長谷川等伯の松林図は離れて観たい。日中はお客様が多くて、とてもゆっくり出来ないので閉館間際の短い時間を待つしかないが、その価値は十分にある。本当に墨の濃淡でこれだけの世界が描きだせるのだろうか?この松の林の中に迷い込みたい気持ちにもなる。
ずっと前から本物が観たかった、近づいてみると墨の微妙な濃さと多彩さに驚く。
屏風絵だから座敷に座ってみると思えば、又違う迫力がある。
さて、そこでこの画がどうやって描かれたのかだが、諸説あると思うけれど持論はもちろん竹筆だ。使った後の竹筆をそのまま乾かしておくと、このように硬く毛羽立ち固まる。
「松竹梅」は古来、松も竹も縁起の良い植物とされてきた。だからと言う事でもないのだが躍動感ある松葉を描くのに竹ほど相性の良い筆はないのではないかと思っている。
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