矢竹の花籠

矢竹花器


対馬の万能籠「タカゲ」と矢竹のお話しをさせて頂いた。日本にはが600種もあって、地域により竹の呼び名が微妙に異なることは多い、虎竹でさえ「コハンチク」と呼ぶ職人さんもいて「トラタケ」という名称に統一したのは自分たちの世代になってからなのだ。まあ、竹の名前はさておき、それでも矢竹の編組細工はやはり珍しい。


矢竹花籠


新鮮組の土方歳三が庭に植えた矢竹が有名で良く知られているように、元々は戦時の矢に使われる竹材だ。それだけに稈が真っ直ぐで節が低く節間は長い、そして更に強い。実は竹細工にも最適な素材と言える。


矢竹の花籠


そこで、その昔はこのような花籃も編まれていた。細い矢竹で取る竹ヒゴはゆるやかなアールがついて篠竹やスズ竹、根曲竹に通じる独特の趣がある。


矢竹花活け


細い矢竹を底の四隅に通したあしらい、細いカズラと組み合わせた巧みな作りは今では見られない熟練の技だ。竹材の豊富さ、多彩なテクニック、竹の世界は先人に学ぶことばかりだと思う。


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