この春先から新しい団扇を作りたいと思っていた。太い竹を割った平たい竹ヒゴを骨にするのではなく、特産の黒竹を丸いまま使う団扇である。平たい竹を団扇にするのにも熟練の技が必要だが、まだ国内に何人かの職人がいて製造を続けている。
ところが、細い丸竹の先端をそのまま割って団扇の骨にする丸竹団扇を作る職人はかなり少ない。
実は以前には虎竹の繊維で和紙を漉いてもらって黒竹に張り付けた団扇を製作していたのだが、丸い黒竹を割って骨にできる職人がいなくなり暫くの間製作する事かできなくなっていた。
四国には国内シェア9割という丸亀団扇の伝統が息づいている。
春から話をすすめて、ようやく秋に完成するなど、新しい竹細工作りには皆様が想像される以上の時間と労力がかかる。こちらの団扇も来年の初夏を見据えた製作となる。
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