昭和のお母さん方が愛用していた手提げ買い物籠でボクが一番覚えているのが虎竹買い物かご(丸)で、どちらかと言うと丸型で少し深みのある竹籠だった。今回新しく編まれた磨きの真竹で編まれた買い物籠を見て少し懐かしい母の手提げ籠を思い出していた。
この真竹磨きネジリ持ち手買い物籠の金属リベットが、自然素材の竹には若干の違和感を感じられる方もいるだろう。持ち手の特徴もあって職人も考えたと思う、画像手前に写るボクの持っている昔の竹籠は同じ持ち手であっても当然ながら竹栓だ。しかし、強度を考慮した上のことであり、このリベットのお陰で気兼ねなく竹籠をご愛用いただけるという利点がある。
何といっても、この手提げ籠には竹節を活かした強力な力竹が入れられている。少しくらい重たい荷物には微動だにしない昔籠のDNAが流れているのだ。
試しに近くのスーパーに行って買い物してきてみたけれど、この程度の荷物なら軽々と持ち運べる。
今は目立っている金属リベットではあるが、5年使っていれば磨きの竹肌は飴色に深まり結構馴染んでくるに違いない。要するに長く愛用してお客様の手で完成させる竹籠なのだ。
「竹は作る人と使う人で完成する」最後の篠崎ざる職人の言葉だ。それにしても横から見るシェイプされたラインは美しい、樹齢350年の柿の木の下で、ひたすらに竹を編んでいたあの職人を思い出した。ここにも引き継がれている伝統の技が隠されている。
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