竹虎カレンダー2023

 
竹虎カレンダー2023


今年も早くもこんな季節になったと少々驚いてしまう、恒例の竹虎カレンダー2023のプレゼントが今日から始まった。この一年の感謝を込めてと言っても、つい先日2022年がスタートしたように感じているので「ありがとうございます」の気持ちが複雑だ。まだまだ2022年は半分くらい残っているのではないか?そんな錯覚に陥っている(笑)、寅年だからと張り切っていたのに何もできていない。


世に生を成すは事をなすにあり


来年五十周年を迎える、中学高校と全寮制で過ごさせてもらった明徳義塾では朝礼と共に夕礼というものがあった。全校生徒600名が、クラブ活動と夕食を済ませた後に一堂に会する、そして毎晩のように漢詩を諳んじたものだ。「少年易老学難成、一寸光陰不可軽、未覚池塘春草夢、階前梧葉已秋声」漢詩など今でも馴染がないけれど何かの時に思い出す、あの頃には全く分からなかった言葉が身に染みる。恐らく同じように感じている同窓生は多いはずだ。


さて、それはそうと毎年の恒例となっており、常連の皆様の中にはお待ちかねの方もおられると思います!本日10月31日から商品代金3300円(税込)以上のお買い物をされた先着2023名様に、もれなく竹虎カレンダーをお届けさせて頂きます。




通気性の良さが素晴らしい、篠竹底編み足付ざる

篠竹底編み足付ざる


「真竹より篠竹」と言われているが、東北の篠竹細工は強く素朴で味がある。特に竹の堅牢性を活かした足付きざるが素晴らしいと感心する。足付きとは、本当の足が付いている訳ではなくて、底編みから立ち上げていく過程の竹ヒゴで尖がりを作るのである。こうする事で底の四隅に足のような突起ができる、置いた時に接地面に付くことがないので通気性が良く、水きれのよい竹ざるとなるのだ。


篠竹底編み足付ざる


細く割った竹ヒゴを編みやすくするために水に浸けておくのだが、工房裏にある小さな用水路をせき止めて浸けてあった。小さな流れがあるのだろう、水が透き通っていて豊かな自然の中にいることを実感する。


篠竹底編み足付ざる竹職人


日本は狭い国だけれど実は竹の種類は多い、世界に1300種の竹があると言われる中の半分近い600種が成育しているのだ。そして、その地域ごとに育つそれぞれ特徴のある竹を使い竹細工の技が発展してきた。その一つを代表する篠竹細工の職人技は見惚れていると40分の動画時間などアッという間だ(笑)。




煤竹はどこにある?

 
茅葺屋根の竹


小さい頃には「煤竹」という竹が何処かに生えているのだと思っていた。ところが、もちろん全国の竹林を歩いても、このような竹を見つける事はできず、それでは一体何所にあるのか?と言えば屋根裏にあるのである。


古民家の煤竹


それも、近所にあるような新しい家ではなく、昔ながらの藁葺屋根のある古い民家の屋根裏なのだ。昔の住宅では毎日の炊飯などに必ず火を使った、もちろん現代の皆様のご自宅でも調理に火は使うのだけれど、ガスや電気ではなく本当の炎を使う。


囲炉裏


古民家には囲炉裏が設えられていたので煮炊きにせよ、暖を取るにせよ、燃やした煙が立ち込める。その煙が藁や茅葺き屋根の防虫になると共に、天井に使われている竹が100年、200年と燻されて自然と出来あがるのが煤竹、ボクは「時間職人」などと呼ぶこともあるが、まさに時間が磨き上げた銘竹なのだ。


煤竹結界


煤竹を見ると濃淡があるけれど、薄く見える所は縄が巻かれていた所、そこには煙が直接当たらないので色合いが違っている。


渡辺竹清作煤竹籠


現在では囲炉裏の家などほとんどないので煤竹は非常に貴重な素材と言える。煤だらけの真っ黒い竹材を大切に集めて来ても、古い竹材なので使えないものも多々あるが、匠の手業によって生み出された至宝の作品がある。


煤竹ハンドバッグ


本物の煤竹が希少になりつつある中、人工的に煤竹をつくる技術も確立されている。母の実家に行くと何故かホッと安らいでいたけれど、後になって囲炉裏の煙の香りのせいだと分かった。赤く火が燃えてユラリと立ち昇る白い煙、パチパチとはじける音、そして部屋中に染み込んだ香り、どうやら本能的にリラックスするようだ。




ホテルでお使い頂く白竹アメニティボックス

 
白竹アメニティボックス


ホテルの洗面台でお使いいただく白竹アメニティボックスが輝いている。整髪料やドライヤーなど細々とした備品を、こうしてスッキリとひとまとめにしてお客様をお迎えできることは竹籠にとっても嬉しいことなのだ。


白竹ピクニックバスケット


そもそもアメニティボックスは、ピクニックバスケットを室内でお使いやすいようにと蓋部分を外したもので、あまり気づいていただけない事も多いけれど機能性を考えて持ち手を取り付ける位置を変えている。一段から二段、三段と重ねられるお弁当箱などとも同じ製法だが、籠がないとシンプルで使い方も随分と違ってくるのである。


白竹コンビニ籠


角型で場所を有効に使えるし、持ち手が付いているのも便利だと言っていただく。キャンプなど野外にでかける方が増えているので、そのような場合でも竹ならではの自然素材の良さを感じて手に取っていただけるのではないかとも期待している。


白竹アメニティボックス


改めて見ても竹の優しい風合い、色艶がいい感じに馴染んでいる。ちょうど今は季節も最高だし、ホテル宿泊費の割引や地域振興券があってお得に旅行を楽しめるけれど、こんな小さな竹籠ひとつが旅を更に盛り上げてくれると思う。


冷感カバーでリニューアルした竹炭ソフト塩まくら

 
竹炭ソフト塩まくら


「頭寒足熱」をご存じの方も多いと思うが、足元を温かく保ちつつ、頭部を涼しくヒンヤリとさせる事が入眠しやすく、健康の秘訣と言われている。しかし、ただ頭を冷やしすぎるのは反対に自律神経の乱れにもなるので、適度な心地よさの塩まくらが人気なのだ。


