昭和45年3月のオープンだから、今から52年前に竹虎本店はオープンした。一番最初は自社社員をはじめ、日本唯一の虎竹を生産する職人や、虎竹に関わって生活する地域の人達に、虎竹や孟宗竹、真竹がどのような製品になってエンドユーザーの手に届いてゆくのかを知ってもらう竹の展示場として建てられたものだったという。だから、当初の店舗は天井が高く作られていて、竹細工や竹製品はもちろんだけれど、煤竹やゴマ竹、図面竹、亀甲竹、白竹等ありとあらゆる銘竹と呼ばれる竹がズラリと並んでいた。当時の住宅には床の間があって、まだまだ建材や室内装飾としての竹の需要があった時代なのだ。
ところが展示場のつもりで開けていると、当然のように遠くからのお客様が立ち寄るようになって来る。自分の生まれた頃からの10年間で日本の自動車保有台数は15倍になっているので、まさに昭和のマイカーブームではなかったろうか?国道56号線沿いだった店の前には、いつも車が停まっているようになった。そして、遂には広い駐車場を完備した新店舗が本社工場に隣接して建てられる事になった。
そうこうしているうちに昭和58年(1983年)のNHK全国放送を契機に四万十川ブームが巻き起こる。観光バスでやって来られる、全国からのお客様が一挙に増えて店内は連日バーゲンセールのような状態だった。あの頃が竹虎本店が一番にぎわっていた時だった、資料の底から出てきた竹虎本店のパンフレットを見ながら懐かしく思い出す。
「花嫁修業」という言葉がある時代、花籠や茶道具としての竹への需要も高かった事が分かる。しかし、それだけではなく、まさに衣食住すべてに竹があって帽子からベルトやバッグ、アクセサリー、履物まで普通に竹製だった、なにせ竹にトレンドがあったのだから凄い。地元では皆が競うように付けていた竹アクセサリーのひとつ、竹ブローチがどんな風に編まれるのかをYouTube動画で紹介しています。
コメントする