お母さんの肩を抱いた事があるだろうか?多くの方はあまり無いかと思うので、今度機会があれば是非お願いして抱かせてもらってほしい。あんなに大きく、強く、たくましく、やさしい母の肩は、自分が思うよりずっと軽い。ボクは「まるで化学工場の火事のようだ」と真っ黒になった消防隊員がつぶやく大火災の中でそれを知って愕然とした。そして、今まで気づかなかった心の奥底を見たような気がする。
先日、いつもお世話になっている高知新聞さんのK+インタビューに掲載いただいた。学生時代の頃からの話を色々と尋ねられている中で、どうして避けて通れないのがボクが竹屋を継ぐ事になった一番の理由。話せば長くなるのでご関心のある方は下のYouTube動画でご覧ください。
竹虎は長い竹を扱うので工場の敷地は結構広い。中央に見える白い建物が本社と本店だけれど、寝つきの良い自分が、何か声が聞こえると思って小雨の中、傘もささずに真っ暗な道を歩いていった先は工場の端。写真で言うとちょうと真ん中の下、青いトラックが通っている辺りだ。
実は火事を見つけた時、そこには中学1年生くらいの少年が二人いた。どんどんと大きく、高く燃え上っていく炎に照らされて茫然と立ちすくんでいた。夏休みだったので工場の前の海水浴場には、キャンプのお客様も多かった、雨宿りをしていた工場のひさしの下で焚火をしていたのかも知れない。
お二人が火災に関係しているのか分からないけれど、あれだけの大火だ、どちらにしてもずっと大人になっても忘れていないと思う。そして、もし仮に自分たちのほんの少しの過ちで全てが灰になったと心を痛めているのなら、このブログを読んでいるのなら、悔やむ必要など全くないと伝えたい。むしろ会って感謝したいくらいだ。竹虎四代目は、あの夜生まれた。
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