竹炭ソフト塩まくら


「青菜に塩」とは、野菜がしおれてしまって元気を失くした様を人にたとえた言葉で、あまり有難い様子ではないが、塩もみすると野菜から水分が抜けてしまのは塩の浸透圧によるものだ。このため塩には防腐作用や抗菌作用があって枕カバーなどに発生しがちなダニの予防効果も言われている。今回は、この塩まくらに更に消臭力の強い竹炭粒をプラスして更に使いやすいようにした。


竹炭ソフト塩まくら


体臭、アンモニア臭を抑える竹炭ベッドパットと、これも新しく作った心ふんわり柔らかソフト竹炭まくらに竹炭塩まくらを合わせてみた、これは最強かも知れない(笑)。


竹炭ソフト塩まくら


塩まくらの使用期限は一年間程度と言われているが、これは塩が頭部の匂いを吸着したりする事があるためで効能自体が低減するという訳ではない。塩は固まってしまう特性もあり長くお使い続けると硬くなるのだけれど、徳島鳴門産の塩を使っているのは手でほぐすと元の柔らかさに戻りやすいやらだ。


竹炭ソフト塩まくら冷感枕カバー


定期的にやり替えたいというお客様のお声にもお答えして、不織布入りの本体だけのご用意も新たにしているが、硬さが気にならないのであれば、冷感枕カバーはお洗濯して繰り返しお使いいただけるので出来るだけ長くお使いいただきたい。


塩と竹炭


塩の効果に竹炭の効果をプラス塩と竹炭で血行が促進、肩こり、冷え性、血圧改善冷感生地を使ってヒンヤリ感アップの竹炭ソフト塩まくら、リニューアルしています。




孟宗竹で編むエビラの下地

 
孟宗竹ヒゴ


竹は伐採する時期が決まっていると言っても、どの竹でも同じという事ではない。日本は南北に長いので、地域によって気候が違うので自ずと伐るタイミングは違うし、竹の種類によっても異なり、また山の職人によってもそれぞれ別な場合がある。ただ伐り始める順番は決まっていて、日本三大有用竹である孟宗竹、真竹、淡竹の中で、一番早いのは孟宗竹だ。だから例年なら今頃だと既に新竹が積まれていなければならないのに、今年は諸事情重なってようやく先日竹が運び込まれてきた。


孟宗竹の新竹


さて、この孟宗竹で一体何をするのか?実はエビラの下地を編むのである。全国的に見ても太くて硬い孟宗竹を竹ヒゴに取って編組細工に使うなど他の職人からしたら驚きだろう。しかし、土佐竹細工には孟宗竹を使った花籠作りや盛り籠の伝統があり、古老の職人ほど好んで孟宗竹を使ってきたから、自分たちもその技を繋いでいる。


エビラ籠素地


孟宗竹は他の竹材に比べて繊維が少し粗い、けれどそれが土地の竹編みの風情を醸し出し、自分達の心にしっくり馴染む。100年前に編まれた、すっかり色の変わったエビラを見ると、この堅牢な竹肌が日焼けした筋肉隆々のスポーツ選手のような逞しささえ感じさせてくれる。


エビラ竹職人


土用干しに多用されるエビラは、直前になって編み始めても間に合わない。


四ツ目エビラ下地


数年前に、どうしても復刻させたい四ツ目編みのエビラもラインナップに加わった。昔から使われてきた生活道具を、昔からの竹材で昔と同じように作る。ごく普通の仕事を、今年も変わらず続けていきたい。




温泉旅館の白竹手提げ籠

 
白竹温泉籠


この秋は久しぶりに旅行を予定されている方は多いかも知れない。全国旅行支援で宿泊費がかなりお得になっているけれど、地域クーポン券もあって休日は1000円、平日だと3000円と言うから休みの日にお客様が集中する事なく、観光地が潤うのではないだろうか。たまたま来客があって出向いたホテルでも、部屋は満室で近頃見ないような台数の車が停まっていて、やはり高知は観光県であることを改めて思った。


温泉籠の宿


白竹湯かご


これから紅葉が美しくなり、鍋料理や温泉も恋しくなる。とりわけ日本人は温泉好きなので、泊まった旅館やホテルで温泉籠を手にされる事もあるに違いない。お問合せいただく中に、まとまった数の竹籠が少しづつ入るようになってきた事にも旅の需要が上向きになってきたと感じている。




バンブーロスと孟宗竹の踏み王くん

 
青竹踏み


青竹踏みの普及に力を入れてる話は何度かさせていただいている、2015年3月25日の30年ブログ「青竹踏みを、ご存知ですか?」などご覧いただくと、その経緯がお分かりいただけるのだが兎に角根底には竹文化が無くなりつつある事を肌で感じた経験がある。


極細竹踏み


そんな中で、通常使う孟宗竹だけではなく少し細身の真竹を使って足裏にツボをピンポイントで刺激する強力青竹踏み踏王(ふみお)くんが生まれた。これは今までにありそうで無かった、いや作りたくとも真竹が豊富にないと無理なので製品として流通する事はなかったものだ。青竹踏みを愛用している竹虎社員の声から生まれたものなので何とかしたいという思いで現在でも時には品切れになりながら製造が続いている。


何せ、この細身の強力青竹踏み踏王(ふみお)くんの凄いところは丸竹を半分にしているのではなく、より角度を鋭角にしたくて半割ではなく6:4の比率でカットしている事だ。つまり1本の竹から1個しか作れないという贅沢な品でもあるのだ。




山の職人が減少している中、バンブーロスという事が言われている(言っているのはボクだけだが)。継続利用可能な唯一の天然資源である竹ではあるが、竹は沢山あったとしても管理して伐採する人は少ない。山から出された竹は無駄なく使い切りたい、そしてそれらをお使いいただく皆様のお手元に残す事なくお届けしたいといつも考えている。


実は今まで細い孟宗竹やウラ(先端部分)は、袖垣に一部使うなどする他はあまり活用できていなかった。強力青竹踏み踏王(ふみお)くんに適材なものが見過ごされてきていたのだ、これは使わない手はないという事で今後は孟宗竹でも製造していく事にしている。真竹とか孟宗竹とか言われても一般の方々には分かりづらいかも知れない、基本的には全く同じ竹であるけれど、よかったらボクが違いを分かりやすく説明したYouTube動画をご覧ください。


