箕は実用的な生活道具としての他に、言い伝えや風習に関わるものがあるが、商売繁盛や福を集める福箕としての縁起物でもあるために色々なデザインに取り入れられている。たとえば、この虎竹箕である。えらく粗い編み目だと感じる方もおられるかも知れない。
実は、これは虎竹箕の形をした色紙掛けである。最近では色紙を飾る事も少ないので「色紙掛け」と言ってもピンと来られない方がいるだろうか。この竹の小枝で色紙を留めて飾るようにできている。
さて、このような色紙掛けのような飾りなら粗い編み目も納得でるのだが、この四ツ目編の箕はどうだ。
高知で昔から編まれてきた伝統の土佐箕は、網代編みでしっかりと目が詰まり、穀物でも何でも落とさないように作られている。
では、このような四ツ目編の箕は何使うのかと言うと実は炭の選別に使われてきた。編み目が大きいので、細かい炭や不要なものを選り分ける事ができるのだ。
炭は燃料として長く人々の暮らしを支えてきた生活必需品なので、対馬で「エビトヨブ」と呼ばれる箕も当時は大活躍していたに違いないのである。
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