わらいずみをご存知だろうか?飯櫃入れ(めしびついれ)や飯つぐらと呼ばれる事もあるが、藁で編まれたお櫃の保温容器の事だ。現代では保温ジャーなどは何処にでもあるので、このような道具は民俗資料館のような所で見かける他は、お鮨屋さんくらいである。
高知のような田舎でも、若い世代だと藁と言えばカツオのタタキを焼き上げるのに使われている事くらいしか思い浮かばないかも知れない。ところが、自分の世代では「藁ぼっち」が昔から身近にあって、藁を保管しながら使っていたのだ。
藁は竹職人だと竹皮草履を編む時の縄や鼻緒の部分に使う、箕の持ち手にも使っていて実は用途は多々あった。ちなみに少し意外かも知れないけれど竹はイネ科、藁とは親戚のような関係で、やはり両方とも同じように衣食住様々な所で活躍する日本ではなくてはならない素材だったと言う事だ。
そんな藁をつかって分厚く編み込まれた飯つぐらだからこそ温もりを逃がさない。小さな別注品でも作りは全く変わらず手にするとズシリとくる質感が確かな品質を感じさせてくれる。
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