孟宗竹の極細竹踏み


孟宗竹は日本最大級の竹であり、身もしっかりと厚みがある。細い竹材でも強度があるので真竹に負けない、いやむしろ良質の製品ができ上がっている。真竹、孟宗竹と竹の種類はお選びいただけないものの、普通の青竹踏みで飽き足らなくなった方には絶対ににオススメ!繰り返しになるけれど強力青竹踏み踏王(ふみお)くんは、竹を知り尽くし、使い続けて来た竹虎社員に懇願された逸品です。


真竹林と台風

 
真竹の竹林


近年の台風は大型化していて雨風共に強く、本当に厳重な注意が必要だ。これが温暖化を原因とするならば本気で環境問題と向き合わなければいけない時期に来ていると痛感する。台風発生と共に一日に何度も天気予報を確認する事になるけれど、どんなルートを通るにせよ西日本には少なからず影響が出る。先の台風が過ぎ去った後、今まで行ったことのない真竹の竹林を職人と歩いた。この真竹の竹林も近くを散歩で通る程度なら何の変化も思われないかも知れない。


台風後の竹林


ところが、一歩竹林に入るとこの通りだ。職人は台風が通り過ぎても、この竹林の有様を見るのが怖くて今日初めてここに来たと声を絞り出す。間引きし、しっかり管理してきた竹林の無残な姿に愕然とする。


真竹


山の職人は、このような竹林に入り倒れた竹を伐り片づけながら竹を出していく。


真竹伐採


虎竹の里のように危険なほどの急峻な山道でないのが、ほんの少しだけ救いだろうか。虎竹の林なら雨があがったばかりの地面がぬかるんだ状態では全く仕事にならない。


真竹林


それでも一本一本と伐採し運び出される真竹たちは、籠やザルに編まれる物もあるが、内装材として多くの方の目に触れる事もある。時に場を和ませ、雅な気持ちにさせてくれる美しい白竹はこうして生み出されているのだ。倒れた竹は腰が曲がり頭を垂れているように見えるけれど、ボクも竹を結束する職人の仕事の大変さに頭を上げる事ができなかった。




虎竹で復刻した鮎籠

鮎魚籠


以前何かで子供の頃には鮎が大嫌いだったという話を書いた事がある。虎竹の里の近くには、日本で最後までカワウソが住んでいたと言われる新荘川が流れていて鮎釣りには最高の場所だった。カワウソは大食漢だ、一日にかなりの量の魚やカニなどを食していたそうなので、それだけ川が豊かで魚影も濃ゆかったのだと思う。父は川漁師の免許まで取って投網で大量の鮎を獲って来た、それで季節になると連日の鮎づくしでイヤになったのである。もちろん、大人になって炭火でじっくりと焼き上げる鮎の香り、美味しさが分かるようになり、今では大好きなのだけれど、この特徴的なフォルムの鮎魚籠を手にした時にも幼い頃の記憶が蘇っていた。


虎竹鮎魚籠


元々は青々とした表皮の真竹で編まれた魚籠だったと思われるが、誰に使われる事もなく忘れられたかのように棚の奥で眠っているうちに、まるで湯抜きした白竹のような色合いに変色している。伸びのよい良質な竹に魅かれてそのまま手にして来たものの、すでに編んでいる職人もいなくなっているので虎竹で復刻してみる事にした。


鮎籠、竹虎四代目(山岸義浩)


出来あがった虎竹鮎魚籠は、口巻などに籐を使ってより高級感があり惚れ惚れする。しかし、小さい頃の思い出はコワイものだ、ボクの中で鮎漁とは大型クーラーに一杯に獲れるものであり、このような優美な籠には、とても入りきらない(笑)。


人の温もりと声援を繋いで走る、チャレンジラン山口の全貌

 
「チャレンジラン山口」朝日新聞記事


「チャレンジラン山口」で虎竹の里から宇部空港まで海路含めてはるばる300キロを2泊3日で旅した日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」。最後の充電ポイントで取材いただいた朝日新聞さんの記事を先日届けて頂いた。思い返してみると決して楽な道程ではなかったけれど、日頃の行いが良いのか(笑)とにかく好天に恵まれ、心配だった夜の三坂峠越えも霧が思ったほどでは無くて無事に走り抜けられた。


三坂峠の霧、竹虎四代目(山岸義浩)


高知県と愛媛県を結ぶ三坂峠は、高速道路が出来て以来20年全く通る事もなくなり忘れている方も多いと思うが霧が凄いのだ。急勾配の道を登っていくので、わずか数分前とは景色がガラリのと変わってしまう!何と昼間であってもご覧の通り、薄暗くなって視界は悪く怖いくらいだ。


竹トラッカーとお客様


竹トラッカーとお客様


そんな道程を乗り越えられたのも、行く先々で応援いただく皆様のお陰です、本当に感謝しています。


竹トラッカー充電ポイントローソン


竹トラッカーにいただいた花束


35キロごとに充電せねばならない竹トラッカーに快くコンセントをご提供いただいた皆様にも深くお礼をいたします。人の温もりと声援を燃料にして繋ぎながら走るのが竹トラッカーなのだ。


チャレンジラン山口宇部空港


宇部空港展示の竹トラッカー


こうしてお陰様で予定通り無事に沢山の方にお待ちいただく宇部空港に到着した。11月27日まで空港到着口でお客様をお出迎えしている竹トラッカーだが、空港をご利用いただく方々から画像が届くたび喜んでいる。そして、今回の世界竹の日(World Bamboo Day)記念!チャレンジラン山口の全道程を1時間半の大作YouTube動画にまとめ上げている。




大阪天神橋筋六丁目「かね又」閉店

 
大阪天神橋筋六丁目食堂「かね又」


子供の頃からずっと不思議に思っていた事がある。どうしてウチの祖父と祖母は大阪弁なのだろう?親戚は遠い大阪ばかりだし、お客様として宿泊されて行く大人たちも地元の人らしい方は一人もいない。竹の商売をしていて、関西に品物を届けているので何となく、それは分かる。お土産として頂戴する岩おこしが、まるで近所のお菓子屋で売られているかのように常に居間に置かれているから食べるのに困らないし、まあいいか...そんな程度に思っていた。


