「地震の時は竹林に逃げろ」そう教わった世代だ。竹は強靭な地下茎を張り巡らせていて、まさに天然の鉄筋コンクリートのように土壌をしっかり固めていたのである。ところが、管理されていない竹林は竹が生えすぎで密度が濃くなり、元々深くない竹根が更に浅く伸びていくようになる。久しぶりに入った真竹の竹林では、風で竹根が浮き上がり倒れていた。
このような事はそう多くない、と言いたいところだが台風の通り道になる西日本のでは各地でこのような竹林の姿が見られるようになっている。
このような竹林は抵抗力が弱まり、テングス病が蔓延している。おおよそ、自分の訪ねた真竹の竹林では見かけない場所がないという程の広がりを見せている。これなら竹の品質そのものが低下するのも仕方ない、
伐採して並べられた竹ばかり見ていたら、このような竹が竹林に揃って生えているかのように思われる方がいるかも知れない。ところが、太さも曲がりもそれぞれ一ほんづつ違って性質まで異なるから、竹は大変と言うべきか面白いと言うべきかだ。
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