身の厚い真竹の模様に気を取られてしまうけれど、この模様は維管束という水や養分を運ぶ大切な管だ。竹表皮に近いほど密度が濃くなる様子が良くお分かりいただけると思う、だから竹は表皮に近いほど強いのだ。しかし、竹の切断面ばかりに気を取られてしまっている場合ではない、ご注目いただきたいのは竹の切り口なのだ。別の特別な鋸ではない、普通にホームセンターに売られているような道具を使っているから「弘法筆を選ばず」だ。
これらの真竹は主に花入れとして使われる。竹に花を飾ると言えば茶道や華道を思い浮かべるかも知れないが、別にそのような型にはまった使い方ではなくとも食卓でも玄関でも居間にでも一輪を入れる余裕を楽しみたい。
だから竹筒には全てオトシがついている。竹は割れる事があるのでオトシは身の部分を削って薄く仕上げられる、竹は外皮と内皮の収縮率の違いで割れるから実は薄い方が割れにくいのだ。それにしても美しい切り口である、うっとりしてしまいそうになる。
真竹は12月、1月に伐採して油抜きして2~3ヶ月は天日干にする。それから2~3年は倉庫に入れて自然乾燥させてから使う。天気の良いこの日も沢山の丸竹が、気持ち良さそうに日光浴をしていた。
それにしても、シミの入ったいわゆる「景色」の良い竹が多い。真っ白な竹肌が喜ばれる事もあれば、このような独特の柄を好まれる方も結構おられるものだ。このような竹材ばかり集めるのは、さぞ大変ではないかと思われるかも知れないが、シミの出る竹林というのがあって同じようにシミのある真竹が沢山生えているそうである。虎竹も他の土地には生えない事を考えれば、つくづく竹は不思議だ。
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