大阪天神橋筋六丁目「かね又」特製シチュー


小学校低学年になると虎竹の里の子供達は、それぞれの家を行き来するようになる。近所の友達の食卓にも度々お邪魔している内に、山岸家にしかない少し変わった食べ物があることに気がついた。肉と玉ねぎが入った透明の塩味のスープ、それを一抱えもあるような大鍋で作って何日もかけて食べる。料理の得意だった祖母の創作かとも思っていたが、それは違っていて実は娘時代に実家の食堂「かね又」で出されていた名物料理だと知る。


かね又


「かね又」は繁盛していて、新世界、千日前、松島、福島という大阪の繁華街に暖簾分けされた店があったと言うが、小説家・織田作之助「アド・バルーン」には当時営業していた全部の店に訪問されたと書かれているそうだから、もしかしたら若かりし頃の祖母とも会った事があるのかも知れない。


かね又


それにしても、最後の一店舗として営業を続けられていた「かね又」は何を食べても旨い。ついつい色々頼んだのだが全てが知っているような気がする味でしっくりきて旨い。


かね又ご主人、奥様


はじめて店を訪問し、特製シチューを食べた時は、ドキドキしてワクワクして、もう懐かしくて泣けてきて本当に嬉しかった。この味を守り続けていただき、両親を連れて訪ねていく事もできて、ご主人と奥様には感謝の気持ちでいっばいだ。祖母がお運びさんとして店で働いていた頃の様子も聞けたこの日は最高だった。


大阪天神橋筋六丁目「かね又」で父母と竹虎四代目(山岸義浩)


今朝、この最後の「かね又」が閉店した事を知った。


かね又


竹林の大山主でもあった母の実家を頼り、疎開した虎竹の里で再開したての竹虎は貧しかった。土地もなく朝から晩まで祖父も祖母も働きづめだったと言う。だから、小学校の頃は母の手料理などあまり食した事が無いと話す父は、この日の特製シチューをどんな思いですすっていただろう。温かさと優しさの中で大きく育ててもらったボクからは想像もできない時を過ごしてきた先人には頭が下がる。


やはり竹虎は先人の血と汗とで出来ている。そろそろ自分たちの竹虎で、見守り続けてくれている多くの方を安心させたい、「かね又」閉店を知った朝に誓っている。


虎竹手付きミニ籠バッグの大・中・小3個セット

 
虎竹手付きミニ籠バッグを今回限りの大・中・小3個セット


買い物籠をそのまま小さくして小物入れなどに使えるようにした可愛い虎竹手付きミニ籠バックがある。持ち手はそのままなので小型ながら使い勝手がいい、竹籠に限らずこのように元々あるものをミニチュアにする事は良くあるけれど、竹籠は小さくする方が技術力が必要で手間がかかる。ボクもデスクの小物類を直径わずか13センチのサイズにまで小さくした米研ぎざるを使っていて、後何個か作れないかと職人に話すと勘弁してくれと苦笑される。他の手の若い者では小さくはなっても、どうも不格好でいけないから実はずっと我慢している、そんな調子である。


虎竹手付きミニ籠バッグを今回限りの大・中・小3個セット


さて今回の虎竹手付きミニ籠バックは、小さい物ばかりで飽きてしまっていた所にちょうど竹材が余っていたからと大・中・小と3個セットになるように編んだのだ。一番大きな手付き籠など、コンパクトなコンビニ籠くらいはあるから、ちょっとした買い物や最近流行りのキャンプや屋外に遊びに行くのにご愛用いただけそうだ。


虎竹手付きミニ籠バッグを今回限りの大・中・小3個セット


しかし、一点限りなので例によってYouTube動画の特別販売として今回限りの大・中・小3個セットでご紹介させていただく事にした。こうして3個入りになっている籠は、海外から輸入される竹細工では輸送効率を考えて良く見られるのだが、製造数の少なくなってきた国産では近年かなり珍しくて新鮮だ。それにしても格好もいい(笑)。




竹虎社員の使う竹炭シャンプー、竹炭リンス

 
竹炭シャンプー、竹炭リンス


竹炭石鹸と共に竹炭シャンプー、竹炭リンスを愛用してくださる方が少しづつ増えているようだ。竹炭シャンプーは石鹸シャンプーなのでクセがあり、誰でもが気軽に使えるというものではない、竹虎の中でもカラーリングをしたり髪が傷んでいる社員には特に使い勝手が良くないようだ。しかし、この夏あたりから本格的に竹炭シャンプーを使いはじめた一人の社員が使用感の感想を書いてくれている。スタッフブログであまり多くの方の目にとまっていないのが惜しいのでコチラでご紹介させていただく事にした。


~初回使用時~
あまり泡立たないのかと思っていたけど、思ったよりもかなりモコモコと泡立つ!そして今まで使っていたシャンプーの泡と違い、泡が耳元で"プチプチプチプチ"とはじける音がめっちゃする!気持ち的に汚れを取ってくれそうな感覚!でも、シャンプーをすすいだ後は軋みはすごいかも?


~10日~2週間ほど使用時~
引き続きシャンプー後の軋みはあるものの、ドライヤーをしっかりかけていくと...アレ?なんかドライヤー中に突然ツルツルさらさらしてきたかも?!しっかりと乾かすと軋みがなくなりパサつきも少し抑えられてきているような...


竹炭シャンプー


~3週間~1ヶ月ほど使用時~
排水溝に髪の毛やほこりがたまりやすくなっているかも?なんでだろうと考えてみると、竹炭シャンプーで洗った後の髪の抜け毛が汚れを吸着しているのか、そこに体を洗った際の汚れなども付着しやすくなっているのかも??前よりもたまりやすくなったということは以前よりもシャンプー泡が汚れをよく吸着しているのかもしれない?!


