代官山蔦屋書店は敷地内にお洒落な建物が立ち並んだワクワクするような場所になっているが、奥に進んだT-SITE GARDEN GALLERYで新春3日から開催される「にっぽんの暮らし展 2023」温故知新-日々のうつわと道具-で展示販売させてもらう竹籠達が概ね出揃った。前回にもお話ししたかと思うけれど、試作やワケ有の籠で手元に残っているものが沢山あるので、今回は久しぶりのリアル出展でもあるからウェブサイトの定価から考えれば驚かれるような思い切ったお値段にしている。
現品限りのものが多いのでご注意いただきたいが、竹籠や竹ザルは長く使ってこそ経年変色が楽しめて風合いも愛着も増してくるものだ。編まれたばかりの青々とした籠ではないものの、どれも正真正銘の新品なので何卒よろしくお願いいたします。
近年、淡竹は開花時期で、真竹は管理不足から来るテング巣病の蔓延で全国的に竹材の品質が低下している。竹の伐り子不足がそれに拍車をかけていて、今までならあまり考えられないような竹割れや弱さを感じる事がある。今回の御用籠にしてもUの字に曲げる力竹の表皮が剥げてしまっているが強度に問題がなければそのままお分けする事にしている。言われないとお気づきにならない方も多いけれど、他の籠も似たような状態でこれが日本の竹細工の一面を象徴的に表している。
白竹麻の葉脱衣籠と白竹八ツ目バスケット、共に元々は真竹を晒した真っ白な竹肌だったものが長く愛用するうちに美しく渋い飴色に変わり、そして風合いが増して手放せなくなった竹籠たちだ。しかし、このような溜息が出るようにな竹細工も竹林の健康な竹があってこそなのだ。
椎茸を干したり、大根を干したり自分たちの地域では今でも竹が普通に暮らしの中で生きている。
生活の道具として愛されてきた竹ざるや竹籠、素朴だけれど昔から使われ続けてきた竹たちに是非出会って頂きたい。
【にっぽんの暮らし展 2023】温故知新-日々のうつわと道具は、代官山T-SITE GARDEN GALLERYにて2023年1月3日(火)~2023年1月11日(水)まで。もちろん虎竹もご覧いただきたいと思っているので網代弁当箱やピクニックバスケット、ランチボックスも少しですが出品されます。
コメントする