9月28日(水)早朝5時にスタートし30日(金)午後4に予定通り山口宇部空港に到着した「チャレンジラン山口」は、わずか2泊3日という短い道程ながら当初の予定より数カ所多い全12カ所で充電しながら走行した。丸6年前の「チャレンジラン横浜」から比べると経年劣化によって電池パワーが低下していて新車なら航続距離は50キロあるものが、現在は35キロ~40キロ程度で残量が少なく心配になってくる。
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特に坂道では電気消費量が多くなるのだが、テストランでは四万十町道の駅までの往復で帰社途中の焼坂峠にあるトンネル内で初の電気切れを体験した。運よくたまたま下り坂になっていたものだから何とか暗いトンネルを自力で脱出できたが、あれがどこか遠くで人家のない場所だったら大変だったと思う。
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そこで今回の「チャレンジラン山口」では30キロ刻み、もしくはそれ以下で充電ポイントをお願いして念には念を入れた道程となっていた。途中でより多く停車するので時間はかかるものの、その分沢山の方に出会えるのが良かったところだ。
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日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」は後ろ姿がいい。と、思う(笑)。横を流れるのは仁淀ブルーで有名になった仁淀川、地元では元々全国区だった四万十川よりも水が綺麗だと言うことでキャンプに行くならこの川だ。
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途中には結婚で退職された元社員の家がある。充電させてもらいながら可愛いお子さんを抱かしてもらった。美しい川と自然、温かい人々に囲まれてのびやかに大きくなっていくに違いない。
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竹トラッカーは、どこに行ってもとにかく人気だ。充電で停車しているだけで人の輪ができる、虎竹の里では見慣れていて社員も信じないかも知れないので証拠写真も沢山撮ってもらう。
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平地だと最大速度は50キロだけれど、登坂では馬力がなくてスピードがのらない。二車線の道路では側道が広くなっている所で後続車に追い越してもらいながら進む。
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道の駅天空の郷さんさんさんでも駅長さんに特別の配慮をいただいて本当に助かった。この充電ポイントを最後にして、今回の最大の難関三坂峠に挑まねばならない。
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下見に来た時の三坂峠はこんな状態だった!ここに来るまで峠道がこんなに濃霧になっているなど想像もしなかった、少し標高が上がるだけで山の気候はこんなに変わるものだと改めて知った。峠を通過するのは夜8時過ぎ、この霧を考えてたら単独走行は無理だと思って、後ろからスタッフに伴走してもらう事にした。
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幸い、当日は下見の日ほどの霧ではなく助かったが、やはり視界は良くない。道路工事で警備の方が手にする赤い誘導棒が役立った。
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無事に松山市内のホテルに到着しカバーをかけて、また明日。
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松山三津浜港からのフェリーにのる直前まで、セブンイレブン松山三津浜港前店さんでお世話になる。SNSで知ってくださった方や、愛媛あいテレビの方が取材にお越しいただいた。
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三津浜港から柳井港までの防予フェリーは2時間半くらいだが、その間でも重たい虎竹アーマーのままではゆっくり休めない。
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さすがに良質な竹との産地として有名な山口だ、あちらこちらに竹林が目につく山道を行く。
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防府市内のホテルには、予定時刻を少し過ぎて到着した。
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そして、いよいよ道の駅きららあじすさんでの充電ポイントを経て、正面に素晴らしい竹の装飾のある山口宇部空港へ。
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宇部市内の数カ所で開催されるバンブーフェスタの仕掛人であり、今回お声掛けいただいたエシカルバンブーの田澤恵津子さんが出迎えてくれた。これだけの竹の魅力を発信する一大イベントが集結できるのは、この方の竹への純真な心と志の高さに違いない。
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それにしても地方の空港でこんなに活気のある所は少ないのではないかと思う。アニメファンの聖地ともなっている場所に、竹は似つかわしくない、古めかしい物だと思われるだろうか?確かに竹の歴史は数千年で昔ながらのものではあるが、竹電気自動車もエヴァンゲリオンと同じ電力と人の思いで動いている。