~まとめ~
1日2日だと効果はわかりずらいですが、2週間~1ヶ月と使っていくと徐々に効果が出てきているような感覚です。始めは使う量がどの程度かわからず、コスパを考えて少なめに使っていたかもしれないので、ページにもありますがリンスは特にしっかりなじませ、ドライヤーもしっかり乾かすというのがポイントです◎


以上が竹炭シャンプーを使いはじめた社員の声。ボクは丸坊主で毎日頭を洗うのは竹炭石鹸なので、残念ながら体感する事はないのだが使い続けると効果が表れて来られるお客様や抜け毛が減ったと言われる方もいるようだ。迷われている皆様には是非竹炭シャンプー・リンスのご感想を参考にされてください。


生まれ変わった手付き田舎籠

 
手付き田舎籠


堅牢さが自慢の手付き田舎籠は飾ってながめていても素敵なのだが、やはり使ってみて初めて本領を発揮する。そこでお客様には、どんどんご愛用いただきたいと思っている、使う事によって新しい竹編みでは見られなかったような味わい深い魅力が発見できるのも竹籠の素晴らしいところだ。


手付き田舎籠修理


そうやって長くお使いいただくと傷んでいる箇所も出てくる。今回は持ち手や口巻、さらに底のタガ足も交換するようになった。それでも加工性の高い竹は、手直しがいくらでも効くいて、いとも簡単に元通りの姿に生まれ変わる。


手付き田舎籠手直し


修理した持ち手はまだ青さが残っている。


手付き田舎籠製造


口巻や底の竹も本体部分の編み込みとは色合いが全く違っている。しかし、元々は白っぽく見えるゴザ目編みもこのような青々とした真竹の表皮に覆われていたのだ。手元に置いて大事に長く使う竹籠は、経年変色を楽しんでもらいたい。持ち手、口巻、タガ足が本体編みと違和感なくなる頃には、この籠への愛着はもっともっと深くなっていると思う。


黒竹丸団扇柿渋仕上げ

黒竹丸団扇柿渋仕上げ、竹虎四代目(山岸義浩)


この春先から新しい団扇を作りたいと思っていた。太い竹を割った平たい竹ヒゴを骨にするのではなく、特産の黒竹を丸いまま使う団扇である。平たい竹を団扇にするのにも熟練の技が必要だが、まだ国内に何人かの職人がいて製造を続けている。


黒竹丸団扇柿渋仕上げ


ところが、細い丸竹の先端をそのまま割って団扇の骨にする丸竹団扇を作る職人はかなり少ない。


黒竹丸団扇柿渋仕上げ

 
黒竹丸団扇


実は以前には虎竹の繊維で和紙を漉いてもらって黒竹に張り付けた団扇を製作していたのだが、丸い黒竹を割って骨にできる職人がいなくなり暫くの間製作する事かできなくなっていた。


黒竹丸団扇柿渋仕上げ


四国には国内シェア9割という丸亀団扇の伝統が息づいている。


黒竹丸団扇柿渋仕上げ、竹虎四代目(山岸義浩)


春から話をすすめて、ようやく秋に完成するなど、新しい竹細工作りには皆様が想像される以上の時間と労力がかかる。こちらの団扇も来年の初夏を見据えた製作となる。




真竹磨きネジリ持ち手買い物籠でお買い物

真竹磨きネジリ持ち手買い物籠


こうして眺めていると持ち手が少し頼りなく思えてしまうかも知れないが、しっかりと竹ヒゴの厚みを取っていて想像よりもずっと丈夫だ。持ち手を留める二つのリベットと、底の力竹が目と口のようで愛嬌のある表情をしているように見える。それならば口巻はネジリ鉢巻だ(笑)!真竹磨きネジリ持ち手買い物籠は、匠の技で編み上げられた一級の籠だが可愛らしさも感じる。

 
真竹磨きネジリ持ち手買い物籠の容量


スーパーで日頃よく使う野菜や、食べる果物、毎日の牛乳を買ってみた。牛乳は、もしかしたら県外の方には馴染があまり無いかも知れない「地乳」として生産量は少なくとも品質重視の美味しさを追求されている吉本乳業さんのものだ。最近は目に付くと手にするので購入してみたが、これだけの品物が籠に入る。けっして大人数や数日分の買い物には向かないものの手頃なサイズだと思う。


真竹磨きネジリ持ち手買い物籠


籠の底を支える力竹が結構主張している、中央に竹節があるのもいい。


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竹の良さは、こうして手の平を当ててみると伝わってくる。竹ならではの質感が、表皮を薄く剥いで磨いた事によって更に増幅されている、竹ヒゴの幅と厚みを丁寧に揃えたからこその竹編み目の緻密さ、力竹の手触りの良さ、ああ...たまらない。




真竹磨きネジリ持ち手買い物籠の金属リベット

 
真竹磨きネジリ持ち手買い物籠、虎竹買い物籠


昭和のお母さん方が愛用していた手提げ買い物籠でボクが一番覚えているのが虎竹買い物かご(丸)で、どちらかと言うと丸型で少し深みのある竹籠だった。今回新しく編まれた磨きの真竹で編まれた買い物籠を見て少し懐かしい母の手提げ籠を思い出していた。


真竹磨きネジリ持ち手買い物籠、竹虎四代目(山岸義浩)


この真竹磨きネジリ持ち手買い物籠の金属リベットが、自然素材の竹には若干の違和感を感じられる方もいるだろう。持ち手の特徴もあって職人も考えたと思う、画像手前に写るボクの持っている昔の竹籠は同じ持ち手であっても当然ながら竹栓だ。しかし、強度を考慮した上のことであり、このリベットのお陰で気兼ねなく竹籠をご愛用いただけるという利点がある。


真竹磨きネジリ持ち手買い物籠の力竹


何といっても、この手提げ籠には竹節を活かした強力な力竹が入れられている。少しくらい重たい荷物には微動だにしない昔籠のDNAが流れているのだ。


スーパーの買い物


試しに近くのスーパーに行って買い物してきてみたけれど、この程度の荷物なら軽々と持ち運べる。


真竹磨きネジリ持ち手買い物籠


今は目立っている金属リベットではあるが、5年使っていれば磨きの竹肌は飴色に深まり結構馴染んでくるに違いない。要するに長く愛用してお客様の手で完成させる竹籠なのだ。


真竹磨きネジリ持ち手買い物籠


「竹は作る人と使う人で完成する」最後の篠崎ざる職人の言葉だ。それにしても横から見るシェイプされたラインは美しい、樹齢350年の柿の木の下で、ひたすらに竹を編んでいたあの職人を思い出した。ここにも引き継がれている伝統の技が隠されている。




