おにぎりが一つだけ入る竹編み弁当箱と聞いて、最初はどうしたものか?と正直思っていた。ちょうど竹の伐採がはじまり職人の手も空いていない、たまたまボクも竹林に向かう所だった、車内ではたして実用性があるのだろうかとも考えていた。別誂えの竹籠は本当に簡単ではない、編み上がる籠は一つだけれど実はその陰に2つや3つは失敗や試作など余計な手間がかかってしまう。
サイズを小さくするだけだと思われているけれど、竹ヒゴの幅や厚み、長さを全て変えて調整せねばならない。特にスケールダウンする場合は熟練の職人でも相当てこずってしまう、最初の試作で満足出来るものが編み上がることは稀だがその手間を価格にのせられないので誰しもが尻込みしてしまうのだ。
それでも丸い弁当箱におにぎりが一つコロンと入る姿が見たくなった。
日頃から竹細工をご愛用頂いている方だから、きっと同じような想像をされているのではないか?
完成したら予想以上の可愛さ、常連のお客様にも難しい籠を形にした匠の職人にも感謝である。
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