になってきているのを感じている。
コメントする