新登場した虎竹三段ピクニックバスケット

虎竹三段ピクニックバスケット


今日はスポーツの日で全国各地では様々なイベントが開催されているようだ。三連休だけあって、観光地へも人の移動が少しづつ出てきているのか高知でも今までにないような人出があって驚くと共に、少しホッと安堵している。やはり、これが本来の姿だろうと思う。


美しい土居川、竹虎四代目(山岸義浩)


そういえば、先のチャレンジラン山口で充電中に仁淀川町の池川茶園工房というカフェにお邪魔していた。仁淀ブルーで有名になっている仁淀川の支流、土居川のすぐ横にあって素晴らしい眺めだ。川に降りてみると田舎に暮らす自分でさえ驚くような透明感のある流れがあって思わず龍馬ブーツを脱いでしまった。


虎竹三段弁当箱


向こう岸には鮎釣りの方と、下流の方にはカヌーが見える。水遊びの大好きなゴールデンレトリバーが楽しそうに泳いでいた。束の間の休息だったが、キャンピングカーも数台停まっていて自然に触れ合うには絶好の場所だと感じた。実は同じ高知にいても、機会がなければなかなか来る機会が少ないものなのだ。


虎竹三段弁当箱


こんな屋外の行楽やキャンプにこそ、新しい三段式になったピクニックバスケットなど活用いただきたい。


虎竹と白竹の三段ピクニックバスケット


虎竹三段ピクニックバスケットは、もともと白竹で編まれている籠と形やサイズは全く同じだ。しかし、出来あがって比べてみたらこれだけの違いがあるのでお好みでお選びいただきたい。


虎竹三段ピクニックバスケット、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹は簡単な素材ではない、白竹と違って虎模様によって竹を選別せねばならないし、淡竹特有の扱いにくさもあって熟練職人でも敬遠される事がある。だから当然数量は少ないのだけれど竹の声を聞いていると、ついつい作ってみたくなる。




BSテレビ東京「グロースの翼」放送予定、創業明治27年山岸竹材店

 
竹虎四代目(山岸義浩)


時々一人でやって来る、この橋の下は少し特別な場所だ。終戦後、兵役を終えた祖父が焼け野原になった大阪天王寺の工場を後にして、家族が疎開していた虎竹の里に帰ってきた。そして、この地で竹材商を再開するのだが土地もなく、お金もなかった当時は、この川原が竹虎だった。正月もなく真っ黒になって夫婦で働く姿を、蔑む人もいたそうだが、どこかで応援してくれる方もいた。だから竹虎の今がある。


竹虎1961年


ボクが生まれる頃には社員数は60名を超えており、電電公社から払い下げてもらった電柱を使い、継ぎ足し継ぎ足しで増築した工場はボロボロだったけれども、いつ遊びにいっても活気に満ち溢れていた。日本の竹が最高に元気で文字通り「笑」を作り、沢山の方に役立っている良い時代だったと思う。


虎竹伐採


時は移り、を取り巻く環境は大きく変わった現在、竹虎には課題がいくつかある。


虎竹油抜き


竹虎工場

本社工場


それでも曽祖父である初代宇三郎が魅了された虎竹を知りたいと思って、まだまだ歩みを止める事はできない。


竹虎社員、本社工場


遠い道程には仲間がいる。竹虎を支えてくれている社員も明日10月9日(日)夜10時から放送予定の BSテレビ東京「グロースの翼」に登場してくれているはずです。




青空に鯉のぼりの竿、そしてバレン

 
バレン、鯉のぼり


少し季節外れだが、秋の気持ちのよい青空を見ていると思い出したのが熊本式鯉のぼりである。吹流しや鯉は普通にあって、その上に風車、一番上にお子様の名前が書かれた小籏(名旗)が付くのであるが、恐らくこの地域限定の装飾が真竹で編まれるバレンと呼ばれる飾りだ。工房で見るとくす玉のようにも思えるが、実際に設えられた鯉のぼりを下から見上げると玉入れ籠のようでもある。ただ、特徴的なのが長く垂らしている竹ヒゴで、風にたなびくように工夫されている。


竹トラッカー、竹虎四代目(山岸義浩)


先日の「チャレンジラン山口」で、たまたま竹虎で働いてくれていた社員の自宅が経路にあって、充電させてもらっている間に大きくなった息子さんにもお会いできた。男の子の健やかな成長を願って高知でも鯉のぼりは立てる、しかしさすがにバレンなどは誰も知らない。地域特有の風習はどこにでもあるものだけれど、驚くのはその製造数だ、少子化になった現在でも一人で年間400個は編み上げると言う。


輪弧編み


ところが竹籠編みの数の話になると、まるで伝説のような数字が次々に話題にのぼる。たとえば、この輪弧編みという技法で作られる盛り籠だ、鉄鉢と呼ばれて昭和の時代には何処の家庭に行ってもコタツの上にミカンを入れて置かれていたのではないだろうか?それくらい普及していた竹籠の一つだ。


盛りかご(鉄鉢)


この鉄鉢など内職さんに部材の加工などお願いしていたとは言え、早朝から編み始めて夜遅くまで、ご夫婦で製作するのが200個とも300個とも聞いている(笑)。それだけ需要があった当時の話なので、少しでも工程を簡略化してスピード化を求めていた夢のような時代だったろうと思う。


野菜籠


そうそう、忘れていけない梨籠は段ボールなどが普及するまでは果物や野菜を入れて運ぶ物流の欠かせない竹籠だった。この籠は昔の職人さんに復刻して編んでもらったもので綺麗な状態だけれど、実際の籠は使い捨てのような感覚だったから、ほとんど残ってはいない。この籠は大きな竹工場で確か70人の職人さんが作られていて、手の早い方で一日に100個の籠を作っていたと言われる。


最初のバレンに戻るけれど、あの竹細工にしても最盛期には11月から3月のシーズンに2000~2500個を6名の職人と一緒に製作していたそうだ。かさ張って工場に置ききれないので毎月トラックで500個づつ運ばれて行ったというが、それも凄い。こんな昔話をしていると必ず、ボクの敬愛するこの方の動画が登場する!




