その昔、千利休が川漁師が腰に下げていた魚籠の形が気にいって譲り受けたという有名な話がある。竹編みの魚籠は大きな物から小さな物まで全国各地で、その土地で手に入りやすい竹材を使い色々な形が作られてきたので種類も多く秀逸な籠も多い。手元にある魚籠を改めて見てみたら真竹や篠竹、根曲竹など25個程度あるだろうか?しかし、実際にはその何倍もの魚籠があって使われてきたはずだ。
今まで虎竹でも何種類かの魚籠を製作してもらった事がある。一番良かったのは腰に添うように籠全体がゆるやかな「くの字」型になって、底には銅板の補強が入った本格的なものだった。今回は角型のものが良いと思って作り手に全てお任せして編んでもらった。
虎竹二段角魚籠は、良い物ができそうだとは思っていたけれど、予想以上の出来栄えはさすがだ。魚籠としてよりもポシェットにして使えそうな完成度、蓋の深みがあるのがいい。角型の魚籠はやはり好きだ、もう少しサイズなど違えてご紹介できるようにしたい。
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