竹の仕事をしているので、この季節は筍を頂いて食する事が多いが、やはり京都の筍は一味違う。今年も有難いことに京都から美味しい筍が届いたので、早々に山岸家定番の筍と豚肉の煮物にしてもらった。以前は大きな鍋で作って一週間こればかりと言う事もあって、最後に煮詰まったところで卵とじにして丼にするのが常だった。
さて、同じように春の味覚として親しまれているイタドリはご存じだろうか?漢字では「虎杖」と書くけれど、季節に山里を歩けば土手や道端など何処にでも生えている山菜だ。子供の頃は野山で遊びまわっていた、喉が乾けばイタドリの皮をむいてそのまま食していたのが懐かしい。しかし、これが炒め物や煮物にすると格別なのだ。実は高知県でしか食されておらず誰も食べ物とは知らないので、春先の県外で竹林に入ると職人とこの話題になり大笑いする。
地元ではスーパーにも直販市にも並んでいるし、美味しさを知っている人が取ってしまい一本も生えていない。だから休みの日など、県外まで遠征するお母さん方もいる程なのだ。以前、徳島県の山奥で高知ナンバーの車だからか声をかけられた「イタドリ取に来たん?向こうにようけあるよ」。いやいや竹にしか用はないのでと思ったけれど、虎杖と虎竹は一文字違いだと、その時気づいた(笑)。
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