昨日の30年ブログに登場した御用籠は、丈夫なだけに長く使われているので古い籠を見かける事がある。新しく編まれた籠よりも何倍も魅力的になっているものも少なくないので竹は凄いと改めて思うのだが、先日出会った御用籠もまさにそんな一つだった。
見比べてみると持ち手部分などの幅が微妙に長いなど違いがある、しかし一番は側面の力竹の設えが全く異なっている。こんなに近くにあった産地なのに籠の作り方が異なる事などあるのだろうか?と不思議に思う事もあるけれど「五里四方で籠が違う」と昔から言われてきた。
今のように交通機関が発達していない時代では五里=20キロは遠い、しかも急峻な山道なら尚更である。20キロ離れれば職人が違い、竹編みも違っていたのだが、どうやら竹の質までも変わっているのか、この御用籠は管理の良さもあるが変色具合が格別に良い。
気になって尋ねてみたら、かっては竹の名産地として知られた竹材が使われているようだ。竹の品質でここまで色合いが美しくなるのであれば、竹材を伐り出す竹山にもっとこだわっても良いと思う。害虫駆除のために熱湯消毒をして乾燥させている竹籠がズラリと並んだ作業場を見ながら感じている。
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