竹トラッカー「チャレンジラン山口」宇部空港への道

 
竹トラッカー道の駅みかわ、竹虎四代目(山岸義浩)


9月28日(水)早朝5時にスタートし30日(金)午後4に予定通り山口宇部空港に到着した「チャレンジラン山口」は、わずか2泊3日という短い道程ながら当初の予定より数カ所多い全12カ所で充電しながら走行した。丸6年前の「チャレンジラン横浜」から比べると経年劣化によって電池パワーが低下していて新車なら航続距離は50キロあるものが、現在は35キロ~40キロ程度で残量が少なく心配になってくる。


竹トラッカー「チャレンジラン山口」出発の朝


特に坂道では電気消費量が多くなるのだが、テストランでは四万十町道の駅までの往復で帰社途中の焼坂峠にあるトンネル内で初の電気切れを体験した。運よくたまたま下り坂になっていたものだから何とか暗いトンネルを自力で脱出できたが、あれがどこか遠くで人家のない場所だったら大変だったと思う。


竹トラッカーローソン高知越知町店


そこで今回の「チャレンジラン山口」では30キロ刻み、もしくはそれ以下で充電ポイントをお願いして念には念を入れた道程となっていた。途中でより多く停車するので時間はかかるものの、その分沢山の方に出会えるのが良かったところだ。


竹トラッカー仁淀川上流


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」は後ろ姿がいい。と、思う(笑)。横を流れるのは仁淀ブルーで有名になった仁淀川、地元では元々全国区だった四万十川よりも水が綺麗だと言うことでキャンプに行くならこの川だ。


竹トラッカー仁淀川町


途中には結婚で退職された元社員の家がある。充電させてもらいながら可愛いお子さんを抱かしてもらった。美しい川と自然、温かい人々に囲まれてのびやかに大きくなっていくに違いない。


竹トラッカー「チャレンジラン山口」うまいもん屋土居


竹トラッカーは、どこに行ってもとにかく人気だ。充電で停車しているだけで人の輪ができる、虎竹の里では見慣れていて社員も信じないかも知れないので証拠写真も沢山撮ってもらう。


竹トラッカー仁淀川を走る


平地だと最大速度は50キロだけれど、登坂では馬力がなくてスピードがのらない。二車線の道路では側道が広くなっている所で後続車に追い越してもらいながら進む。


竹トラッカー道の駅天空の郷さんさん


竹トラッカー道の駅天空の郷さんさん


道の駅天空の郷さんさんさんでも駅長さんに特別の配慮をいただいて本当に助かった。この充電ポイントを最後にして、今回の最大の難関三坂峠に挑まねばならない。


三坂峠


下見に来た時の三坂峠はこんな状態だった!ここに来るまで峠道がこんなに濃霧になっているなど想像もしなかった、少し標高が上がるだけで山の気候はこんなに変わるものだと改めて知った。峠を通過するのは夜8時過ぎ、この霧を考えてたら単独走行は無理だと思って、後ろからスタッフに伴走してもらう事にした。


竹トラッカー霧の「チャレンジラン山口」


竹トラッカー三坂峠越え


幸い、当日は下見の日ほどの霧ではなく助かったが、やはり視界は良くない。道路工事で警備の方が手にする赤い誘導棒が役立った。


竹トラッカー松山ホテル


無事に松山市内のホテルに到着しカバーをかけて、また明日。


竹トラッカーセプンイレブン


竹トラッカーあいテレビ取材


松山三津浜港からのフェリーにのる直前まで、セブンイレブン松山三津浜港前店さんでお世話になる。SNSで知ってくださった方や、愛媛あいテレビの方が取材にお越しいただいた。


虎竹アーマー


竹トラッカー


三津浜港から柳井港までの防予フェリーは2時間半くらいだが、その間でも重たい虎竹アーマーのままではゆっくり休めない。


竹林の多い山口県


さすがに良質なとの産地として有名な山口だ、あちらこちらに竹林が目につく山道を行く。


竹トラッカー、ローソン充電


竹トラッカーガソリンスタンド充電


竹トラッカー防府ホテル


防府市内のホテルには、予定時刻を少し過ぎて到着した。


竹トラッカー「チャレンジラン山口」充電


山口宇部空港、竹トラッカー


そして、いよいよ道の駅きららあじすさんでの充電ポイントを経て、正面に素晴らしい竹の装飾のある山口宇部空港へ。


山口宇部空港、竹トラッカー


宇部市内の数カ所で開催されるバンブーフェスタの仕掛人であり、今回お声掛けいただいたエシカルバンブーの田澤恵津子さんが出迎えてくれた。これだけの竹の魅力を発信する一大イベントが集結できるのは、この方の竹への純真な心と志の高さに違いない。


山口宇部空港、竹トラッカー


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」山口宇部空港展示


それにしても地方の空港でこんなに活気のある所は少ないのではないかと思う。アニメファンの聖地ともなっている場所に、竹は似つかわしくない、古めかしい物だと思われるだろうか?確かに竹の歴史は数千年で昔ながらのものではあるが、竹電気自動車もエヴァンゲリオンと同じ電力と人の思いで動いている。




山口宇部空港×EVANGELION×竹虎

 
山口宇部空港×EVANGELION×竹虎


ところで、日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」を展示いただいた山口宇部空港は、人気アニメであるエヴァンゲリオンがいっぱいだ。初号機立像から大型垂れ幕、登場人物スタンドパネル、中央階段に描かれた絵、入り口ガラスや垂れ幕など凄い。「山口宇部空港×EVANGELION」として夜間のライトアップまでがエヴァンゲリオンの色合いになっていて徹底している。


山口宇部空港×EVANGELION×竹虎


「新世紀エヴァンゲリオン」庵野秀明監督が宇部市出身との事で、大ヒットした映画の中でも宇部の景色が登場してファンの方々がやって来られているそうだ。「まちじゅうエヴァンゲリオン」と垂れ幕に書かれていた、自分は空港しか拝見していないが、それでも地域の熱がビンビン伝わってくる。


山口宇部空港×EVANGELION


山口宇部空港×EVANGELION×竹虎


山口宇部空港×EVANGELION×竹虎


こんな雰囲気の中、少し違和感を放ちながら竹トラッカーが宇部空港に降り立つ皆様をお出迎えしている(笑)。


山口宇部空港×EVANGELION


新世紀エヴァンゲリオンキャラクター


EVANGELION、新世紀エヴァンゲリオン


若いアニメファンの皆様には虎竹がどんな風に見えるのか分からないが、近未来を描くエヴァンゲリオンだけでなく、古くは土佐藩政時代から延々と続き、自分たちも100年間守り続けてきた虎竹も来襲している!




「チャレンジラン山口」山口宇部空港到着!

 
竹虎四代目(山岸義浩)、虎竹アーマー


虎竹の里から山口宇部空港を2泊3日かけて目指してきた「チャレンジラン山口」が、いよいよ終盤である。普通乗用車であれば全く何という事のない距離であるが、35キロごとに一回6時間充電を必要とする竹トラッカーには短い道のりとは言えない。電池切れと共に足回りの故障なども気になって相変わらずずっと景色など楽しむ余裕もなく来た、後残り数キロが大事だと思い改めて気を引き締めた。


竹トラッカー後部


山口県の道は広く走りやすい、地方にしては二車線も多いのではないだろうか「高知→山口宇部空港 お先にどうぞ」とプラカードを後部に取り付けているけれど、追い越し車線があるので後続車に迷惑をかけずに済む事が多かったと思う。


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」、山口宇部空港


そして、遂に目指してきた山口宇部空港が見えてきた!まっすぐ走った所に沢山の方が出迎えてくれているのが見えた。おおっ!高知のようにワシントンヤシが並んで植えられていて美しい。


山口宇部空港にて竹虎四代目(山岸義浩)取材


花束をいただき感激した!テレビ局の方も待機してくださっていて取材いただく、日本唯一の虎竹の話を聞いていただけて本当に嬉しい。


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」、山口宇部空港


竹虎四代目(山岸義浩)、宇部空港取材


竹虎四代目(山岸義浩)、花束


花束を手渡される機会は少ないので嬉しいものだ。良い香りの花も、旅先では活けられないのでホテルに飾っていただく事にした。


竹虎四代目(山岸義浩)


竹トラッカーを置かせていただいた場所は山口宇部空港の到着口正面になる。これから旅行される方も増えそうな気配だけれど、飛行機で降り立った皆様の目にとまって立ち止まっていただければ幸いだ。




「チャレンジラン山口」柳井港の花束

 
山口新聞記者さん


山口新聞の記者の方とは、松山三津浜港を朝7時20分に出て10時に到着する山口県は柳井港でお会いする約束をしていた。ボクは船酔いする事があるのでフェリーでは仮眠する事が多い。ところが今朝は港近くのセブンイレブン三津浜港前店さんで充電させていただくために3時半と少し早めの起床だったのに、山口上陸してからの事を考えてか眠る気にならない。


瀬戸内の島の竹林


柳井港フェリー内の竹トラッカー


海に浮かぶ島々にも案外竹が多いなあ、そう思って眺めているうちに柳井港に到着した。記者の方はどこだろうか?と前の車越しに探していると、一人の男性と目が合った。何か引き寄せられるように、その方の近くに竹トラッカーを近づけていくと手にした花束を渡された。


竹虎四代目、花束


竹トラッカーにいただいた花束


竹虎のブログやSNSで、この便で到着すると知って、わざわざ駆けつけてくれたと言われる。前々から竹トラッカーに心弾ませ、自分たちの拙いページに元気をもらい毎日頑張っているという言葉に涙が出た。知らぬ間に山口新聞の記者の方が横に来ていて、自分たちのやり取りをノートに走り書きしてくれている。日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」も、最初は社内で製作が全く出来ずお荷物のような存在だった。


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」、虎竹アーマー、竹虎四代目(山岸義浩)


実はクラウドファンディングを使ったのも、自分たちが多くの方に背中を押されている事を知ってもらいたい狙いもあった。それでも、いざ全く新しい物作りには熟練の職人ほど腰が重く8ヵ月という長い製作時間がかかってしまった。しかし、それでもこのような方に出会わせて頂けるのだから、竹トラッカーを作り、チャレンジラン山口を敢行した甲斐があったというものだ。


竹トラッカー山口新聞掲載


「チャレンジラン山口」高知新聞掲載!

 
「チャレンジラン山口」高知新聞掲載


「チャレンジラン山口」は、昨日の山口宇部空港への日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」展示が無事に終わり完了した。その時の様子については後日の30年ブログでお伝えしたいと思っているけれど、今回も本当に沢山の方にご支援頂戴し、応援の声に励まされて前進する事ができた。ひとつが、いつもこのような機会に取り上げて頂いている高知新聞さんだ。高知県では新聞といえば高知新聞の事を言う、もしかしたら地方でも珍しいのかも知れないが地元紙が全国紙よりも圧倒的なシェアがあり、親しみがある方も多いのではないかと思う。


「チャレンジラン山口」高知新聞取材


竹虎からお客様に荷物をお送りする際には必ず緩衝材として高知新聞を使うのも、地域の情報満載の新聞に愛着がある事に加えて、県外の皆様にも非常に好評な事がある。インターネットで地方の情報も手軽に手に入る時代とはいえ、やはり活字から知る知識は手放し難い。その証に竹虎には高知新聞へのお客様の嬉しい声が結構届く(笑)。


高知新聞社社員の方のお見送り


高知新聞社社員の方のお見送り


そこで、そんな身近な高知新聞に掲載いただけるのは本当に嬉しい事なのだけれど、今度の「チャレンジラン山口」では何と取材にお越しいただいてた記者の方が早朝にもかかわらず見送りに来てくれて感激した。ちょうど須崎の市街をぬけて最初の斗賀野峠に向かう登り口で勢い良く走ってくる車がいた。まだ辺りは真っ暗なので誰が運針しているのか分からない、ちょうど停車していた竹トラッカーの前方に急停車した車内から誰か降りて来られたと思ったら高知新聞の記者の方だったのだ!


「チャレンジラン山口」高知新聞掲載


わざわざお見送りに来て今朝の新聞に掲載されている事をお教えいただいた。実はこの時、先はまだまだ遠かったし、難所の三坂峠も控えていたけれど、こうやってお力添えしてもらえる「チャレンジラン山口」なら必ず目的地まで走り抜けられると確信したものだ。最初の充電ポイントのローソン高知越知町店さんで、早速高知新聞を買って記事を拝見した、大きく取り上げてもらっている紙面を見て母から電話があった。いつまで経っても自分は子供なのだ。